小説『ハイスクールD×D 赤竜帝を宿し転生者 』
作者:ヒロアキ141(hiroaki141の二次創作小説置き場)

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第3話 人間 辞めました



次の日の放課後、昨日出来なかった組み手‐木刀を使った実戦形式の組み手‐を木場君とするために剣道部が使っている道場に来ました

「あ、木場君に覇河君だ、こんにちは」

「こんにちは、皆川さん、佐竹先輩」

「こんにちは、皆川さん、佐竹先輩、今日もいつもの奴やりに来たんだ」

「うんうん、部長から君達が来たら使わせてあげてって言伝貰っているからどうぞ好きに使って」

彼女達は部員の皆川楓さんと副部長の佐竹杏子先輩

背の大きい方が佐竹杏子先輩で、平均身長より少しだけ小さい方が皆川楓さんです

「それじゃあ……行くよ覇河君!」

そう言うと木場君の周りの空気が変わった

「今回は本気の様ですね、ならば………私も本気で行かせてもらいますよ!!」

左上段の構えを取る木場君に対し、私は正眼の構えを取り相手の出方を伺うが様子見だろうか、仕掛けてこない………

ならばこちらから仕掛けてみますか

とその刹那

「貰った!」

木場君が踏み込んできました

油断していました

まさかこちらの動きを読んでいたとは…完全に先手を取られてしまいましたね

ですが未だ是は予想の範囲内

木場君の左上段のからの斬撃をいなし鍔迫り合いに持っていきます

「やっぱり防がれちゃったか、強いね覇河君は」

「いやいや、木場君の方こそ腕を上げましたね、そろそろ追い抜かれそうで怖いですよ」

「お世辞でも覇河君に言われると少し嬉しいよ」

その後も何回か切り結びましたが決定打がお互い出ずに時間だけが過ぎていきました

「木場君、時間も押してる事だし、次で決着を付けましょうか」

「そうだね、僕もこの後用事があるからそうしようか」

お互いに間合いを取り、一間置いて、お互いに最高の一撃を放ちました

「どうやら今回も私の勝ちのようですね」

「今回も敗けちゃったか、相変わらず強いね」

木場君が持っていた木刀は宙を舞い、私の持っていた木刀は木場君の首元の1?手前で止まっていました

それを見ていた皆川さん達は

「凄い……まったく見えなかった……速過ぎて……、佐竹副部長は見えました?」

「スマン、皆川、私も速過ぎて見えなかった……」

唖然とする二人に私は道場を貸してくれた礼を言いに近付いていきました

「道場を貸してくださりありがとうございました」

「ううん、気にしないで私達も十分参考にさせてもらっているから、こっちの方こそありがとう」

挨拶と着替えも済まし、剣道部の練習がこの後控えていると言う事なので、皆川さん達と別れ、旧校舎に用があるという木場君と旧校舎近くで別れ、昇降口で靴を履き替え校門の方に向かって歩きだそうとした時

「あの……覇河王駑君……だよね?」

駒王学園ではない学校の制服を着た少女が此方を見て立っていました

「そうですけど……君は誰ですか?」

「あっ…ごめんなさい、自己紹介も未だで、天野夕麻です」

天野夕麻さんですか、なかなか可愛い娘さんじゃないですか

それに彼女の来ている制服は、近所でお嬢様学校として有名なSt.ヒルデ学院の制服じゃあないですか

「天野夕麻さんとやら、私に何かご用ですか?」

「あ、あの……初めて貴方を見てからずっと好きでした、私と付き合ってください」

出会い頭に告白されました

一瞬何かの罰ゲームかなんかと思いましたが、彼女の目が嘘じゃない事を語っていました

「こんな私でよければ」

内心

我が世の春がキタ---( ゜∀ ゜)---

なんて考えていましたよ

(作者注 本人はメガトン級の鈍感なので異性のアプローチに今迄気が付いていない)

その日は携帯番号を交換して別れました

自宅に着いたときドライグが話し掛けてきました


次の日から天野夕麻さんの家まで迎えに行ったり、天野さんの手作り弁当を食べたりと、とても充実した数日間でした

ある日天野さんから

「今度の日曜日一緒にデートしない?話したいことがあるの」

と言われたので

「良いですね、その日は予定はなかったし大丈夫ですよ」

と承諾しました

初めてのデートと言う事で念入りに下準備は怠りません

「よく調べたな、相棒」

「こういう事もあろうかと下調べしておいて正解でした、それとデートで女性をエスコートするのは男の甲斐性ですよドライグ」

「そういうものか、相棒」

「そういうものです」

そしてデート当日

「しまった……待ち合わせの時間よりだいぶ速く着いてしまいました」

しかも謎のチラシ配りに「あなたの願い叶えます」といういかにも怪しさ満点のチラシを渡されました

正直、こういうオカルト的なものはあまり好きではないのですが、なぜか捨てる気にはなれませんでした

「覇河君待った?」

とそうこうしているうちに天野さんがこっちに来たようです

「いいや、僕も今さっき着いたばかりだよ」

一生に一度は言ってみたい台詞言ってやりましたよ

「ここにいるのも何だからそろそろ行こうか?」

「ええ、行きましょう覇河くん」

その後はごくごく普通の学生デートをしました

ゲーセンでパンチングゲームをはっちゃけてハイスコア連発したり

とある定食屋のテラ盛りメニューを歴代最速タイムで完食して回りのお客やら定食屋のおやじがびっくりしたり

とにかく楽しいデートでした

公園での別れ際天野さんが

「ねぇ、覇河君貴方にお願いがあるの」

「できる限りの事なら」

「じゃあ………死んでくれないかな?」

今彼女は何って言ったんだ?

「え?新手の冗談か何かですか?天野さんらしくないですね」

「冗談?……フフフッ、面白い事を言うのね……貴方、此処で死ぬのよ?」

そう言うと彼女の背中からバサッとカラスの濡羽色の羽が出てきました

何なんですかこれは?

あれですか?新手のドッキリですか?

それともCGか何かですか?

ああ、もう何が何だか分かりませんよ

だけど一つだけ分かった事があります

彼女-天野夕麻-は

私を殺そうとしている

それを悟った私は一目散に逃げようと試みましたが

ドスッ

と腹部から鈍い音が聞こえました

とっさに腹部に手をやるとヌルッとした感触を感じました

「恨むなら、貴男に凶悪な神器を宿した神を恨む事ね」

私が此処で死ぬ?

ハハッ

ふざけるな

まだまだやりたい事があるんです

「相棒、しっかりしろ!」

ドライグが話掛けていますが、正直意識もうろうとしていて余り聞こえていません

「ドライグ…ごめんね」

「もう良い、喋るな傷に響く」

「こんな……別れ方で……本当に……ごめんね」

そう言うと意識を失っていきました

最後に見たのは、自分の通う駒王学園の制服を着た紅髪の女性でした

-4-
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