三章
今日も少女はたくさんの想像をした。
突飛な未来を たくさん想像して世界を膨らました。
それが、少女にとっての楽しみだった。
例えば、憧れの世界に行って見たり例えば、誰かがドアをノックしてくれた
り。
そんな、普通の人からしてみれば、普通過ぎるくらいの妄想だった。
けれど、少女はそんな普通なことに憧れていたのだ。
普通じゃない、化物だったから。
だから彼女にとって、そうやって世界に入り込むことが一番の望みだった。
誰かに理解されることを彼女は望んでいたのだった。
けれど、少女は怖かった。
昔の母親のことが会ったからだった。
少女の母親は、数年前に死んでいた。
多分、メデューサの力を使いすぎたからだ。
その母親は、少女を助けるために力を使い、そして死んだのだった。
人間から、少女を助けるために、死んだのだ。
化物___
それは、怖がられるのと対照に、値打ちのある存在だ。
幼かった少女はそのことをよく理解していなかった。
そして、狙われた。
幸いにも助かったものの、その母親は死んだのだった。
人間にとって自分は、怖がられる存在であって、そして売る対象でもあった
のだった。
世界は少女を嫌っている。そして好んでもいた、決して彼女の望まない方向
として。
そして、今日もまた少女は目を瞑り、たくさんの想像をしたのだった。
そんな想像を続けていたある日のことだった。
それは外を眺めていると、突然に聞こえてきたのだった。
少女は飲みかけのハーブティーを机に撒き散らし、愕然としていた。
「どうしよう………」
聞こえたのは、人の喋り声だった。