第2話
リィンフォースを助けてからまた4年経ちました〜。現在12・今年で13歳、西条 悠で〜す。
今日は、聖祥中学校の入学式で、今、どこのクラスになるのか見ていま〜す。
・・・とか言う変なテンションは止めて、え〜と、あぁ、一組ね。
・・・ん?・・・なん・・・だと?
原作組が揃って一組にいる?それってどういうイジメ?
・・・絶対に関わらない様に・・・そうだ!至福にして崇高な事(昼寝)をしていれば、絶対に絡まれる事はないはず。
決意を胸に俺は教室に入り、睡眠を開始。少しして入学式が開始されるため起きたが、眠気には勝てず、立ちながら寝るなどの特技を駆使し、誰にも気付かれず寝る事に成功する。そして教室に戻り再び夢の世界へ・・・
起きたら、クラスで自己紹介をやっていて、順番は俺の前の人だった。
あまりにもいいタイミングに、ナイスだ俺!と心の中で自画自賛している内に俺の番になる。
「西条 悠だ。特技は声帯模写と昼寝。宜しく。」
こんなもんでいいだろ。そう思い座ると、横から肩を叩かれる。誰だ?と思い隣を見るとそこには、
「私、高町なのは。宜しくね。西条君。」
と笑いかけてくる、魔王がいた。
・・・なっ・・・魔王が、隣だと・・・
「何か失礼な事を言われた気がするの。」
くっ、さすがは魔王、高町。スキル(読心)を会得しているとは・・・
「西条君?どうしたの?」
「え?・・・あぁ、宜しく。高町。」
「宜しく!」
危ない、危ない。あまりの事に思考が一瞬停止していた。しかしあんの爺さん。俺を魔王の隣に放り込んで何が楽しいんだよ。あれか?俺に死ねってか?あの敵を精神的に殺す砲撃を受けろってか。・・・もういいや。寝よ。
俺は殆ど開き直りながら眠りについた。
ー高町sideー
あっ・・・西条君、また寝ちゃった。
私はさっきの自己紹介の時の西条君の眼を思い出していた。
一瞬しか見ていないけど、その眼には確かに「寂しさ」が映り込んでいた。
あの眼の中にあった寂しさを消してあげたいな。その為に西条君ともっと仲良くなって行こう。
そう、私は決意した。
ー高町side終了ー
・・・彼の決意を早々と砕いて。
これが、西条 悠の決意が砕けた(決意して一時間弱)時だった。
◆
魔王高町との会話から数日、俺は今、寝ている。←ちなみに授業中。
やっぱ寝るって大切だよね。退屈な時間をつぶすのに最適だ。
近くから声が聞こえる様な気がするけど気にしない、気にしな・・・ん?何だ?何かヤバイきがする・・・って殺気!?
殺気を感じた為、頭を横にずらすと、先程まで頭があった場所からズガン!と音が鳴る。何事かと驚き横を見るとそこには広辞苑を持っている、魔王がいた。
・・・いや怖っ!魔王はすでに殺人をするレベルに達している?いや、まっさか〜。
「おまっ、何?その歳で殺人?早まるなよ。」
「にゃっ!?違うの!起こそうとしただけなの!」
やっぱり殺人までには達していないな。でも常識が頭から抜け落ちている。
「普通人を起こすのに広辞苑は使わん。常識を学べ。」
「なっ、それを西条君が言う!?授業中に寝るのも十分常識が無いと思うの!」
何・・・・・・・・だと・・・・・・・!?
「まさか高町に常識の無さを指摘されるとは・・・俺も墜ちたものだ。」
「西条君は私を何だと思ってるの!」
何って、広辞苑を悪意もなく振り回す、ある意味悪意の塊みたいな人。
そんなやり取りを暫く続けた後、先生に注意され、さらにその後、授業で寝ようとする度、広辞苑がこちらに飛んでくる様になった。
・・・教訓、魔王高町の前で寝ると撲殺されそうになる。
俺は何処で選択を間違えた?なぜ高町と関わってしまったんだ?・・・もういいや。魔法の事がばれなきゃ良いんだし。