小説『π>ψ』
作者:馬頭鬼()

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 〜 あとがきに似たようなものです 〜

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
 実のところ、このπ>ψは三年以上昔、MF文庫に投稿したものの一次で落ちちゃった作品でございまして。
 その落選理由が「ヒロインが多すぎる」という、微妙に納得いかない理由だったので、こうして改稿・加筆をして発表させて頂いた次第であります。
 とは言え、投稿時の文章はあまりにも酷く、稚拙で……正直に言って書いた私が読むに値しないと思ったくらいでした。
 実際、ヒロイン一人一人のキャラクターを生かす描写があまりにも少なく、キャラクター小説であるべきライトノベルとしては落第点だったのだと、今になって反省する次第ですけれど。

 そうして改稿・加筆していく内に、MF形式40*34で120ページだった元原稿が気付けば191ページになっていたという……。
 元の原稿が如何に稚拙で、如何に描写不足だったかが知れようというものです。

 タイトルの由来は説明するまでもないでしょうが……πはそのまんま『おっぱい』のこと。Ψは『PSY能力(サイキック)』のこと。
 つまり、超能力よりもおっぱいを優先する主人公、佐藤和人のことを表すタイトルだった訳です。
 一応、主題としまして「生まれや能力より、行いで人間を区別すべき」という主題があります。

 では、一応キャラクターの解説などを……


・佐藤和人 
 主人公。おっぱい星人。
 一応、超能力に対するアンチテーゼとして「古武術を学んだ」という設定を加えたものの、尻に指を突っ込むわ、セクハラするわとあまり主人公らしくない行動ばかりになってしまいました。
 彼のおっぱい崇拝は、実のところ暴虐な従妹に対する反発で、おっぱいを愛感情や性欲の対象とするよりは、芸術品や仏像など、触れがたい崇拝の対象としております。
 その癖が実はフラグをへし折りまくっていることに気付かない、鈍感主人公のテンプレを踏みまくる主人公でした。
 彼の立ち位置は、超能力者でもない、ただの一般人。
 何度か超能力を得そうな描写を匂わせたのは、彼が超能力者になれないという設定を生かすためのデコイだったりします。
 立ち位置としては、超能力や身体的障害で人を差別しない、独自の判断基準を持つ人間、という存在です。
 その立ち位置を強調しようとして、おっぱい星人にしてみたところ、そればっかり描写するアホ主人公に成り下がったという……キャラは立っていたと思いますが。。。


・中空亜由美
 バストサイズが足りずヒロインになれない哀れな少女。
 名前の由来を語るまでもない、空中浮遊という特異な能力を有した超能力少女。
 超能力者の代表でもある、人懐っこく主人公の友人役でした。
 鳥が何故軽いかと同じ理由で体型が決まってしまい、ヒロイン候補から脱落してしまった哀れな少女。
 超能力は一つの技能でしかなく、修練に基づいてその用途を変えてしまうことを主人公に気付かせる、いわば物語の導入役でした。
 最初はヒロイン候補だった訳ですが……主人公の性質上、奈々のバストサイズに押され気味でして、あまり強引にヒロインとしての地位を築けなかったキャラです。
 立ち位置は超能力者側だけど、普通人に対して差別意識のない中立ヒロイン。
 その所為か、微妙に目立たず終わってしまった気がします。
 その辺りを生かし切れなかったのが、反省点だったりします。


・数寄屋奈々
 本作のヒロイン……と見せかけて、実は主人公の特徴を生かすだけの脇役だったりします。
 名前の由来は、超能力者をスキャナーという隠語で呼ぶ設定のあった超人ロックより。
 最初の能力測定から延々と刺客に威嚇され続け、その盾として主人公の近くによって乳を強調し続けた、計算高い少女です。
 ハーレム系ラノベのアンチテーゼとして『意味もなくヒロインが主人公を好きになるのはおかしい』という疑問に対する一つの答として『主人公を肉の盾として利用するヒロイン』という斬新な設定を目指してみたのですけれど
 その設定上、主人公に対する恋愛感情があまり発生せず、また主人公もおっぱい様と呼ぶほどの、言わば崇拝の対象と考えていて、全く恋愛が絡まないヒロインという、実に間抜けな結果になってしまいました。
 立ち位置はPSY能力でもなければ普通人でもない、ESP能力者という微妙な場所。
 お蔭でおっぱい以外の影が薄くなってしまった感があります。


・音無奈美
 本作第二のヒロインにしてラスボス。
 乳以外見ていない主人公を、その仕草の可憐さで惹きつけるヒロイン役です。
 名前の由来は音のない暗殺者として、音波を使う波(奈美)として、名前を他のヒロインのように意味が一致していない、言わばフェイク的な名前でした。
 奈美と奈々で重なってしまい、ちょっと判別が難しくなったのが我ながら失敗だったと反省しております。
 キャラクターとしては、目が見えないからこその超能力者。可憐でひ弱な少女……と見せかけてその実、刺客として最強の戦闘力を誇るキャラでした。
 立ち位置としまして、超能力を持たずに障害を克服した、言わば超能力を持てない佐藤和人の影役であり、普通人(ノーマル)の代表でもあります。
 見えない技に特化し過ぎた所為で、真昼間では主人公と同等の戦力しか有しなかった純情少女。
 武装は毒針杖、黒塗りの日本刀、見えない繊維。あと使わなかったものの黒い毒苦無、目つぶし、流星鎚に含み針と暗器の勢揃い。
 ちなみに超必殺技は、日本刀を地面に突き刺して、その反動を使った下段からの超高速斬撃である無明逆流れでした。
 ……描写的にも著作権的にも全力で戦える訳がないキャラクターだった訳です。

 
・扇羽子、雨野雫、石井レキ
 三馬鹿トリオ。
 単なるにぎやかしの割には前に出てきた三人娘。
 加筆修正で最も出番とセリフが増えたのはこの三人娘でした。
 バストサイズがささやか過ぎて、そもそもヒロイン役として端っから設定していなかった脇役三人集。
 名前の由来はまさにそのもの。
 立ち位置は話せば分かる、普通の超能力者。


・委員長その他。
 脇役。
 委員長をはムスカの叫びを生み出すために、稲葉雷香を含めて「超能力は使い方次第」という本作の考え方を強調するためだけに存在していたキャラだったりします。
 由布結は主人公がバストサイズだけを見ないように配置しつつ、吉良光はただの数合わせで終わってしまった辺り、ちょいと悔いが残っております。


・鶴来舞斗と鶴来舞奈
 姉弟。
 超能力は伝播する。
 そして同じ能力でも練度によって全く違う。
 ……という二つの性質を説明することで物語の主題を生かすために、対比を見せる対象として生まれた姉弟でした。
 技能の練度による対比として、舞斗が情けなくなり過ぎた感がありましたが。

 
・陸奥繪菜先輩。
 Dというバストサイズを誇り、最強の超能力を誇る、まさに後半のヒロイン。
 立ち位置は「超能力は必要だから生まれる」という今作品の根幹をなすキャラで、そのために手足を奪われた、ある意味では悲しいヒロイン。
 考え方は超能力者の典型で、普通人と自分たちとを区別して考える役割で、刺客や夢の島高等学校の存在意義を知っている、説明役でもありました。
 尤も、主人公はバストサイズしか見ておらず、その所為で中ボスキャラのつもりが、ヒロインっぽい描写が出てきてしまった経緯があります。
 能力と障害という二つの問題により、女の子扱いされたことがない生粋のお嬢様で、チョロいヒロイン代表だったりします。



 少女がほとんどの学園を舞台に、萌えより燃えを優先した、超能力バトルモノに見せかけて、実のところ最後には普通人同士の戦闘になるという。
 いわゆる、世の中に溢れているセオリーに喧嘩を売るような発想で物語を構成しているという、いわばマイナス向きで作られた作品。
 そればかりでは面白くないだろうと、パロを後付で加えまくった訳ですが、違和感なく仕上がっていたでしょうか??


 とまぁ、拙作を最後まで、しかも後付のこんな言い訳集までも付き合っていただき、本当にありがとうございました。
 感想や修正点がございましたら、メッセージやコメント等、よろしくお願いします。
 今後の作品作りの参考と致しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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