変わらなくても良いんだ。変わらなくても…… 朝の日差しで目が覚めた。薄暗い部屋を朝の太陽が明るく照らす。 まだ冬の始まりだが少々冷える。窓には霜が付き白く濁っている。その濁りを貫き、太陽の光が古川裕太(ふるかわゆうた)の顔を鋭く指す。 (朝か……、寒い……) まぶしい光から目を避けながら裕太は、ベットから降りた。大きく両手を頭上に上げて背伸びをする。朝は冷えているため、裕太は右手は左手の、左手は右手の二の腕をつかみ上下に動かした。