小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『巡りあわせ』





「大物が取れたぞー!」

ルフィたちを先に行かせた後アスラたちはゆっくりと航海をしていた。

「ドルトーン! 引き上げてくれ」

「うむ」

現在は上等の魚をアスラが取って来たところである。

他の者はアスラが取って来るまでトレーニングを行っている。

現在全員でポーラに三式と覇気のレクチャーをしている。

プロの殺し屋が相方だっただけに吸収力は高く、すぐさま剃を習得した。

実戦形式の戦いでアスラが漁から戻って来るまでビビが相手をしていた。

「強いわね、とても王女だとは思えないわ」

「アスラさんに鍛えられたから、生半可な覚悟じゃすぐに気絶させられちゃうし」

「あらあら、おっかない船長さんね。後悔してない?」

ポーラはキセルを吹かしながら訪ねる。

「後悔はしていないわ、していたら初めから強くなろうなんて思わないもの」

「そう、良い船長ね」

「だが、彼は昔天竜人殺害という大犯罪を犯している。とてもじゃないが生半可な覚

悟で出来ることじゃない」

魚を運び終えたドルトンが話に混じり始めた。

「ドルトンさんの言う通りね、アスラさん、またやるかも……」

「その時はその時だろう。船長命令であれば逆らえん」

「そんなことは言わねぇよ」

ドルトンとビビの会話を聞いていたのかアスラは近づいて来る。

「まぁ、お前たちの判断に任せるさ、ちなみに俺は後悔していない。俺のやったこと

は悪いと思っていない。むしろ自分たちが行ってきたツケが回ってきただけだろ」

「我々のように国として彼らの存在を知っている以上あなたの考えは驚きですよ」

「そんなことに囚われてんじゃねぇよドルトン面白くない。自分の本心がしたいこと

をすればいいんだよ、その結果俺は天竜人を殺したと言う結果になった。それだけだ

よ。ああ、ポーラ後で俺と勝負しよう」

「了解よ、お手柔らかにね」

「分かってる」




その後食事を終えた全員はのんびりと過ごした。

「アスラさん、次はどこへ向かうの?」

「さぁ?」

「えっ?」

「だってログねぇし」

「えええええええ!」

ビビは驚きのあまり絶叫してしまった。

「今頃気が付いたのか?」

「キャハハ、無理ないわよファーゴ、だって私たちずっと麦わらたちについていった

じゃない?」

「ふむ、やはり驚くものだろうな」

「あらあら、ホント面白いわね」

「ちょっと! みんな何を呑気にしているの!? 一生島にたどり着けないかもしれ

ないのよ!?」

「大丈夫だってビビ、運が良ければたどり着くさ」

「運任せなの!?」

「それもまた航海の醍醐味だ」

「そんな醍醐味いやぁぁぁぁぁぁ!!」

ビビは頭を押さえて叫ぶ。

「まぁ半分は冗談だ」

「残り半分は!?」

「昔グランドラインには居たことあるし、大体何とかなるだろ、運が良ければジャヤ

についてたむろしている海賊たちからログを奪えるかもしれないし」

『なるほど』

ビビを含めて全員が納得してしまった。すでに全員がアスラに少しづつ毒されている

ようなものである。





「ああ、そうだビビ、これ渡しておく」

「え? こ、これ……」

「ドラムで見つけた悪魔の実だ。やる。食いたきゃ食え、食わなくてもいいがな」

「で、でも……私なんかよりアスラさんが……」

「俺が食ったら漁ができなくなるだろ?」

「……少し考えてもいい?」

「それはお前のだ。好きにしろ」




「……どうしよう」

ビビは一人食堂で悩んでいた。

目の前には先ほどアスラから渡された悪魔の実がぽつんと置かれている。

「はぁ」

「何を悩んでいるのかしら?」

「あっ、ポーラさん」

「ポーラでいいわよ、あら、悪魔の実ね。食べないの?」

「アスラさんが好きにしろって」

「そう、まぁ食べても泳げなくなるだけだしいいんじゃない?」

「ん〜それだとアスラさんが万が一の時すごく頑張らなきゃいけなくなるし」

「まぁ悩みなさい」

ポーラはそれだけ言って出て行った。

「……どうしよう」

ビビは悩んでいるうちにうたたねしてしまった。




「良いのかアスラ?」

「何が?」

甲板に出ていたアスラとファーゴがリモーネとドルトン、ポーラのトレーニングを見

ながら話を始める。

「悪魔の実を売りに出さなくて、言い値になるぞ?」

「おいおい、ファーゴ、この船が資金に困っているとでも?」

「そうじゃないが」

「じゃあいいじゃん。それにせっかく見つけたのに誰かにやるのはなんか嫌だ」

「まぁ、お前がそう言うならそれでいいが」

「あ――――!!」

突然船内から声が聞こえた。

「なんだ?」

「くくく、面白いことになった」

「何かあったのかアスラ?」

「いいから行こう、実際に見た方がいい」

全員声がした食堂へと向かった。

食堂ではビビ半狂乱になりながらカルーの首を絞めていた。

「なんてことしてくれたのカルー! 吐きなさい、今すぐ!」

「グ、グエ……」

「絞めてたらダメだろ」

冷静に突っ込むファーゴはテーブルを見る。そこには半分ほど食べられた悪魔の実が

あった。

「あっ、アスラさん、その、ごめんなさい! カルーが悪魔の実を食べちゃったみた

いで」

「なるほど……」

「キャハハハ!」

「興味深い」

「ふふ、飽きないわね」

呆れたり、笑っていたりするファーゴ、リモーネ、ドルトン、ポーラ。

「いいよ、これも何かの縁だろ」

「うう、ごめんなさい」

「まぁその代りカルーにもトレーニングに励んでもらうからな」

「クエ!?」

「それを食べたんんだ。少しぐらいは戦力と数えさせてもらうぜ?」

「クエ〜」

「わ、私は?」

「まぁこれまで通り三式を極めて、武器の練度を上げていこう。その内使ってみたい

武器とかあれば言ってくれ、取って来る」

「う、うん、ありがとう」

「さて、カルー。トレーニングと行こうか! 全員で鍛えてやろう。嬉しいだろ?」

「ク、クエー!! クエ!」

「頑張りましょカルー」

「クエ……」

その後泣き叫ぶカルーを鍛えていると霧が発生し、体を攻撃しても霧散する。

これによってカルーが食べた実はキリキリの実だと判明した。

自然系だということで全員が特訓用の相手として使い始めた。

それに対してカルーも成長していき、次第に反撃できるようになった。





そんな時間を過ごしていく内に本当にジャヤについてしまった。

ビビは奇跡だわ! と叫んでいた。

上陸し、街を回るとどこもかしこも海賊たちが暴れていた。

「海軍もこういう所を取り締まったらいいんじゃないかと思うがな」

「酷い所ね」

アスラは現在ビビと共に街を歩いていた。

船にファーゴとリモーネ、カルーを残し、ドルトンとポーラは別々に行動していた。

降りる際アスラは他の者に「いざとなったら一味全員を潰せ」と伝えてある。

騒がし街を歩いていると、聞き覚えのある声が聞こえた。

「人の夢は、終わらねぇ!! そうだろ!!」

「ティーチか」

「えっ? どうかしたのアスラさん?」

「ビビすまないが先に船に戻ってもらえるか?」

「え? うん、いいけど」

「俺もすぐ戻るさ」

「分かった」

ビビはアスラから離れ、来た道を戻った。

船に戻ると周辺に武器を持った海賊たちが倒れていた。

「何かあったの?」

「俺たちの首を取りに来たんだと」

「キャハハ、アスラが居ないからねらえ目だと思ったみたいね」

「それで無残に敗れたのね」

「アスラはどうした?」

「何か用事があるみたい」

それから三人はたびたび襲ってくる海賊たちを倒していた。

三人ともトレーニングの成果を試している感覚だったが。




一方でポーラは服の調達をしていた。何分女性でありながら少し高身長な彼女はサイ

ズのあう服があまりない。

こういう機会に服を調達しておきたかったようだ。

「困ったわね、おちおち服も選べないんて」

現在服は選んでいるが、絡んでくる男たちをあしらっているため、ゆっくりと選べな

い。(ポーラはバンダナを巻いています)

すでに数十人の男を倒しており、半分呆れている。

そしてまた絡んでくる男が現れた。

「はぁ」

数秒後、男から断末魔が聞こえるのは当然の流れだった。





「はっ!」

「ぎゃあああ!」

その頃同じく一人で行動していたドルトンは賞金稼ぎや名を上げようとする海賊によ

って食料調達が行えなかった。

最初は無視していたが、しつこくなったドルトンは全員を倒しながら進んでいた。

「今ほどうまく剃が使えないことが悔やまれるな」

「何よそ見してやがる!」

「ふん!」

「ぐえ!」

「皆を待たせるわけにはいかない。少し急ぐとしよう」





「ようティーチ」

「ん? ゼハハハハ! なつかしい顔だ。アスラ」

「なんでこんなとこにいんだ? あのジジイのところから抜けて来たのか?」

「ゼハハハ、まぁそんなところだ。今は黒ひげ海賊団って名乗ってる」

「ほぉ、そりゃまたどうして(知っているがな)」

「それは言えねぇな、どうだアスラ、俺と来ないか?」

「断る。お前といるのは楽しくなさそうだ」

「残念だ。なら、俺の踏み台になりやがれ!」

ティーチの右腕が黒くなり、そこからがれきがアスラに向かって放出された。

「ちっ」

回避するアスラは空中からティーチを睨みつける。

「何の真似だ?」

「お前を海軍に渡せば、俺の七武海入りは確実だろ?」

「まぁなだが、その空席には俺の仲間が将来座る予定だ。お前じゃない」

「ゼハハハ! 俺の能力を見てそう言えるかアスラ?」

ティーチの周りに四人の男が集まる。

(一人このタイミングではいない奴がいるが、まぁいいか)

「まぁ、お前がその気ならいいぜ、乗ってやるよ」

「ゼハハハ! これも巡りあわせだ! お前を倒せば俺の名は一気に広まる」

「もしくはここで死ぬかだがな」

「それも巡りあわせだ」

「行くぞ」

「こい!」

「うぃーはっはー!」

「これも巡りあわせか」

「ゴフッ、運命はどちらに傾くか……」

「ホホ、始めましょう」

魔槍VS黒ひげ海賊団、戦闘開始。



<あとがき>

どうも八咫です。

まずは皆様に謝罪しなければいけません。アンケートで食わせる側に入れてくれた方

々。大変申し訳ありませんでした。

色々考えた結果、能力者として動かすよりも、新しい技や武器を持たせた方が面白く

なるんじゃないかと思い、なおかつアスラだけでは海に落ちた時の救助が大変だから

ということもあります。

よって妥協案でカルーとさせていただきました。

また、アルビダを仲間にしようと思ったのですが、後に合体技を構成するときにアル

ビダがうまく回せないため、今回は外しました。

次回は黒ひげ対アスラです。ジャヤで戦うにしてもいい迷惑でしょうね。

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