『どうして............?』
私は体中の震えが止まらなかった。
自然と色々な思いが混ざり合い、
自分の気持ちをコントロールできず、
涙が溢れた。
嫌だ。
信じたくない。
今、見たのは....
違う。
海斗はそんなことしないッッ..
私は落とした鞄を拾って全速力で教室から出た。
そして走りながら
今のは、違う。
海斗じゃない。
見間違いだ。
海斗は浮気をするような人じゃないっ....。
と自分に言い聞かせて居た。
気が付いたら公園の前に居た。
此処って........
海斗と初めてデートした場所だ。
夕日が沈んでいく。
それにつれ私の心は落ち着きを取り戻した。
さっき見たのは、海斗と似た人だっただけ。
窓から見たのだから海斗と判断するのは早すぎる。
『馬鹿だなぁ...私。
ただの見間違いだったのに早とちりしちゃってさ...』
そんな事を呟いていると
誰かがこの公園に入ってきた。
カップルらしい。
私は、この年で公園に一人で来てるのが恥かしくて
遊具の陰に隠れた。
『(どうやって,,家に帰ろうかな..)』
そんな事を考えていると聞き覚えのある声が聴こえた。
「...に早く...」
茱萸の声...?よく聞こえないが何かをねだっているようだ。
「しょうがないな...」
私はその声を聴いて凍りついた。
そして、その声のする方をばれない様に
陰から覗いた。