小説『ソードアート・オンライン―黒の剣舞―【凍結】』
作者:バイタリティ()

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今この日常が壊れてしまえば

俺も同時に壊れてしまうだろう

だから大切に護っていこう

この日常という宝物を





3話『おはよう』


「おーい兄ちゃん!朝だよー!」


夢の介入すら許さなかった深い眠りはその元気溢れる目覚めの言葉で終わりを告げた


「……………んむぅ」


少しだけ触れたことがあるかと思うが僕の体は何故か起床後3分間は動かない

頭は正常に回転しているのだが何故かボーッとしてしまうのだ
これは前世からのものでこんな所まで引き継がなくても良いのに…なんて思う時もたまにある


そして目覚めて3分間―これが僕の1日で一番油断している時間帯と言っても過言ではない
何故なら―


「やっぱり起きたばかりの兄ちゃんは可愛いなー」
ナデナデ

「…んーーー」


こんな感じで弄られるから

そして弄ってくれやがってるのは紺野木綿季。今年で12歳の小学6年生である


そうあの誓いの日から既に7年が経過している

お馴染みのキングクリムゾンってやつですね

ちなみになぜユウキが僕を起こしているかというと簡単な話、現在うちに住んでいるから

今から2年前にユウキとアイコの両親が仕事の関係で海外に出張することになった
最初はユウキとアイコも着いていく予定だったのだが二人がここに残ると強く宣言した
それに助け船を出す形でうちのお祖父さまが「ならうちで暮らせばいいじゃないか」と言ったためそれなら良しとユウキたちの両親も認め二人はここに残ることになった

それと同時期にスグ(直葉)の父さんも海外に出張(ってか紺野夫妻と同じ会社だった)となり普段家をあけがちな母親の翠さんのお願いでスグもうちに住むこととなった



つか年頃になりつつある娘を息子がいる近所に預けるとか大丈夫なんだろうか?確かにユウキ、アイコ、スグは超可愛いから(←幼なじみバカ)何かあってからじゃ遅いんだけどさ!


あっ、やっと意識がはっきりとしてきた…
頭は動いてるのに体が動かないのは何とももどかしいよね
さて、ユウキ?そろそろ僕の頭を君の膝から下ろそうか






ユウキside

ボクには…ううん、ボクたちには大好きな人がいる
名前は朱音兄ちゃん
ボクより一つ上には思えないくらいに大人びていてとても頼りになる兄ちゃん!
でも兄ちゃんといっても実の兄妹じゃない
確かに妹分ではあるけど
朱音兄ちゃんとは幼なじみという関係
それはボクの双子の姉でもあるアイコ姉ちゃんや今一緒に住んでいる同い年の直葉も一緒


ボクが兄ちゃんを好きだと自覚したのは兄ちゃんの家に住み初めてからかな?
好きになった理由?そんなのないよ?
逆に優しくて頼りになってカッコいい男の子とずっと一緒にいたら好きになるのは当然だと思う


でもそれはボクだけに限った話ではなく姉ちゃんと直葉もそう
はぁ…ライバル多いなぁ
ただでさえ強力なライバルが近くに二人もいるのに兄ちゃんが中学生になってボクたちと別々の学校になったからどれだけライバルがいるから分からないよ

身近にいるっていうのは確かなアドバンテージなんだけどそれが逆に足枷になっているんだもん

近すぎるから伝わらない

近すぎるから伝えれない

はぁ…厄介な人を好きになっちゃったなぁ…
まぁ、後悔なんてしてないしこれからもする気はないけどね!



それはそうと今日はボクが兄ちゃんを起こす日だ
ちなみにこれは当番制で月木がボクで火金が姉ちゃん、そして水土が直葉という感じになっている


何で態々当番制にしてまで兄ちゃんを起こすのかというと起きて3分間の兄ちゃんはとても可愛いから!
兄ちゃん曰く1日で一番無防備な時間らしい
普段の兄ちゃんからは考えれないほどボーッとした姿はいつもより早く起きる価値があるほど可愛い
たった3分間しかないけどその3分間がとても楽しみになっている
だからボクが兄ちゃんを起こす月曜日は休み明けで憂鬱な月曜日ではなく早く来ないかと待ちわびている月曜日なんだ!


あっ、そろそろ3分経っちゃう
ホント、楽しい時間は早く過ぎるなー


では改めて

「おはよう兄ちゃん!」













━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━今回はユウキsideを導入してみました!ちなみに朱音の3分ボケはプロローグ2の最初に書いています!いやーこんな感じで伏線を回収するの楽しいなー!

-6-
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