小説『ハイスクールD×D Dragon×Dark』
作者:()

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「で、今日は何の用だ」

 目の前の二人――『禍の団(カオス・ブリゲード)』の英雄派に所属しているアーサー・ペンドラゴンとルフェイ・ペンドラゴン。

 この二人とは俺とは派閥が違うのだが、なぜかそれなりに親しくしている。
 お互いに変わり者だからだろうか?

「少し居心地が悪かったので抜け出してきました」
「お前ら本当に英雄派の連中と相性悪いのな……」
 だからと言って別の派閥の俺の所に来なくてもいいと思う。

「ここは居心地がいいですからね」
「心を読むな」
「表情に出てましたよ?」
「マジか……?」
 二人は同時に頷いた。


「つまり、簡単に言うとジークフリートがアーサーに絡んできたと?」
 ジークフリートとはアーサーと同じ英雄派に属する魔剣使いで、『魔剣(カオスエッジ)ジーク』の渾名(あだな)を持ち、アーサーとどちらが強いか噂されている。

「まあそうなりますね」
 アーサー自身の剣――聖王剣コールブランドの手入れをしながら答える。
(ふと思ったんだけどその白いポンポンって日本刀に使うのは見た事あるけど剣にも使えるの?)

 だが、そんな事をこの男に聞ける筈もなく(彼はこう見えて戦闘時は一切容赦が無いのだ)、違う事を口に出す。

「俺も周りと仲悪いけど……お前らも中々に面倒だね」
「所属している理由も他の方々とは違っていますしね」
「確か英雄派は悪魔や堕天使を絶滅させたいんだったか?」
 これを英雄派に聞かれたら反論されるのは確実だろう。

「簡単に言えばそんな感じです」
 だが、目の前の男は反論どころか肯定した。
 それだけでこの男は英雄派と馴染めていない事が分かる。

「俺達一般人から見たらどっちもどっちなんだがな」
「貴方は一般人では無いでしょう」
「学校にも通ってるのに?」
「一般人はテロリスト集団には属していないでしょう?」
「それもそうか」
 今まで掲げていた一般人と言う肩書きを一瞬で下ろす。
 オカ研の面々の前では掲げ続けることになるだろうが。



「一応忠告しておくとここは魔王の妹君の管理地域だから、来るのは危険だぞ」
「まだ禍の団は本格的に活動していないので大丈夫でしょう。大体、それを言うならあなたの方が危険では?」
「俺は生まれてからずっとここに住んでるんだ。悪魔達に文句を言われる筋合いは無い」
「その悪魔達に最近接触したそうですね」
「……誰から聞いた?」
「黒歌からですが」
「あの糞猫ォ……!妹に隠し事洗いざらい打ち明けてやろうか……!」
「それをされると大喧嘩に発展するのでやめてください」
「珍しいな、お前が止めようとするなんて」
「その原因が私だと知られると黒歌の八つ当たりがこちらにも来るので」
 案外自分本位な答えだった。

「最強の聖剣使い以外に興味が無いお前も、黒歌は苦手か?」
「まあ、そんなところですね」
「ふーん。……で、ルフェイはさっきから何見てるの?」
 さっきからルフェイはじっとテレビを見ていた。

 答えが無かったので覗き込んで確認する。
「特撮アニメ?お前こういうのが好きなのか?」
「はい!」
「そうか……テレビは基本的に使ってないから好きに使ってくれていいぞ」
「本当ですか?」
「うん」
「ありがとうございます!」
 ルフェイは満面の笑みでお礼を言った。やはり美少女の笑顔はいい。

「あなたはルフェイには甘いですね」
「女の子には優しくする主義なのさ」
「でも、それだとこの家にいつでも来ていいと言っているようなものですよ?」
「あっ……」
 最近美少女に対して失言が多いな。反省しよう。

-3-
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