小説『Fate/Zero これは戦争ですか? いいえ観光です』
作者:銃剣()

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第二話 どんな時でも目上の人には敬おう


前回のあらすじ


特に何もなかった


以上




「オイイイィィィ!何あらすじまで適当になってるんだ!」


「うるせぇな。こうもしないと読者が見てくれなくなるだろ」


「だからって何もなかったとか嘘付いてんじゃねぇよ!」


現在、ギョロ目ストーカー以外の全員がこたつに入り、だらっと過ごしていた
だがハサンは、そんな善明たちに怒っていた


「貴方達は、少しだらけ過ぎですよ。もう少しシャキっとして下さい」


「そう言われてもな。余はこの生活に文句ないのだが」


「征服王と同じく」


『私も結構居心地良いんで』


「我もだ」


「そう言う事だハサン。こうしてこたつの中に入ってのんびりすれば良いんだよ。俺たちはこたつという名の原点に帰るんだよ」


「こたつの原点って何!?」


ハサンは善明のボケにツッコミ
すると善明は


「あ、そう言えばお前らに言わなきゃいけないことあったんだ」


『「「「「・・・・・・ん?」」」」』


サーヴァント全員が善明の方を見る


「いや実はな・・・・って話すのめんどくさいから今から回想入るぞ。ホワンホワンホワワ〜ン」


「いや、回想に入る音とかいいよ!」





回想


「善明よ。お主にお願いがあるんじゃ」


と話すのは、英霊の座の管理をしているお偉いさん。ぶっちゃけ神です。善明を殺した
場所は学校の校長室っぽい所。肘掛けつきの椅子にふんぞり帰った神の横には、白い羽を生やし、頭の上に黄色い輪っかがある天使が立っていた。顎の髭を撫でながら、神は続けた


「実はお主には第四次聖杯戦争が行った時代に行ってもらう事になった」


「えぇ、俺が?」


そう返す善明は、来客用のソファに腰かけ、センターテーブルの上で足の爪を切っている


「なんでそんな時代に行かなきゃいけないんすか?」


「ていうかそれ、神の話を聞く態度じゃないよね。足の爪は我が家で切ろうね」


すいませんね、と言いつつ、善明はテーブルの上で手を払い、切った爪を床に落とす


「あ、そうやって捨てちゃうんだ。この部屋って我が家以下?」


静かに怒る神に続いて


「真面目に聞きなさい。松村善明」


天使がジャンプをパラ見しながら言った


「いや、おめーもだよ。少年雑誌は家で読もう、我が家で」


「チッ爪切りのボケの後のツッコミは冷てぇな。あ、すいません」


「いや、完全に聞こえる音量で言ったよね。てか競ってんじゃねぇよ。こっちはあまりツッコミに関してはうまくやれないのは」


と神の言葉がまだ続いている時に、善明が神のデスクの前に立った。神の髭をむんずと掴み、ダルそうに言う


「くだらねー言い争いはいいすから、俺の質問に答えて下さいよ。なんで俺が第四次聖杯の時代に行く事が決定したんすか?」


「いだだだっ、言うっ、言うから放せ!その千切れるか千切れないかギリギリの力加減で引っ張るのはよせぇぇ!」


善明は手を離すと、神は涙目で言葉を継いだ


「ま、説明するとじゃな、お主も第四次の結果は知っていると思うが、どうも手違いがあって、結果の後が儂でも分からなくてな。そこで誰かを第四次に行ってもらい、結果を見てもらいたいのじゃが。どうも手の空いている者がおらんかった」


「それで?」


と善明は片眉を上げる


「白羽の矢が突き刺さったのが、俺って事すか?」


「ま、そーなんだけど、突き刺さったって言い方はよそう。痛そーだから」


「なるほどね」


平板な声で言い、善明は頭をかく


「ま、ご指名ありがたいっすけど、ぶっちゃけ俺ぁ聖杯に叶えるような願いないんすけどね」


「願望叶えに行くんじゃないよ」


ぴしゃりと神は言った


「第四次聖杯戦争の結末が知りたいんじゃよ、こっち側としては」


「常夏だが結末だが知らないっすけどね」


「結末ね。源氏物語はこの際関係ないから」


「けど、なんでですか?なんで他の奴じゃなくて俺なんすか?」


神は溜め息をうき、答える


「いったろう、手の空いている者がおらんと、儂のような神は何人かいるが、そんな事をすれば世界のバランスが崩れる恐れがある。他の神からの意見の聞いた上で、今回はお主がよかろうという結論に達したのじゃ。お主はなんというか激烈キャラというかボンボンというかまぁ含めて、お主なら出来そうな気がしてな」


「なんか言われまくったんすけど、まぁそれも一理あるっちゃーありますね、愚民」


「や、あの、最初はせめて『市民』ぐらいのボケにしてくれる?神から愚民じゃ飛びすぎだから」


「けど、マジでそんな事していいんすか?俺一応鍛えて強くなったんすけど、宝具みたいな武器ないっすよ?」


「その事なら心配いらん」


と神は引き出しからある物を取りだし、デスクの上に置く


「iPad?」


そう、神が取りだしたのはiPadだった


「お主、これはただのiPadではないぞ、これはどんな状況でも使える優れものでな。このiPadは神全員が面白半分で作った宝具じゃ」


「おい、今とんでもない事聞いたぞ」


「使い方に関しては現地に行ってから説明する。良いな?」


「へ〜い」


とダルそうに返事をして、iPadを受け取る善明


「ま、やるだけやってきますよ」


そんな事を言いながら、部屋を出て行った
善明の靴の足音が聞こえなくなったあと、天使が口を開いた


「ほんとに良かったんですか、あの人で」


「ま、結果を待つしかなかろう」


「どーなっても知らねえからな、俺は」


「どーなるかの前に、おめーは敬語を知れ、クソ天使」


回想終了





「つーわけだ」   ズゥー


お茶を飲み、善明は続ける


「俺としちゃ、聖杯がどうなろうが構わねーが、神に言われた以上行かなきゃなんね、お前らとは少しの間、会えなくなっちまうがな」


善明は少し寂しそうになりながらみんなに言う


「何を言っているんだ善明。余とお前の中ではないか、そんな事を言う必要は無いぞ」


「征服王の言う通りだ。お前らしくないぞ」


『私もそう思いますよ』


「我に勝った男が、そんな弱気になってどうする」


「お前ら・・・・・」


善明は4人サーヴァントから励まされる


「私もですよ。みなさんとこうしているのも、全部善明さんのおかげですから」


「ハサン・・・・・うっし!」


善明は立ち上がり、そのまま玄関まで歩き、立ち止まる


「お前らの言葉、しっかり刻んだぜ。それじゃ!行ってくる!」


善明はそのまま部屋を出た


「って!半纏にジャージのまま行くんですか!せめて上着ぐらい来て下さい!」


ハサンツッコミは今現在以上なしです





「どうでもいいですゲッホゲッホ!早く出してくれませんか!?流石の私でも息出来なくなってきましたよ!ちょっと聞いてます!」


そのまま忘れ去られるジル・ド・レイだった

-2-
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