小説『ハイスクールD×D 異形の存在』
作者:霊夜()

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30話目



Side 闇



今日は
今日は、みんな楽しみの授業参観だ
ついでに言うと、俺は体育教師のだ
そして、残念な事に今日は仕事がない
・・・暇だ。
教師なのに教師の仕事がないだと!?
確かに、真面目な授業をしたことはないぞ?
だからといって、授業参観なのに授業をなくしてくるのはどうかと思う
・・・怒った、俺はもう怒ったぞ!
という事で、オカルト部室に行こう

旧校舎に着き、今はドアの前だ
俺は、ドアノブを持ち、ゆっくりとドアを開けた
まあ、意味はないんだがな
・・・それにしても


「・・・相変わらず誰もいないな」
そう、皆、授業を受けているのだ
俺は一人・・・
教師を一人ぼっちにさせるなよ!?
・・・そうだ、神器の中に入ろう
この長い人生の中で、一度もこの神器の中にいるやつと会話をしたことがない
それは、それで残念すぎる
せっかく話し相手ができそうなのに、それを無視するのはどうかと思うしな!


「・・・行ってきます」
誰もいない方向に向かって、ぽつりとそう言って
神器を出した
そして、その神器に意識を集中させる
そしたら、突然体から意識が消えた
そう、意識だけ、つまりは魂だけが神器の中に入ったのだ
そこは、次元の狭間に似た世界だった
一面真っ暗な部屋
その奥に、何よりも濃い漆黒の鱗を纏った龍が一匹、寝ていた


「起きろ、シュバルク」
俺は、その龍の名を呼んだ
漆黒のウロコを纏った龍
俺の神器『黒龍神王の籠手』の中にいるのは
黒龍神王シュバルクだ
(俺が前世に考えた龍だぜ?)


「グゴゴゴゴゴッ」
・・・いびきがかえってきた
・・・プチっときちゃったよ?


「起きろつってんだろうが!!!!」
そう叫んで、シュバルクの腹を蹴った


「ガハッ!!!!!・・・っく!・・・な、何者だ?」
シュバルクは寝ぼけているらしい


「お前の主だ、覚えておけ」


「おお、そうか。偽りの吸血鬼よ」
・・・む?偽りの吸血鬼?


「どう言う意味だ?」
と、聞くと


「その見た目はお前のものではない、そしてその能力も」
・・・ギドの見た目と、トランス能力のことか
後は、魔法とかもあるんだがな


「そう言う意味か、はっはっは!これは俺のものだぜ?」
と、答えると


「いや、この世界とは別の神と呼ばれる存在からいただいたものだろう?」
確かにその通りだな
・・・でもな?


「俺がもらったものだ、つまりは俺のものだ。後、吸血鬼の方は知らん。親に捨てられただけだからな」


「お、親に捨てられたのか?・・・うう、うお〜ん」
ど、どうした!?いきなり!?


「な、泣くな泣くな!」
少しだけだが焦ってしまった・・・


「こう見えて、俺はこういった話には弱い、それに、この話はお前のだろう?一番身近にいるな。」
涙腺ゆるいドラゴンて・・・
まあ、いいか
心の優しいドラゴンって事だからな


「俺には、新しい親もいるし、家族のような存在もいる」


「そ、そうなのか?それは良かった・・」
心底安堵したような顔だ
・・・俺の周りのドラゴンは皆いい奴ばかりだな


「っで、お前がここに来た理由は何だ?」
理由、・・・理由ねぇ
・・・あれ?さっき思ったのだが、俺がこう言ったところに来る時の理由って、全然なかったな・・・
だったら、今回もいつも通り


「理由なんてものはない」
と、答えると、いきなり笑い出した


「クハハハハハハハッ!!!!!理由もなく俺のもとに来るとは、面白いやつよなぁ!!」
それはどうも
・・・あ、理由思いついた


「いや、やっぱり挨拶に来た」
と答えると


「やっぱり?それは、さっき思いついた答えだな?面白いな、お前は」


「それと、これからは『お前』ではなく『闇』もしくは『相棒』と呼んでくれ」
そう言うと


「ふむ、わかった。相棒、よろしく頼むぞ?」


「ああ、これからもよろしくな」
挨拶も終わったし、そろそろ帰ろうか
そう思っていたら


「この神器は、一つの呪いと一緒だ。死ぬことはできん、体が消えようが、影がある。魂が消えようが、又新たにできる、それも今の意識と同じものがな。お前が強くなった目的は何だ?守りたいものがあるのか?頂点に立ちたいのか?」
呪い・・・か
この神器を考えていた頃はそんなこと考えたことがなかったな
それよりも、俺が強くなった理由・・・
やべ、全然思い出せない
いや、そもそも目的なんかあったか?


「男ならば、力を求めるものだろ?」
と言い返してみると


「それがお前の答えか?くく、さすがの俺でも『男ならば誰でも思うだろう』・・・という答えが来るとは思いもしなかったな」
そうか?力を求めるのは男として当然
頂点に立つことは男のロマン
女を守るのは男の役目、
ほらな?強くなるための理由など、『男だから』っで十分だ


「・・・お前はまだ、トランスの力を知っていない。その力に溺れるか溺れないかは相棒しだいだ。トランスの力を完全に知ったとき、相棒に攻撃を与えらえるものなどいなくなるだろう、くくく、異形となれ相棒よ」
・・・どういう事だ?
トランスの力を知らない?
・・・全く意味がわからん


「どういうことd「そろそろ戻れ、相棒」・・・っち!わかったよ!じゃあな」
そう言って、俺は、神器の中から抜け出した
気がつけば、目の前にはサーさん達が立っていた


「ん?どうしたんだ?」
俺は、サーさん達に近づいて聞いてみた


「おお!やっと目を覚ましてくれたか!!心臓が動いていなかったから焦ったよ」
ふむ、そうか
それならば面倒をかけたな


「すまん、少し神器の中に入っていたからな」
そう答えると、みんなは口を開けて惚けたような顔をしていた


「どうした?」
聞いてみると


「い、いや。そんなことができたのかってね」
サーさんが、苦笑しながら言ってきた
え?普通にできたんだが・・・


「そうだ、なあアリス。もう一度お前の神器を見せてくれ」
そう言うと、アリスは一瞬驚いた顔をして


「え?どうしたのですか?」
と聞いてきた


「お前の神器の興味がある。なんか面白そうだしな」
そう言うと、少し戸惑った顔をしてから


「分かりました、・・・来てください、永遠の氷姫」
そう言うと、右手に水色のレイピアが出てきた


「相変わらず綺麗だな」
そう言いながら、刃を触る
指の強度を、気で固めているから切れることはない
よし、じゃあ早速
そう思い、アリスの神器に集中する
そして、永遠の氷姫の中に入る
・・・そこは、一面銀世界だった
そして、その中心に柱のようなものがあった
その柱のようなものは、氷で作られており
触っただけでも、これは溶けない、とわかった
いや、違うな。『俺には』溶けない・・・か
よく見ると、その氷の柱の中に銀色の髪に、白い肌をした少女が眠っていた
・・・この少女が、俺の言うシュバルクと同じ存在か
今は手を出さないほうがいいだろう
それに、俺の思うに
この少女を、アリスの実力で助けたとき禁手に至るだろう
そう思い、神器から抜け出した


「ただいま、・・・アリス、お前面白いものを持っているな」
そう言って、ソファに座った


「面白いもの・・・ですか?」
アリスは首をかしげて聞いてきた
うむ、あれはどう見ても面白いものだろう
あ、ここに、皆がいるということは


「授業参観はもう終わったのか?」
と、リーアに聞いたら
リーアは顔を紅潮させ


「は、はい。終わりましたわ/////」
む?どうしたのだろうか?
まあ、いいか


「っで、サーさんが何故ここにいるんだ?」
サーさんの方を向いて聞いてみれば


「それは、・・・闇君の家に止めて欲しいのだけど、いいかな?」


「ああ、別にいいぜ?」
そう答えると


「ありがとう、後、私の父も一緒なんだけど・・・」
ふむ、別に困ることなんかないな


「別に構わない、俺の家はお前らに造ってもらったんだぜ?断る理由なんかないだろ?」


「ありがとう!このままだったら冥界に帰ってもう一回戻ってこないといけないな、と思っていたんだ」
確かに、それは面倒だな


「他に、何かあるか?」
と、聞いてみると


「闇くん、勘が鋭くなったかい?」
・・・ひでえな


「どうかな?っで、何かあるのか?」


「この駒王学園で、三代勢力の会議を行うんだ」
おお、もうそこまで原作が進んでいたとは


「他には?」
そう聞くと、少し戸惑ったような顔をしてから
意を決したようで


「一人の吸血鬼とあってもらいたいんだけど・・・」
ふむ、そういう事か
俺が吸血鬼と、人間のハーフで吸血鬼の両親に捨てられたから
吸血鬼という種族を恨んでいるとでも思っていたんだろうか?


「ああ、それくらいならいいぜ?」
そう言うと


「・・・え?・・いいのかい?闇くんは吸血鬼を憎んでいるはずじゃ」


「いや、そんなこと誰が言った?普通に俺を捨てるのは当たり前のことだろ?当たり前のことをされて怒るような人間じゃないさ、俺は」
と口では言っているが、今、俺の顔はどうなっているのだろうか?
悲しんでいる感じか?
もしそうだったら、気付いてもらいたくないな・・・
相変わらず、心が弱いな、俺は。


「・・・じゃあ、いつ会うんだ?」
と、自分の雰囲気を変えるためにわざと明るめに言ってみた
皆もそのことに察してくれて
いつも通りの明るさで


「う〜ん、私的にはいつでもいいのだけど、休みの日がいいと思うかな?」
サーさんがそう言ったら、リーアも


「はい、私も休みの日がいいと思うわ。あの子が暴れてしまってはいろいろと危険だからね」
ギャスパー登場か、楽しみだな
だが、ここは・・・


「その吸血鬼はどんな人物なんだ?」


「私はあったことがありません」
アリスがそう言うと、鈴も


「私も知らないわ」
と言った
そして、リーアが


「・・・引きこもりよ」
・・・やっぱりな


「性別は?能力は?・・・もっと詳しく説明してくれ」
そう言うと


「名前はギャスパー・ヴラディです。性別は・・・一応男の子で、お兄様と一緒の吸血鬼と、人間のハーフで、デイライト・ウォーカーですわ。神器は『停止世界の邪眼』で、対人恐怖症なのです」
朱乃が説明してくれた
そして、孔明が


「ご主人様、そのギャスパーという子は、神器を制御できなくて、勝手に時間を止めてしまうのが怖いから引きこもっているのではないでしょうか?」
・・・普通ここまで分かるか?
流石だよな?


「察しがいいわね、流石お兄様のビショップ」
リーア、サーさんの前でその呼び方は・・・


「・・・私ではなかったのか、・・・ふふ、兄の座も闇くんに・・・」
なんか暗いオーラが出てる!?


「り、リーア!『お兄ちゃん』と呼んでやれ!一回でいいから!!」
俺が、リーアの方を掴んでそう言うと


「え!?ど、どうして?」


「考えるな!感じろ!!サーさんが・・・可哀想な魔王になってしまう!!」
そう言うと


「せ、先生。可哀想な魔王って?」
イッセー、お前は今黙っていろ!


「小さい声でいいから!さあ!!」
そう言うと、リーアは顔を真っ赤にして


「お、・・・お兄・・ちゃん///////」
リーアの肩が震えている


「な、なんていったんだい?・・・リーア?」
サーさんが、にやけるのを我慢している


「・・・お兄ちゃん////////」ぼそ
涙目だ・・・


「っく、さすがはリーアだね・・・」
そう言って、サーさんは鼻血を噴いた


「お、お兄様!?てぃ、ティッシュを!!」
そう言いながら、リーアがティッシュを差し出す
・・・すごい嬉しそうな顔しているな・・・



Side out



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後書き


サーゼクスのキャラが変わってしまったり
原作ブレイクの前に、原作と離れていってしまいました
新キャラ『シュバルク』は、ドイツ語の『シュバルツェ』(←間違っているかも)を元として決めました
まあ、全く似ていないと思いますがね

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