小説『ソードアート・オンライン―黒の剣舞―【凍結】』
作者:バイタリティ()

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もう空っぽなんて言わない
これは俺のわがままだけど

確かに君たちを救えた




2話『初めまして』


隣の空き地に家が建った

当たり前だが別に一晩で建ったわけではない
前から家を建てているのは知っていた

家が建ったということは当然引っ越してくる人がいるわけであって

どんな人が来るのかほんの少しだけの興味本意で母さんに聞いた


「ねぇお母さん、お隣の空き地に家が建つみたいだけどどんな人が来るか知ってる?」

当然、子供らしくだ
今の口調だと少しお利口な6歳児にしか見えないだろう


「そうね確か紺野さんっていう人が引っ越してくるそうよ?この間家に挨拶しに来てくださってね?とても優しそうな人だったわ〜。それにしても新築って憧れるわね〜」

朱ちゃんっていうのは僕のあだ名
僕は赤ちゃんと呼ばれているようであまり好きではない…って

「お母さん?誰が引っ越してくるんだっけ?」


「紺野さんって人よ。確か朱ちゃんと同じくらいの双子のお子さんがいるんだって。良かったねお友達が増えるよ!」


『紺野』
ありふれた名字だ
それでも思い当たるふしがあって思わず聞き返したが返ってきた言葉によって推測が確実なものとなった

隣に引っ越してくるのは十中八九僕の知っている紺野木綿季とその家族だ

人っていうのはやはり実際に見聞きしたものでなければ不安が無くならない生き物であって
観測者のおじいさんのことは信頼しているけどやっぱり少しの不安があった

けど今の情報で胸にあった少しの不安が消えた感じがした

あぁ嬉しい、彼女は生きている
僕の願いは叶ったんだ!

「あら、朱ちゃんったらお友達が増えるのがそんなに嬉しいの?凄くワクワクしてます!って顔してるわよ?」

その嬉しいという感情は心の内で留まらず表情に出ていたらしい


しかし母さんに指摘されてもその嬉しいという感情はしばらく収まりそうもなかった









あれから一週間が経った
今日お隣に紺野一家が越してくるそうだ
一週間も経つのだがあの嬉しいという感情は今だ収まりきれず初めて一週間という短い時間を待ち遠しく感じた

待ち遠しい気持ちを収めるため胴着を着て庭で木刀を振っていた時だ


「朱音ー、ちょっとおいでー」

母さんの声が聞こえた
ちなみに母さんが朱ちゃんではなく朱音と呼ぶ場合はお客様などが来たときだ
朱ちゃんと呼ぶのは家族または親しい間柄の人達の前だけ

つまり母さんの声が聞こえた玄関の方向には現在お客様が来ているということ


首にかけていたタオルで額に浮かぶ汗を拭いながら玄関に向かう


「ほら朱音この間言ってたお隣に越してきた紺野さんよ挨拶しなさい」


玄関には四人の来客の姿があった

そして俺の存在に気付いた四人がこちらを向く


あぁ……まだ小さいが原作で見た面影がある

一人はパープルブラックの髪に映える白のワンピースを着た少女
もう一人は同じパープルブラックの髪にそれに合わせた黒のワンピースを着た少女


「初めまして!ボクはユウキ!紺野ユウキだよ!」


「初めまして。私はアイコ。この子の双子の姉のアイコです」


二人とも元気に挨拶してくれる
ユウキは活発な印象をアイコはクールな印象を受ける


本当に彼女たちだ…
救えたんだ

神様の力で救った命
でも関係ない
今後しわ寄せが来ようとも彼女たちは必ず護る

例えこの命を対価にしようとも―



「初めまして!僕は緋色朱音!会えるのを楽しみにしてたよ!」


“俺”はこの心にそう固く誓った







━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ついに出会うべくして出会った三人。彼らが紡ぐ物語はどんな方向に向かうのか?
って感じで2話『初めまして』をお送りしました!それとこの小説が…殿堂入り小説に選ばれました!ドンドンパフパフー!まぁ、私の実力じゃないのはわかっています。全てはソードアート・オンラインという素晴らしい原作と皆様方のおかげでございます!これからも黒の剣舞をよろしくお願いします!

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