「何々、今の爆発?何かあったの?」
「いや、実は魔界の大魔王から伝言が来たんだ…」
「お、お父様から!?…で、伝言?」
ルリは凄く驚いた顔をしていた。
「どうかしたのか?」
「ううん、内容は聞かなくても分かってる…。
どうせ、私に戻って来いとか言ってきたんでしょう?
でも私は絶対に魔界へは戻らない」
ルリの言い切る言葉に俺は何故か少しおおっと感動した。
その時、霊が会話に割り込み話し始めた。
「それよりも、
さっき大魔王様が言ってた『喉越し抜群饅頭』って何なの?」
「俺だって知らねぇよ。魔界の食べ物なんじゃないのか?」
「だったら、いちいち霊に頼まないだろ?」
「うぅ…!」
霄にドツボをつかれ、俺は黙り込んでしまった。
しばらく四人の間に沈黙の時間が流れた。
そんな時、俺の頭にある考えが思い浮かんだ。
「そうだ!心当たりのある人がいるんだ!」
「本当!?」
霊が急に歓喜の声を上げる。
「あ、ああ…。電話してみよう!!」
俺は部屋を飛び出し、階段を降りると、
玄関近くの廊下に設置されている置物の上にいつも置いている、
国際電話の場所に行き、受話器を持った。
―何故ここに国際電話があるのかは、後々説明しよう…。
とりあえず、俺は心当たりのある姉の『神童 唯』姉ちゃんに電話をかける事にした。
受話器を耳元に運び、数字の書かれた丸いボタンをリズムよく押し、
電話番号を打ち込んでいく。
国際電話では定番のピポパポ♪という効果音が何ともいえない。
そして、電話番号を打ち終えると、
受信音が鳴り始めるのをおとなしく待った。
プルルル…。
携帯の受信音が廊下に鳴り響く。
そして、姉ちゃんの声が聞こえてきた。