小説『魔法少女リリカルなのは 〜自由気ままな転生者〜』
作者:レムルス()

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 第1話



ー悠sideー


は〜い。こんにちは〜。西条 悠で〜す。俺、今とっても困っているんだ〜。なぜかというと・・・・落ちてるんです。地面へと。ものすごい勢いで。


転生した直後彼処にぎゃくもどりか〜 などと考えていると、頭の中に一つの呪文と魔方陣が浮かぶ。これしかない。なぜかとっさにそう思い、空中に魔方陣を書く。それは自分でも驚くほど早く完成し、そして呪文を唱える。


「求めるは滅落>>>・空燕」


唱え終わってすぐ地面に落下した。しかし殆ど衝撃は来なかった。


ふぅ〜、危なかった。でもなんで俺魔法なんか?・・・あの爺さんか。


そう思い隣を見ると手紙があった。それの内容を読む。


数分の後、そこには、


「だぁ〜!!あんのじじぃ!マジで俺をバケモノにする気かぁぁぁ!」


そう騒ぐ俺がいた。


その手紙に書かれていたのは、


・転生特典について。
・この世界について。
・転生したばかりでも戦える様に、ライナ・リュートの戦闘経験の付与。


というものだった。


とりあえず地図にある俺が住むマンションへと向かった。するとそこには、


{お〜、やっときた〜。}

と元気な声で喋る、ブレスレットがあった。


「なんで俺に住めって指定した場所に喋るブレスレットがあるんだ?道間違えたか。」


そう言い出ていこうとすると、後ろから、


{ちょっと待ってって!間違いじゃないから!あの神からの伝言もあるから!」

「あの自称神からの伝言?何だそれ?」


{じゃあ今から流すから、聞いててね。}


というので、大人しく聞いておく。


:儂じゃよ、儂。神じゃ。あの手紙に書き忘れていた事を伝える。とりあえずそっちの世界の魔法も使いたいじゃろうからデバイスを送っておく。そのデバイスは高性能で、特典の魔法も非殺傷に出来たり、他にも色々便利だから使うと良い。


{だってさ〜。}


「なるほど。デバイスね。んじゃあ宜しく。お前名前は?」


{まだ無〜い。だから付けて〜。}


「あぁ。そうだな・・・エクスカリパーなんてどうだ?」


{良い訳無いでしょ!別のにして!}


そりゃそうだ。それで登録されたらこっちが困る。


「嘘だよ、嘘。そうだなぁ〜・・・アートンでどうだ?」


{アートン(紅葉)ね・・・気に入った!じゃあそっちの名前は?}


「西条 悠(さいじょう ゆう)だ。」


{じゃあ宜しく!悠。}


「あぁ、宜しく。」


神の手紙 内容



この手紙を読んでいるという事は、無事に転生出来たようじゃのぅ。


この手紙には幾つかお主に伝えたい事を書いておく。

一つ目。お主の転生特典について。


お主には転生させる際、三つの特典を付けておいた。内容は、


・「寂しがりの悪魔」及びそれを喰らった人間の全能力。
・「忘却欠片(ルールフラグメ)」創造能力。
・「伝勇伝」の魔法の全ての使用法。


お主はこの知識があったはずじゃから使い方の説明はいらないじゃろ。あとおまけですぐ戦えるように、ライナ・リュートの戦闘経験と記憶をいれておいた。記憶の方は寝ている時、夢として出てくる。


次にこの世界の事について。


この世界は「リリカルなのは」の世界じゃ。


お主は今五歳で、主人公達と同い年じゃ。


まぁ原作介入するもしないも勝手じゃから、そっちの世界で楽しく暮らせ。


P.S その世界もう一人転生者いるから、まぁがんばれ。


ー神の手紙終了ー


因みに読み終わった悠は、八つ当たりに手紙を「紅蓮」で消し飛ばした。







は〜い、こんにちは〜。西条 悠で〜す。


転生してから四年経って、今九歳で〜す。


それで、四年ぶりに俺困ってるんだけど聞いてくれませんか?聞かないって言っても無視するけど。


実は今、リィンフォースが消える場面にいるんだよね〜。ただし近くの茂みの中で。


えっ?状況が分からない?じゃあ簡単に説明。


能力の練習をいつもやっている所でやる。→突然の魔力反応→とっさに近くの茂みに隠れる→リィンフォース、及び原作組登場→隠れた茂みの近くで話始める←今ここ


・・・ってな感じで〜、移動したら居ることバレそうなんだよねぇ〜。関わりたくないのに。


んで、どうしようかな〜。さすがにここまで近くでやられると助けたくなるしなぁ〜。・・・よし、助けるか。原作組にばれない様に。


そう思い、「すべての式」の能力を使い道化師の服と半分が笑い、半分が泣いている仮面を身に纏う。その後、リィンフォース以外の原作組とおそらく転生者に「睡魔の雲」の魔法を使う。そいつらが寝た時を見計らい茂みから出る。転生前に得意だった声帯模写を使い口調を変えて。


「やぁ、初めまして。君の願いを叶えに来たよ。」


そう言いながら。


「私の願いを叶えに来た?」


「うん、そうだよ。正確には君とそこの子の願いを。」


「一体、何をするというのだ。」

「それを言う前に一つ聞かせて。君は生きていたいかい?」


「・・・私はもう、生きる事など出来る筈が無い。」


「黙れよ。僕は君の無知な頭で作られた常識を聞いているんじゃない。君の願い、希望を聞いているんだ。君は、生きていたいのかい?」


「・・・あぁ、生きていたい。最後まで主の側で彼女の成長を見守っていたい。」


「・・・分かった。君の願いを叶えてあげる。君を人間にしてあげるよ。」


そう言って俺は「すべての式」の能力を使う。すると、リィンフォースを構成している「式」が見える様になる。その「式」の中へと手を突っ込み、「式」を「人間」のそれへと変える。式から手を抜くと、リィンフォースの姿が九歳のそれになる。


「・・・何をした?」


「君を人間に変えた。それと・・・これはもう只の邪魔だよね?」


そう言って闇の書を手に取る。


「待て!それをどうする気だ!」


俺は、そんな言葉を無視して、


「存在を解析、解除。」


そう呟く。たったそれだけで闇の書は砂となり、消え失せた。


「・・・何をした?」


「闇の書?だっけ。あれを完全に消滅させただけ。」


「・・・嘘にしか聞こえないが、本当の様だ。・・・ありがとう。貴方の名は?」


「「寂しがりの悪魔」だよ。」


「何故私を助けた?」


「あの女の子の顔が見てられなかったから、かな?まぁ、彼女達はもうすぐ起きるから。僕は面倒だから消えるとするよ。」


そう言って俺は「現実」と「虚」の狭間を移動し、その場を去った。


後日、去った時のあれを使えば最初から誰にも気付かれずあの場を去れたという事に気付き、軽く鬱になったのはまた別の話。

-2-
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