小説『ソードアートオンライン~1人の転生者』
作者:saito()

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35

サイトは太刀を振り下ろした。

しかしその盾に攻撃は阻まれる。

サイトは盾と鉄砕牙の反動を利用して大きく後ろに飛ぶ。

刀に風のような妖気を纏わせて振り下ろす。

「風の傷ッー!」

スバババンと轟音を響かせながら風のような衝撃波が茅場めがけて突き進む。

しかし、盾で体を覆うようにして身を守った。

運はサイトに味方したようだ。

盾に亀裂が入ったのだ。

いくら貫けぬ盾と言えど、耐久値は存在する。

ボス攻略の直後にサイトの重い一振り、さらには風の傷を受けて盾に限界がきたのであろう。

「まさか、この盾に亀裂を入れるものが現れるとは……」

茅場はすこし驚きながら言った。

「盾に頼りすぎだ。」

サイトは再び走りだし盾めがけて刀を振り下ろした。

亀裂がますますひどくなり、ついに盾がポリゴンの欠片となり消滅したのだ。

これで剣対剣だ。

お互い愛刀と己の体のみで戦うのだ。

茅場の方が一瞬動きが早かった。

サイトはなんとか刀で弾くものの鉄砕牙が弾き飛ばされヒースクリフの後ろに突き刺さった。

鉄砕牙は地面に突き刺さり変幻が解けてしまった。

サイトは大きく後ろに飛び退くヒースクリフが剣を突きたて走ってきた

「サイト君私の勝ちだな、」

ヒースクリフはやや笑みを浮かべながら言った。

「それはどうかな?」

サイトは鞘を抜き構えた

「来い鉄砕牙!」

サイトの声と同時に鉄砕牙が地面から抜かれまっすぐ鞘めがけて飛んでくる。

グサ、グサ、

サイトの妖刀がヒースクリフの体を貫きヒースクリフの剣がサイトを貫いた。

「がはっ」

「サイト君&#8252;」

アスハが悲痛の悲鳴をあげる。

2人のHPバーがほぼ同時に消滅する。

それと同時に、

【ゲームはクリアされましたーーゲームはクリアされましたーーゲームは……】


と言う無機質なシステムアナウンスが響く。

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