―???―
「どうした花茂芽?」
「ククク・・・お前もなかなか老けたな帯夢よ・・・この世に来るのも実に十余年ぶりだな。」
「・・・!」
どうやら帯夢はまだ俺のことを覚えていたようだ。
俺はジャーム。花茂芽の別人格・・・というより花茂芽にとり憑いた霊だ。もっとも、花茂芽は俺のことを別人格だと思っているらしいが。俺は花茂芽が生まれたころからこの体で生きている。俺の前世は名のある探偵として活動していた。
「お前は・・・ジャームか?」
「ああ、そのとおりだ。少し貴様の話に矛盾があったもんでな。俺もこいつに情が移っちまったもんで、こいつの無実を証明してやろうと思い、ここに登場したまでだ。」
「・・・俺の発言に矛盾だと?」
「ああ、久しぶりに論理破壊ゲームでもしようじゃないか。貴様に自信があるならこれくらい余裕だろう?」
「・・・わかった。今回は信じたくないが花茂芽が犯人なのはほぼ確定だ。俺の論理を聞かせてやろう。」
本当に久しぶりだ。こいつと論理破壊ゲームをするのは。さて、やつに真実を教えてやるとするかな。
帯夢は手帳を取り出し、メモの部分を開いた。