『エピローグ、あるいはプロローグ』
「はっ……はっ……」
息をきらして夜の道を走る。
奴が、来る。
「ウググ……」
奇妙なうなり声が響く。
逃げなくては。早く。早く。
「ググ」
耳元で、うなり声がした。
ああ。僕は。
「グググググ」
僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。僕は。
「グググギグ」
僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は
世界が暗転する。僕の物語は、あっけなく幕を閉じた。