小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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―廊下 花茂芽―
私は来井と正治、あと神威と大場と共に会場へと歩いていった。
「…大場君。その刑事って赤い髪の女…じゃないよね?」
「お、なんでわかったんだ?」
…はぁ…
でも赤髪の女なんていっぱいいるし…
大丈夫だろう。というより、大丈夫であってくれ。その願いを込めて私達は会場へ向かった。

―パーティー会場 花茂芽―
会場に着くと、そこには二人の人物がいた。
一人はスーツをびしっと着た男。そしてその横にいるのは…
赤い髪の茶菓子をほおばる女の姿。
後ろ向きだったが、胸がその人物を指し示していた。そう、その女は…
「あ、花茂芽さ〜ん!お久しぶりですぅ〜!」
「「「あぁ…最悪だ…」」」
…井原 花蓮だ。
「どうしたんですかぁ〜?そんなあからさまに嫌そうな顔して〜」
「…あんたがここの刑事だったのね…ていうか、青田は?」
「ああ、青田さんですかぁ〜?もうパトカーの中ですよぉ?ていうかその方々は誰ですかぁ〜?」
「…俺、神威。」
「…大場。」
あからさまに嫌われたな、井原。いや、それどころではない。青田がもう少しで連れて行かれる…でも何か引っかかる。これはやはり突っ込むべきだ。
「井原、またそんな簡単に逮捕していいの?まえみたいに誤認逮捕しちゃいやでしょ?」
「大丈夫ですぅ〜今回は完璧ですからぁ」
その声は相変わらず力の抜けた声だったが、その中には力強さも感じられた。
井原のそんな声も気にしないかのように来井が話しかけた。
「じゃ、大丈夫だよねw俺が相手するよ?」
「もちろんです、雑用さん?」
「ああ、イライラする!なんなのよこの子!もぅイライラする!どうなっても知らないんだから!」
…なぜオカマ口調なのかはわからないが、その声には憤りが感じられた。
そして来井はタロットカードを取り出し、地面に落とした。
あいつの空間…運命ノ輪、始まりの瞬間だった。

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