小説『リトルバスターズ これが僕の第二の人生』
作者:零識()

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side一樹

「恭介達が帰ってきたぞー!!」

早朝、僕達はこの一声で目が覚めた。

「さて…行くかな♪」

「どこに行く気だ、綾時?」

「ん〜…ケンカの観戦?」

「ケンカ…?ああ、恭介が帰ってきたから真人と謙吾がケンカするのか。」

「たぶんね♪」

「それでお前は野次馬として行くと。」

「そのとうりだよ♪」

「行くのはいいが仕事を増やすような事はするなよ。」

「わかってるよ、男子寮寮長さん。」

「だから代理だって言ってるだろ。」

[ここで一花一樹の現在の立場について話そうと思う。
高校に入学してから半年がたった頃、今の男子寮寮長が「頼む、暇な時だけでいいから寮会の仕事を手伝ってくれ!!」と土下座で頼まれたので手伝っていたら他の男子寮の連中(主に2年と3年)が『次期男子寮寮長』だと思い込みそれが現実になりそうな状況だ(実際はもう手遅れである)。
女子寮の方は佳奈多があーちゃん先輩に「かなちゃんが次期女子寮寮長ね♪」と全校生徒の前で言われたので半強制的に寮長にさせられることになっている

学校内では夫婦寮長と呼ばれているが、本人達は知らない(笑) by零識]


「じゃあ一樹君、行ってくるよ♪」

「待て綾時!!」

「?どうしたの」

「僕も行く。」

「またなんで?」

「なんか行かないといけない気がする。」

食堂の前には野次馬が押し寄せていた。
その中心には5人の男女がいた。

「じゃ、ルールを決めよう…」

「素手だと真人が強すぎる」

「竹刀を持たせると、逆に謙吾が強すぎる」

「なので…」

「お前らがなんでもいい、武器になりそうなものを適当に投げ入れてくれないか」

「それはくだらないものほどいい」

「その中からつかみ取ったもの、それを武器に戦え」

「それは素手でも、竹刀でもないくだらないものだから今よりか危険は少ないだろ」

「いいな?」

恭介の言葉にその場にいた人間の全員が頷いた

「じゃ…バトルスタート」

しばらく戸惑っていた野次馬たちだったが綾時がたわしを投げ入れるとまるでお祭り騒ぎのようにものを投げ入れはじめた。

「やるのか?」

「やるさ」

謙吾が目をとじて一つの武器をとった
あれは…拳銃!?
すると謙吾が恭介に

「これで殴っていいのか?」

アホなことを聞いていた

「だめ。本来の使用方法で戦うこと」

「………」

さて、真人はなにを………

「真人よ…」

「真人君…」

「「おまえ(君)はどうして猫なんてもっているんだ(い)」」

「…武器だよ…」

「え?なに?」

「オレの武器だよっ、わりぃ―――かっ!」

「つーか、どうやって戦えばいいんだよっ」

「待ちなさい井ノ原君!!」

「なんだよ篠宮…先輩?」

「猫が可哀想でしょ!!
かわりにこれをつかいなさい!!」

「なんだこれ…」

そこにはちっちゃな猪のぬいぐるみがあった。

「旅先で岡崎さんからもらったウリ坊ぬいぐるみよ!!
車に轢かれても壊れないぐらい丈夫だからこっちつかいなさい。
いいわね!!」

「おっ…おう」

そういってあーちゃん先輩は猫をつれて恭介の所に去っていった。

「どうすればいいんだよ…」

「ぬいぐるみで戦うこと」

「なんでだよっ」

カーーン!

どうやら誰かがゴングをならしたようだ。
さて、どうなるやら…



バトルスタート!

「いくぞ」
謙吾の攻撃、真人に0ダメージ

「いくぜ」
真人の攻撃、謙吾に1ダメージ

「こうなれば目だ、目を狙ってやる。」

「くそぉ、いけ!!」

戦いがしばらく続いたところだしそろそれ介入するかな…

「ちょっととうしてくれないかな?」

「なんだいまいいところなn…」

ピィーーー

「この音は!?」

「なんだぁ?」

「やばい、男子寮と女子寮の次期寮長ペアだ!!」

「流石に騒ぎすぎたか!?」

「真人、一時休戦「グペっ」なに!?」

「時既に遅し。だよ謙吾
僕だけだったら見逃したけど佳奈多がきたから諦めてね」

「茶番だぁぁぁ、一樹ぃぃぃぃ!!」

謙吾も僕の蹴りで沈んだ。

「一体なんの騒ぎ!?」

「ああ佳奈多おはよう。」

「あら一樹おはよう。
それで何があったの?」

「恭介とあーちゃん先輩が帰ってきた、後はわかるだろ?」

「なんだ、いつものことね
じゃああとは任せていいかしら?」

「了解、そういえばお昼どうする?」

「私が作っておくわ。
昼に一緒に食べましょ。」

「わかった、じゃあまた後で。」

こうして朝の騒動は終息した。











時はすぎて登校中
僕、佳奈多、葉留佳、綾時、恭介、理樹、鈴、真人、謙吾のメンバーで歩いていると理樹があることを言い出した。

「ねぇ、昔みたいにみんなでなにかしない?」

「なんだよ、唐突に」

「どしたの理樹くん?」

「何かって?」

「ほら、小学生の時。何かを悪に仕立て上げては近所をかっぽしたでしょ、みんなで」

「おまえらと一緒にするな」

「落ち着きなさい、鈴」

「じゃ…」

その言葉に恭介は答えた。

「…野球をしよう」

「へ…」

「…は?」

「へえ♪」

「はい?」

僕たち(綾時は除く)はその言葉を理解しきれなかった
「野球だよ」

恭介は僕たちに向き直り、そう告げた。

「野球チームを作る」

「チーム名は…リトルバスターズだ」

こうして物語は…始まる。

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