小説『No existence【停止中】』
作者:迷音ユウ(華雪‡マナのつぶやきごと)

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憐爾たちも、ソラトに続き、階段を上がっていった。二階。一番奥の部屋で、ソラトは立ち止まった。

「ここだよ」

ソラトは鍵を開け、部屋の中へ入った。

「ホラ、寒いだろ。早く入って」

初音、カイトも続いて入っていく。憐爾は入る直前にあるものが気になった。それは、扉の横にあるポストに、汚くてよく読めないが、看板みたいなものがかけてあった。何か、自営業でもしているのだろうか。そんなことをおもいながら、憐爾も部屋へ入った。

普通のアパートの一室。もともとは広いのだろうが、ものが乱雑していて、狭く感じる。

「相変わらずだな。片付けたほうがいいとおもうぞ」

「気にしないでくれよ。それだけは」

ソラトは苦笑し、部屋の暖房をつけた。温かい風が(なぜかピンポイントで)憐爾の顔に当たる。

「こっちに座ってよ」

ソラトは、リビングにある、少し大きめの炬燵へ案内した。

「炬燵かぁ・・・なんか久しぶりに見たかも・・・・・・」

「ん、初音の家には炬燵ないのか?俺の家にはあるけど・・・・・・」

「えぇ・・・いいなぁ・・・・・・」

初音はいち早く炬燵に入った。憐爾たちもゆっくり入る。四人が入っても十分なサイズの炬燵。やはり大きい炬燵は便利だ(場所はとるが)。

「そういえば、ソラト。今日はあの子はいないのか?」

「あぁ・・・・・・今日はなんだか天界にいってくるとかいってたな。まぁどうせ、どこかに遊びに行ってるんだろうが」

「あの子・・・・・・?」

憐爾はカイトに訊き返した。カイトはソラトのほうをちら、と見て、
「まぁ、こいつの妹のようなもんだ」

「なっ!い、妹じゃないぞ!なんていうか・・・。上司っていうか・・・」

「?」

初音と、憐爾は顔を見合わせる。

「それはそうと、カイトたちは何か僕に用事があったんじゃないのかい?」

すると、カイトは思い出したように、
「あぁ、そうだった」

真剣な表情が、カイトに戻る。

「憐爾のout lawを見てやってくれ」

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