小説『GUNHUNTERGIRL』
作者:sola(gunhuntergirl)

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第287期ハンター試験編
189話  最終試験6




キルアの「まいった」という言葉に、
この場は数秒程沈黙の空気が漂う。

「あーよかった。これで戦闘解除だね
はっはっは、ウソだよ、キル
ゴンを殺すなんてウソさ
お前をちょっと試してみたのだよ
でも、これではっきりした」

イルミはパンパンと手を打ち笑ってキルアの肩を軽く叩いた。
そして、感情のない声でこう言った。

「お前に友達をつくる資格はない、必要もない
今まで通り、親父やオレの言うことを聞いて、
ただ仕事をこなしていれば、それでいい
ハンター試験も必要な時期がくれば、オレが指示する、今は必要ない」

イルミは右手をキルアの頭に乗せて
顔を近づけて言った。

その後、キルアはクラピカとレオリオがどれだけ話しかけても
全く反応しなかった。

(はぁ・・・・見ていて何もできないのが心が痛いね
キルア・・・・・ごめんね
私は私なりに今できることをしますか)

私はキルアの動きに集中していつでも対応できるようにした。




「第七試合 レオリオVSボドロ」

イルミにやられた試験官が医務室に運ばれてからしばらくして
かわりの黒服試験官の立会人が宣誓し
レオリオとボドロさんは広間の中央に立った。
クラピカもキルアのことが気になるようだが
今は試合に集中することにしたようだ。

ん、うわぁ・・・・・キルアはドンヨリとした殺気を出してるよ。
どうやら原作通りにボドロさんを殺す気らしい。

「始め!!」

立会人が試合開始を叫ぶと同時にキルアはボドロさんの背後から襲いかかり
私はそれよりも速くキルアとボドロさんの間に回り込み
ボドロさんの命を奪おうとした腕を掴んで止めた。

「チ、チェリッシュ・・・・・・」

キルアは精神的に痛々しくて苦しい顔で驚愕した。
私はそのキルアの様子を見て歯ぎしりをした。

「な、なんで・・・・・」

「キルア・・・・あなた言ったじゃない
『人殺しはもううんざりだ』って」

私はキルアの頭を撫でながら言った。
するとキルアは目を見開いて
涙を流しながらバンッと大広間から飛び出して行った。

私はキルアが出て行った扉をしばらく見てから
ボドロさんに顔を向けた。

「ボドロさん、大丈夫ですか?」

「あ、ああ・・・・」

ボドロさんは何が何だかわからない表情で呆然と答えた。
私はボドロさんのその様子を片目で見ながら
今度はネテロ会長に視線を向けて言った。

「ネテロ会長、今のを見ての通り
キルアはボドロさんを殺害して試合妨害しようとしました」

「うむ、レオリオには故意で悪気はないようじゃし
この場合はキルアは失格で
レオリオとボドロは合格で最終試験は終了じゃな」

「「!!?」」

ネテロ会長のキルア失格宣言にクラピカとレオリオは驚愕する。

「ちょっ、会長さんよ
この場合は失格になるのはオレじゃ」

「レオリオ、言いたい事や気持ちはわかるよ
でもね試験官の立場として言うけどもう決定は覆らない
それにレオリオとボドロさんの試合を再開しても
どちらが勝っても
・・・・・もうおそらく」

「あの様子ではキルアはもうここに戻ってこないと」

クラピカの言葉に私はゆっくりと頭を縦に振った。




その後、私とクラピカの言う通り結局キルアは現れず
ネテロ会長は正式にこの場にいる9人のハンター試験合格を宣言した。



287期 ハンター試験 合格者9名


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ようやくアットノベルズを開けるようになりましたよ。
ああ、長かったな・・・・・・

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