小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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―小ホール前公衆電話 花茂芽―

公衆電話に着くと、来井がその横のベンチに座っていた。外ではもうパトカーのサイレンが聞こえてくる。
「なんでこんな近くで迷うのよ。たった数百メートルじゃない?」
「あ、花茂芽。あと神威も。いや、思いの外広くて…てだから違うんだって!死体だよ、死体!」
「ああ、死体ね。どこよそれ?」
「一階のトイレ。もちろん男子トイレ。こっち。」
私と神威は来井についていった。

―一階男子トイレ 花茂芽―
「俺らここに来ていいのかなぁ…いくら男っぽいって言ってもさすがに外で男子トイレに入るのはなぁ…」
「状況が状況だから大丈夫だろw見てみろ花茂芽なんかすすんで入ってってるよ。」
来井と神威が何か話をしていたが、私にとってはそんなのどうでもよかった。とりあえず死体の状況だけでも見ておかなければいけないのだ。
男子トイレの中に入ってみると二つ目の個室の中で何かが動く音がした。おそらく大場だろう。
「大場君?」
「あ、花茂芽さん。あのアホに連絡貰った?ま、そのまんまなんだけど…ここで人が死んでたんだ。見る?」
「ええ。」
私はそういうと声しか聞こえなかった大場と場所を入れ替わった。トイレの個室の中に入ると…
中には便座に腰かけたままの男の死体があった。その死体は左手にグラスを持ち、右手はお腹を押さえるような形で死んでいた。
それより、ここに来た時点で浮かんだ疑問を大場にぶつけた。
「…きれいな死体ね、今まで見た中では。ところで青田は?」
「あ、それあのアホから聞いてなかった?青田は逮捕されたよ?」

-7-
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