小説『噛ませ犬』
作者:夏白(ふたりごと)

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「はぁ?今なんゆーたん?」





俺――岩室陽人(イワムロアキヒト)は動かしていた手を止め目の前にいる男――三井田夢人(ミイダユウト)に聞き返した。




「だから、“八尺様”を知っているかと聞いたんだ」



夢人は嫌そうに、眉間に皺を寄せ言った。



「(んな顔しなさんなら一声かけてから言ってくれればええんになぁ)」



俺はそんなことを思ったが口に出したらさらに嫌な顔をされそうなので、喉の奥で止めておいた。

そして、聞き返した。



「八尺様てなんなん?
新しい宗教の神様なん?それともネットでの痛い子かぁ?」



俺は社長がよく座っている椅子にもたれながら聞いた。

そしたら夢人はメガネを手で直しながら「いや、違う」そう言った。




「じゃぁなんやねん。八尺様て。
俺にわかりやすく説明してくれや」



俺はだるそうに言った。

夢人は一つため息をついていた。

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