小説『プリキュアオールスターズ 出現!最強のプリキュア 』
作者:クラウダ()

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始まりは星海市より

400年後、舞台は日本のとある都市、星海市より始まる。

きれいな海が臨む、煌びやかな街、星海市。ここは、400年前、ある伝説の戦士たちがここへ暮らし、その後、あらゆる世界へ渡ったといわれている。曰くつきの街である。
そんな街のストリートにある三人はここへ来ていた。

???1「ここが星海市か、大都市なのにきれいな街だね」

茶髪のロングヘアの少女の名は北条響。メイジャーランドに伝われた伝説の戦士、スイートプリキュアの一人、キュアメロディである

???2「珍しいわね。響が食べ物以外に興味が湧くなんて、明日は雨でも降るのかしら?」
響「奏、それどういう意味?まあ、この街のお菓子のは気になるけどね・・・」

響をからかったのはオリーブグリーンの髪の少女、南野奏。彼女もまた伝説の戦士、スイートプリキュアの一人、キュアリズムである。そして、

???3「まったく、二人共はしゃぎすぎよ」
猫?「そういうセイレーンだって、この街へ来てから嬉しく笑っているんじゃニャいか」
エレン「まあ、否定しないわハミィ。だってこの街の雰囲気、マイナーランドにはないから」
ハミィ「確かにそうニャ。ここは何となくメイジャーランドを思い出しそうな雰囲気ニャんだし」

響と奏の掛け合いに呆れていた少女は黒川エレン。本来の姿はセイレーン。かつては響や奏達の敵、マイナーランドの幹部であり、マイナーランドの歌姫であった。しかし、大事な友達であるハミィを救いたいと言う思いが、彼女を三人目のプリキュア、キュアビートとして覚醒したのだ。
そして、そのエレンに話していた猫みたいな生物が、エレンの友達であるハミィ。彼女はメイジャーランドの妖精であり、歌姫である。
そんな彼女達が、何故この街へやって来たのかと言うと・・・

???4「響、奏、エレン。こっちだよ」
響「あっ!ラブじゃない」

響達を呼んだのは桃園ラブ。そう彼女もまたプリキュアである。最も彼女はメイジャーランドではなくスウィーツ王国に伝わる伝説の戦士、キュアピーチである。

ラブ「待ってたよみんな。さっ、今から星海市の街へ観光へ行くよ」
響「ちょっとラブ、引っ張らないで」

ラブに無理やり連れてかれる響。そんな状況を三人の少女が見ていた。

???「もう、ラブったら。響達に出会えたからってこんなにはしゃいじゃって・・・」
???「仕方ないよ美希ちゃん。だって、私達もエレンと初めて会うんだから」
???「そうね。私も前からメイジャーランドやマイナーランドの人、一度でも会って見たかったの」
美希「そうなのせつな?」
せつな「そうよ。ラビリンスが総統メビウスに支配されていた頃は、他の世界の交流がなかったの。それに」
美希「それに?」
せつな「エレンと言う子がどうも気になるの」
美希「そっか。エレンって子。昔のせつなを思い出すからなの」
せつな「そうよ」
???「そうなんだ。それだと、何かほっとけないよ。じゃあ、これを機にエレンちゃんと仲良しにしましょ」
美希「仲良くか、それもそうねブッキー。今日は響達に観光を付き合いましょ」
ブッキー「そうだよ。今日は思いっきり楽しもうよ」

この三人の少女、蒼乃美希、山吹祈里、東せつな。彼女達はラブをリーダーとするダンスユニット、クローバーのメンバーであるが、彼女達にはもう一つの姿があるのだ。それはスウィート王国に伝わる伝説の戦士、キュアベリー、キュアパイン、キュアパッションである。ただし、東せつなだけはラブ達の世界の人間ではないのだ。彼女は先に出たラビリンス出身の少女であり、彼女もまたかつてはラビリンスの幹部、イースとしてラブ達と敵対していたのだ。しかし、総統メビウスによって規定された寿命が縮められ、ラブとの最後の戦いで寿命がなくなり、それをアカルンによって生き返り、キュアパッションとして転生した過去があった。そのため、せつながエレンの事を気にするのも無理はないのだ

さて、ラブがはしゃいでいる間である動物はラブのバッグの中であちこち動かされていた。そんな事態にその動物はラブに文句を言おうとしていた。

???「ちょっ、ピーチはん。はしゃぐのもええけど、すこしはわいの事、大切に扱わんかい!」

その動物の声を聞き、我に返るラブ

ラブ「あっ、ごっめ?ん。タルトの事忘れてた」
タルト「忘れてたって、幾らなんでもあかんやろピーチはん。少しは人のこん考えんかい」
ラブ「本当にごめん。後で星海市にあるドーナツショップにも寄るから」
タルト「まあ、ええけど。もう乱暴に扱わんよう気をつけてくれへんか」

タルトの存在に気づいたエレンはラブの方に近づいた。

エレン「ねえラブ?なにこのイタチは?」
タルト「イタチとは失礼や!わいはなスウィーツ王国の105番目の王子、タルトや!」
エレン「王族?」
タルト「そや!ちなみにわいはパルミエ王国のココはんやナッツはんとは知り合いやで。あとカオルちゃんという兄弟分もおるで」
ラブ「そうなのよ。王族の関係者は多いのよ。あと、メップルとミップルも王族に入るから」
エレン「あのイタチ、知り合いが多いんだ」
タルト「だから、イタチちゃうわ」
響「もうエレン。からかうのはそれくらいにしてよ。ラブが困っているじゃない」
ラブ「いいよ、気にしてないから」

響達の会話を見ていた奏はすこし寂しさを感じていた。

奏「もう、二人共。何をしているのよ?。私達も早く行動しないと、って何あの動物」

奏の前に現れた謎の生物。それはまるでぬいぐるみみたいな物が浮遊していたのだ。そして奏での前で可愛らしい声を発するのであった。

???「プリップー」

その声を聞いていた奏はとんでもない行動を起こしてしまう。

奏「かっ」
???「キュア?」
奏「かわいい???」
???「キュアー!」

奏の意外な行動に驚くハミィ

ハミィ「奏、おちつくニャ」

奏のとんでもない行動で悲鳴をあげるぬいぐるみらしき生物。その事態に気づいたブッキーはシフォンの所へ向かった。

ブッキー「ちょっと奏ちゃん、ダメだよシフォンちゃんを泣かしちゃ」
奏「えっ、この動物、シフォンって名前なの?」
ブッキー「そうなの。シフォンちゃんは今幼児くらいなの。けど泣かすのは良くないよ」

ブッキーの説教を聴いて我に返る奏

奏「御免なさい。我を忘れてこんな事をしてしまって」
ブッキー「いいのよ。何かシフォンちゃんも奏の事、気に入っているみたいだし」
奏「そうなの?」

そんな騒ぎの中で美希は響達にある事を知らせた

美希「みんな、もう騒ぎはそこまでにしなさい。今日は観光をしながら、他の仲間に会わなきゃならないのよ」
エレン「えっ、他にもいるの?」
美希「そうよ、どんな人かは後のお楽しみよ。行きましょ」

この騒ぎの中でも響達は上手く行っていたかのように見えていた。しかし、そんな騒ぎの裏で、あるおもちゃ店では、謎の動物がとある白いライダーの玩具の前でつぶやいていた。

???「星海市、どうやら僕が求めていたはずの人間がここにいる街。さて、彼女を呼ぶため、少し遊んで見ようか」

そう言うと謎の動物から黒い光が放ち、白いライダーの玩具に入っていった。
既に悪意は動き始めようとしていた。

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