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「うっ………ここは?」
「あなた初めてここにきたときと同じセリフですよ。」
サイトは目を覚ますと再び真っ白でだだっ広い、空間ー転生の間にきていた。
「俺のあの世界での役割は終わったのか?」
「ええ。」
「もう戻ることはできないのか?」
サイトは残念そうに尋ねた。
「それはできません。あなたは本来あの世界には存在しない人ですから。」
女神はサイトを見透かすように言った。
「俺はもう一度会わなきゃならない人がいるんだ!頼む俺をもう一度あの世界に戻してくれ!」
サイトは必死に懇願した。
「それは無理です。」
やはり同じ回答だ。
「どうしてもダメなのか?」
「一つだけ方法があります。」
「な、なんだそれは?」
サイトは間髪をいれずに言った。
「私はあなたが役目を終え戻ってきたら記憶を消し新たな世界に命を与え送り出そうと思っていました。しかし、あなたをもう一度あの世界に戻すにはそれは諦めなければなりません。」
「つ、つまりどういうことだ?」
サイトはよく理解できなかった。
「要するに、あなたは二度と新生することはなくなりあの世界で寿命を終えたら再びここに来ていただきまた別の世界を変えるべく働いてもらうことになります。それを永遠に続けることになりますけどよろしいですか?」
「ああ。構わない。それでいい!」
サイトは大きく頷いた。
「では、あの時と同じようにここに」
そういい女神は光の柱を作り出した。
サイトはまたアスハたちに会える喜びを胸に光の中に飛び込んだ。