ハルカはじっと聞いていた。
しばらく口をつけなかったコーヒーはぬるくなっていた。
「……そうだったんですか。」
まずいことを聞いた。
ハルカの顔は今までになく落ち込んでいた。
「気にするな。いつかわかることだ。」
そんなハルカを、トモさんは優しく撫でた。
「じゃあ生活厳しいんですよね?
それなら指輪買わなくていいですよ。
トモさんの生活を苦しめたくないです。」
指輪がなくても、恋人には変わりはない。
指輪を買うお金があるなら、その分少し贅沢できるハズだ。
しかしトモさんはこう言った。
「いいんだよ、オレが買いたいんだ。」
あぁそんなこと言われたら、そんな顔で見つめられたら。
どんどん深みにはまっていきます……。
気が付いたら、ハルカはトモさんに抱きついていた。