小説『ソードアート・オンライン 第一章 〜アインクラッドと蒼騎真紅狼〜』
作者:大喰らいの牙()

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第一話  エージェント


また計画性のないバカ作者が新しい世界を書き始めたらしい。
いきなり、最初の言葉がメタいが気にするな。
気にした奴はスクワット100回な。
というわけで、俺が居るのは俺にとっての始まりの地………『神の領域』だ。


「オイコラ、ジイサン! 新しい職場(てんせいばしょ)紹介しろ!」
「……なんでお主はそんなにも不機嫌なんじゃ?」
「………わからんが、良い気分じゃない」
「本人すら分からんて、どういうことじゃ?」
「知らん。で、場所は?」
「えーっと、最近話題になっておる“ソードアート・オンライン”という世界じゃな」
「ふーん。“オンラインゲー”ねぇ」


オンラインってことは、PCに関わるのか?


「お主が思っているのとは全然違うらしく、完全ダイブらしいぞ」
「完全ダイブって、どういうことだ?」
「なんでも専門の機材を使う事で、仮想世界で立体的に動くことが出来るらしい」
「ということは、技術が進んだ世界に行くってことか?」
「うむ。そちらの世界だと、西暦2022年じゃとよ」


現実にも出回って欲しいモノだな、特にモン○ンとか。
でも、物語の大半はその仮想世界の中なんだろうな。


「転生時期は?」
「時期は物語が始まる直前。もちろん、その仮想世界に行く為の機材や家の配備はすでに終わっておる。あとは、お主がここでなんの能力を授かるかによって色々と変わるな」
「オンラインゲームってことは<スキル>とかがあるわけなんだが、ちゃんと反映されるのか?」
「ワシらを誰だと思っておる? 神じゃぞ?」


なにこの説明なしの説得力。
この言葉だけで、安心できる俺も結構異常だな。


「じゃあ、“ソードアート”なんて付いてるから、武装特化にした方が良いっぽいし、ギルガメッシュの“王の財宝”とアーチャーの投影をもらおうかねぇ。ついでに、KOFのシェン・ウーのスタイルも追加で。どーせ、『七夜』はデフォだしよ」
「また、コイツはエグイものを要求するのぅ。まぁ、ワシ等の代わりに物語の完結を行ってもらってるしの。エージェントだし」
「え、なにそれ?」
「お主の扱いがこちらで決まっての。限りなく無限にある世界を完結させる為に派遣するお主のことをエージェントと呼ぶこととなったのじゃ。で、その第一号がお主じゃ」


俺の居ない間に勝手なこと決めんなよ!!
抗議したい!!


「あ、抗議できんから」
「抗議する権利すらナシ?!」


一方通行だナーーー。
あ、今、“アクセラレータ”のことを少しでも頭に過った奴は、スクワットをもう一セット追加な。


「で、他にあるかの?」
「ジイサン、確かオンラインゲーなんだよな?」
「そうじゃな。それがどうかしたかの?」
「アバターを先に決めた方が、スムーズに物語が進まねぇか?」
「む、確かにそうすれば一気に話も進むのぉ。最初のまどろっこしい所を一気にバッサリとカットできる。決めてしまうかの」
「じゃあ、アバターとなる俺の姿は髪の毛を真紅に変えてくれ。眼の色は………そーいえば、今回『魔眼』の方はどうなるんだ?」
「無しでいいじゃろ? 不死も無しじゃ。オンラインゲームだしの。文字通りサバイバルやってこい」
「へーい」
「あ、じゃが、オンラインゲームでお主だけは一度は必ずHP1だけ残るから。どんな必殺の一撃を受けても必ずHP1は残る。残ったら、固有結界が自動で発動するから気を付けるのじゃぞ」
「あー、それはマズイなぁ」


下手したら、ポンポンと固有結界が発動なんてやってられんぞ。
確実にラスボスとして間違われるよ。
どうすんの? いきなり最終決戦なんて事になったら?


「あと、お主にはモーションなしに技を繰り出せることが出来るようになっておるからの」
「……どういうことだ?」
「お主が行く世界には特定のスキルを発動する際に“モーション”というものがある。普通のプレイヤーは、その“モーション”を利用することで<スキル>を繰り出すが、お主の場合、“モーション”なしに『六兎』とかが繰り出せることとなっている」
「つまりは、いつも戦っている感覚で技が出せるということだな?」
「うむ」


そりゃ、便利だな。
不意を突きやすくなる。


「あとは、色々と<スキル>があるが………あちらに行ってから確認するのじゃ。お楽しみはとっておけ」
「ウィ。あ、そうだ。ジイサンに頼みがあるんだが一ついいか?」
「叶えられる程度ならいいぞ」
「Fate/stay nightのアーチャーとランサーって呼べる?」
「まぁ、呼べなくは無いが何をするつもりじゃ?」
「いや、投影の練習と槍の立ち周りを教えてもらおうかと………」
「それぐらいなら、いいじゃろ」


杖を一回叩くと光の柱が二つ現れ、赤褐色の肌に白髪で長身が180程あった。
もう一人の男は片手に愛槍を持ち、全身青で整えられている。ただ、手に持っている得物が強烈な威圧感を醸し出していた。


「む、ここはどこだ?」
「なんだってんだ………」
「よく来たの、異世界の英霊よ。ワシは〜〜〜」


と、ジイサンはアーチャーとランサーに事情を説明し始めていた。


神様説明中………


「―――なるほど、では、そこの彼が私達を師として仰ぎたい。ということだな?」
「そういうことになるの」
「ハッ! 俺達を師匠と仰ぎたい理由はなんだ、小僧?」
「俺は今まで貴方達の動きを見よう見真似で使ってきたが、今回ばかりはそうはいかない。………が故に、ここいらで一度きちんと学ぶべきかと思いましてね」


二人の英霊は俺に視線を向けていたが、すぐにランサーが了承した。


「ははっ、コイツはおもしれえ理由だ! いいぜ、その願い、受けてやるよ」
「ランサー!?」
「アーチャー、いいじゃねぇか。コイツはおもしれえ奴だ。案外、俺達以上に化けるかもしれねぇぞ?」


アーチャーはしばらく黙っていたが、渋々了承した。
そして、俺はあちらの世界に行く前に一カ月と言う短い期間であるが、投影と立ち周りを教わった。




―――あとがき―――
はい、また書いちゃいました。
計画性がないのはいつもの事だと思ってください。
アーチャーとランサーは特別出演です。

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