小説『ソードアート・オンライン―黒の剣舞―【凍結】』
作者:バイタリティ()

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俺の人生はとても空っぽなものだった

もし人生の密度を競うランキングのようなものがあったら俺の人生はワーストに近い順位になると断言できる



早くに他界した両親の遺産を食い潰しながら働くわけでもなくただ家で過ごすだけの日々
唯一の暇潰しがラノベやアニメといった娯楽だけだ
でもこの暇潰しを行う時が一番充実していたのは間違いない


基本的に外に出ず家でニートしている俺だが月に一度だけは外に出る

今のご時世、パソコンがあれば家から出ずとも生活出来る
しかしその生活資金は銀行に行って卸さなきゃ手に入らないわけで…



「動くなっ!動いたらこの銃でぶっ殺すぞ!」

しかし運悪く近所の銀行で3人組の強盗に出くわした

だがその時は恐怖といった感情は全く沸かなかった
それは自分が死ぬわけがないなんて都合のいい先入観があったからだろう

でもそれは数分後に恐怖という感情は急激に増幅し出した


「おぎゃああああ!」

俺の隣の椅子に座り順番を待っていた女性が抱えていた赤ん坊が周りの雰囲気を過敏に察知し泣き出した


銀行強盗という一世一代の行為に及んでいる強盗たちは酷くイラついたのだろう

「うるせぇんだよ!早くそのガキ黙らせろ!」

と母親に怒鳴りながら近付いてきた
ご丁寧に銃口を此方に向けて

というかこの強盗も大概馬鹿だと思う
そんなでかい声だしながら近付いてきたら余計泣き止まないだろ


母親も銃口突き付けられながらも必死に泣き止まそうとしている

しかしなかなか泣き止まない赤ん坊に対し強盗は
「泣き止まないなら泣けないようにしてやるよ…!」

なにをとち狂ったのか赤ん坊に銃口を向けた


罪を犯したから今さら重ねても同じとでも思ったのだろうか?

強盗なんてしてる時点でまともな精神してるわけないんだろうけど…
こいつ、狂ってる


でも一番狂ってるのは…

強盗と親子の間に立った俺だと思う

なにやってんだろう?
月に一度の外出の度に筋肉痛に襲われるような俺がヒーローになんてなれるわけがない






でも…空虚な俺と可能性の塊であるこの子…
賭けるとしたらもちろん後者だ

強盗が何か言ってる
この場合は叫んでるが正しいか…

でも聞こえない
お前らなんかが俺のエピローグを邪魔すんなよ


最後に後ろに視線を移す
さようなら
俺の勝手なプレゼントを受け取ってくれ



パァン
その音が俺の聴いた最後の音になった





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━てな感じで始まりました黒の剣舞!
この作品は主人公が存在しなかったIF世界に転生することになった主人公が転生特典を使い絶剣ユウキとその家族の死ななかった可能性を望みます。ネタバレになりましたが更新を楽しみにしてて下さい!

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