小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『トニートニー・チョッパー』




「ここから立ち去れ」

冬島に到着して船から降りようとしていたところに、銃を持っている男たち

とひときわ目立つ大柄の男が現れ、大柄の男に出会いがしらそう言われた。

「悪いがそれは出来ない。こっちには病人がいる。助けてやりたい」

「うるせぇ! 海賊はさっさと失せろ!」

「そうだそうだ!」

男たちは「帰れ」と連呼する。

「頼むよ! 助けてやりたいんだ! 大事な友人なんだ!」

ルフィが必死に説得する。

「うるせぇ! 海賊なんか信用するか!」

一人の男がルフィに向かって発砲する。しかしゴム人間であるルフィに銃弾

は聞かず、そのまま弾き返された。発砲した者には当たらずに済んだようで

倒れるそぶりは見せない。代わりに怯えた表情はしているが。

「あ、悪魔の実の能力者か!」

「ド、ドルトンさん!」

「……ああ」

「ん? なんだ?」

「ふん!」

ドルトンの声に合わせて顔や体がどんどん変化していく。

「おおおおい! なんなんだあれは」

「能力者か!」

怯えるウソップに、壁にされながらも刀を構えるゾロ。

「牛か、ちょっとやそっとなことで倒れそうにねぇな」

煙草を捨て、戦闘態勢をとるサンジ。

「どうすんのよルフィ!」

ウソップ同様に焦るナミ。

「そっちがやろうってんならやってやる」

「ええ、こっちは船長の命がかかってる。負けるわけにはいかないわ」

ファーゴとリモーネも戦えるように構える。

「待ってみんな! 落ち着いて!」

ビビは一人、みんなを止めようとするが、

「無理だビビ向こうはやる気だ」

ルフィが拳を鳴らす。

「行くぞ!」

ドルトンは身体能力を生かした動きで一気に近づく。

「早い!」

そう誰かだ言った時にはルフィの傍にやって来ていた。

斧をルフィ目掛けて振り下ろそうとすると、

アスラたちの乗っている船から誰かが空中を渡ってやって来る。


キィィィィン!


金属音がぶつかり合う。

「よう、俺がその病人だ」

『アスラ(さん)!』

槍でドルトンの斧を抑えているが、病人であるアスラにはきつい状態で、軍

神五兵で自分を強化していた。

「アスラ…………かの有名な魔槍のアスラか」

「どうも……悪いな、俺はこんなところで死ぬわけにはいかない。だから、

頼むっ! 医者を紹介してくれ!」

アスラは頭を下げ、ドルトンに願い出た。

「頼む!」

するとルフィやファーゴ、リモーネにビビなどが、頭を下げる。

「…………ついてきなさい」

人間の姿に戻ったドルトンはそう言って戻って行った。

安堵したアスラはその場で倒れてしまった。

「アスラ! おい、アスラ!」

ルフィたちの心配する声を聴きながら意識を手放した。





その後ドルトンの案内で街へと移動する一同。

ゾロとカルーは船に残り、ウソップも負傷したメリーを直すために残った。

ファーゴとリモーネはアスラを心配し、両者ともについていった。

ドルトンの家に案内され、ベッドに寝かしつけられた後、医者を探すルフィ

たちだったが、医者は山の上にいると言われ、ルフィは上ると言った。

嫌々ながらも鍛えてもらった借りを返すと言ってサンジも同行した。

そのほかの者はワポルのこともあってか村に待機することになった。


月歩を未だ使えない二人は練習になると言って剃で移動をし続けた。


「なるほど、君たちはもともと彼の敵だったのか」

「ああ、だが、面白いとか言って仲間にされた」

「フッ、面白い考えだな」

「キャハハ、ほんとわかんないわよねぇ」

ドルトンはファーゴとリモーネからアスラの話を聞いていた。

風が強くなり、さすがに屋外にいることがつらくなったため、ビビを除く全

員がドルトンの家で待機している。

「彼は不思議だ。互いに視線が交差した時感じた。あの目は絶対に守ると決

意した目だった。上に立つものの存在感なのか分からないが、惹かれる物を

感じたな」

「あいつといるとそう感じることばかりだ。あいつ、一人で船操れんだ。俺

たちは手が回らない所だけを担当しているぐらいでよ」

「あと、海軍との戦いに備えて三人で時間をかけず、被害も出さない戦法を

編み出してたわね」

「……とんでもないな」

「ああ、俺たちはとんでもない人間の船に乗っちまった」

「キャハハ、だから楽しんだけどね」

「みんな! 大変よ!」

少し村を見てくると言っていたビビが焦った表情をしながら戻ってきた。

「どうしたの? そんなに慌てちゃって」

部屋の中で本を読んでいたナミがビビを見る。

「ワポルが、また現れたの、海軍を連れて!」

『なに!』






アスラが次に目を覚ましたのは暖かい部屋だった。

「……お約束のセリフは言った方がいいのか?」

などと言っていたが、そこへサングラスをかけた妙齢の女性が現れた。

「目が覚めたのかい?」

「ああ、どうやら世話になったみたいだな」

「ヒッヒッヒ、これでも医者なんでね。あんたを連れてきた二人に感謝する

だね。まさか山を登って来るやつがいるなんて思ってもいなかったよ」

「まぁあいつ等だしな。そうそう、俺の病気って?」

「あんたはケスチア病といって昔絶滅したはずの病気にかかってたよ。何を

すればこれにかかるのか不思議だけどね」

「あーやっぱり、上半身裸で森の中歩くんじゃなかった」

(言った俺が病気にかかるとか、バカすぎる)

「ヒ――ヒッヒッヒ、思い当たる節があるみたいだね」

「ああ、まぁな。そういえば名前聞いてなかったな?(知ってるけど)」

「私はDr.くれは。ドクトリーヌと呼びな」

「面倒をかけたなドクトリーヌ。礼はするよ」

「ヒ――ヒッヒッヒ! 当たり前だよ。でもまぁ今は寝ときな」

「ああ、そうする」

アスラが寝ようとしたとき、

「待てー! 肉ぅぅ!」

「ぎゃああああ!」

「オイ、ルフィ! まだ食うな、こいつは保存食だ!」

「…………騒がしくなったな」

「そうだね」

ドクトリーヌはビンに入った酒を飲む。

「あいつは?」

「あいつはトニートニー・チョッパー。私の医術のすべてを叩きこんだ弟子

みたいなもんさ」






「まっはっはっはっ! 俺様が帰って来たぞ!」

高笑いと共にワポルが村へと入って来た。後方には海軍がいて、武器を手に

持っている。

「ワポル!」

「様がないぞドルトン、お前いつの間に偉くなったんだ?」

「貴様の帰る場所などもうない!」

「図が高けぇぞドルトン! いいのか? 国王である俺様に逆らっても? 

海軍がお前を捉えるぞ! まっはっはっは!」

「その時は貴様を殺してからだ!」

ドルトンは牛の姿にと帰るが、

銃声が響き、ドルトンに網が放たれた。逃げる隙がなく、捕獲されてしまっ

たドルトン。抜け出そうとするが、

「ち、力が……」

「まっはっはっは! 哀れだなドルトン」

「これは海桜石が組み込まれた特殊な物だ。海軍が能力者を捉える為のな」

クロマリーモが笑みを見せる。

「さらばだドルトン」

チェスがドルトンに目掛けて弓を放つ。

覚悟を決めたドルトンは目を瞑る。

『ドルトンさん!!』

周囲にいた村の者たちは悲鳴に近い声を上げる。

「ブレス・ボム!」

爆発が起きた。

ドルトンに当たる数メートル前で弓は爆発した。

「またお前か! 何様のつもりだ!」

「……俺たちは船長命令に従っているだけだ」

「キャハハ、そういうこと」

ファーゴとリモーネはドルトンの前に立つ。

「魔槍アスラ率いるフィオナ海賊団、ファーゴ」

「同じくリモーネ」

「海軍が攻撃してきた場合は敵と判断し、倒す。そういう船長命令が出てい

るんでな、悪いがここで消えろ」

「貴様らァ、おい海軍! あいつら全員ぶっ殺せ! 俺様は城へ向かう」

ワポルはクロマリーモとチェスをロブソンに乗せ、城のあるドラムロックへ

と向かった。

「貴様ら、魔槍の仲間か」

「ああ、ここ最近仲間になった」

「ならば、捉える!」

「やってみろ!」

海軍とフィオナ海賊団の両雄がぶつかる。

この事件によってドラム王国の未来は正史と異なる方向へと進む。



<あとがき>

どうも、八咫です。

今回も微妙な長さですね。なんかもう長く書くのは諦めてます。

ドラム編はほぼ展開がオリジナルです。

仲間の件ですが、前回最後まで見た方は分かるかと思いますが、男女ともに

三人づつ仲間にすることに決めました。

男側は上の三人が決定です。ほぼ独断で決めてしまい申し訳ありません。一

番下の人物に関しては難易度が高いのでもう少し考えます。でも仲間にした

いと考えています。

他にもいろいろな案を出していただきありがとうございます。仲間の人数に

今の所制限はありません。問題は空気にすることなく八咫が書けるかの問題

です。

悪魔の実の意見をいただきありがとうございます。

ゆるふわ様の霧の案は使わせていただこうと思います。自分も誰かと組ませ

たいと考えていたのですが、霧が浮かびませんでしたありがとうございます

レギオン様のドラゴン案ですが、中国龍だとヘビヘビの幻獣種といえますが

西洋龍だと何に分類されるんでしょうね。難しい……

うまくはまれば使いたいと思います。

またアスラの特典も随時意見募集中です。

今後ともよろしくお願いします。

では次回『激突』で、失礼します。

-20-
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