小説『ソードアート・オンライン―黒の剣舞―【凍結】』
作者:バイタリティ()

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想いっていうのは行動に移さないと伝わらない

でも逆に行動に移せば伝わるわけで

……どんな行動でこの想いを伝えようか?

そんなことに真剣に悩める自分に気付いて

バカみたい…、そう言って笑った



13話『誓いをここに』

アイコに剣を向けた男をスキルを使い吹き飛ばしアイコともう1人――焦っていたから顔を見ていない――を背中に庇う形で立つ



というかあの男どっかで見たことあるような…?

すこし疑問に感じたので表示されているネームをみる

【クラディール】

…あっ!こいつ原作でキリトを殺そうとしたやつか!しかも薬使ってアスナに変なことしようとしてた…


ここで脅して俺に近付かないようにするか…

「ぐっ…!おいテメェ!俺が死んだらどうしてくれんだよっ!この人殺し野郎がっ!」


人殺し野郎?たったいまアイコに剣を向けていたお前が言うか?

ちょっと…いや、かなりムカついた


「黙れ…」


「………っ!」

一切感情の籠っていない声、という表現がピッタリと当てはまる底冷えしそうな声が出た


そりゃあ生死をかけたこの世界で人に構う余裕があるのはイレギュラーな俺かそれこそ聖人のごとき優しい人ぐらいだろう

「アンタのやってることは別に否定はしないよ。いきなりこんなデスゲームをやらされることになったんだ。何かに当たりたい気持ちは痛いぐらいに分かるさ。それが普通だよ。きっと神様だってそれくらいは許してくれるさ……でもな?」


理解は出来る

でも、納得は出来ない


何より一番ムカつくのは…

「その薄汚い剣で俺の大事な人を斬ろうとしたことだけは…俺が絶対に許さない!」


先ほどの冷徹な声とは真逆の燃えるような怒りの籠った声で俺はクラディールを睨み付けた


「ヒッ、ヒィイイイ!」

後退りするクラディールに一歩、また一歩とゆっくり近付く

もっていた剣を鞘に納める

空いた右手を固く握り締める


ここはアンチクリミナルコード有効圏内
スキルなんかじゃダメージを与えられないしシステムエフェクトが光ってとてつもない衝撃を受けはするがやはりどこか実感がわかない

「や、やめっ、許してく…ガハッ!」

拳は不可視の壁に阻まれたがクラディールはぶっ飛ぶ

でもそれは先ほど受けた大げさな衝撃とは違った現実味のある一撃で…


吹っ飛んだクラディールが恐ろしいものを見るような目で俺を見る

そうさ、お前はその恐ろしいものの大切なモノを傷付けようとしたんだよ

「…そういえば…さっきアンタ本当に死ぬか分からないから死んでみてくれないかって言ってたよな?……じゃあアンタが試してみる?」


「う、うわぁああああああああっ!」

俺が背中の剣に手をかけながらそう聞くとクラディールは情けない声をあげながら走り去っていった

ふぅ…こんなにも怒りを感じたのはいつぶりだろうか…?



「に、兄さん」

「あぁ、アイコ…無事で良かった……」ギュッ

気付けばすぐ横に来ていたアイコを抱き締めていた
アイコも最初は驚いていたが腕を背中に回して同じように抱き締めてくれた
それは痛いと感じるほど強く


「…朱音くん?」

…予想はしていた
チラチラと視界に写る栗色の髪を見えていたから

抱き締めていたアイコをそっと離すとその声をかけてきた人と向き合う


「やっぱり、朱音くんなんだね…」


「はい、遅れてすいません…アスナ先輩」

トンっ、軽い衝撃が胸に伝わった

目の前にはアスナ先輩の栗色の髪の毛

いつも見せる凛とした姿はナリを潜め、何かに負けてしまいそうな儚げな印象を受ける
だけどそれを見た瞬間、この人を護ってあげないと、という熱い感情が噴火するマグマのように沸き上がってきた
目尻に溜まった涙がさらにそれを強く感じさせる



ここに一つ誓いを

我が身は盾であり、我が身は剣である

例え我が身を犠牲にしようとも大切な貴女たち…いや、これから増えるかもしれない大切なモノだって護ってみせる


俺は貴女たちのモノ、この身全てを捧げよう




今は恥ずかしくて言葉に乗せることが出来ないこの誓い
いつか伝えることが出来るまで…そっと心に留めておこう


そう心で呟いて折れそうなその身体を優しく、それでいて強く抱き締めた




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━先生!さっきからストーリーさんが息をしていません!落ち着いて下さい奥さん。ストーリーさんは最初から息をしていません
ってな感じでストーリーが進まない!orz
こうなったら次回はアニールブレードを1000字で書いて残りを一層攻略に当てようかなぁ?でもそれだと前後編に分けなきゃいけないかもだし…まぁ、なるようになるよね?

-16-
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