小説『死神転生』
作者:nobu()

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俺は佐戸圭太。高校1年の16歳。
今日は寝坊してしまって、学校まで猛ダッシュしているのだが…
運悪く信号につかまってしまった。

(おいおい、時間ねぇって、こんなところで止まってっれねぇよ…)

と思っても俺は常識人。信号無視なんて馬鹿な真似はしない。
が、

(あー、信号早くかわんねぇか…な!?)

猫がいる。それならまだいい。
しかし何を思ったのか猫は俺の横を通り過ぎ、道路に飛び出していったのだ。
そして横からは… トラック。

「おい、お前!」

俺は猫を助けようと道路へ飛び出した。
トラックに轢かれるギリギリで猫を抱き抱えるが、

(や、べ…!)

目の前にはトラックが迫っていた。
とっさに猫を守るように抱きしめ…
猫の代わりに俺はトラックに轢かれた。

(はぁ、俺の人生ここまでかよ…)

そんなことを考えていたが、不思議と痛みは感じなかった。
むしろ…眠くなってきた…。

『ニャー?』

猫がこっちに寄ってきて心配そうに俺の顔をなめてくれた。

(よかった、お前は生きててくれたのか)

そう安心したとたん、俺の意識は落ちて行った。












「どこだよ、ここ…」


そして目が覚めると、俺は知らない場所にいた。
色というもので表現できない。透明、としか言えない世界。色のない世界。


(ていうか、死んだからここは死後の世界ってことか。地獄には見えないし…天国か?)


天国にしてはあまり何もない気がする。
というか、猫を助けて死んだんだよなー。『あの…』生きてたら恩返しに来てくれたのかな。
あー、おしいことしたな。『もしもし…?』あ、でもあれは助けた猫が王子だったのか。
あの猫も王子だったらなぁ…。『………』あー、俺も猫の世界行きたかったぁ!『あの!!』


「おう!?何だ、いつからいたんだ!?」

『ずっと前からいました!』


俺の目の前には、幼女がいる。ということは、ここはやっぱり天国なのか。


『もう、ずっと私のこと無視して!』

「いや、ごめん少し考えごとしてたんだ」

『まぁ、あなたがここに来てしまったのも私のせいなので、あまり責めることは
できませんが…』

「え?てことは俺はホントは死んでなかったってことなの?ていうか…君はだれ?」

『あ!申し遅れました、私は神です!』

「……え?」

『あー、信じてませんね?いいですよ、別に信じなくても…』

「い、いや、いきなりで少し驚いただけだよ!ところで、俺が死んだのは君のせいって
どういうことなのかな?」


俺は幼女…いや、神様が拗ねてしまいそうったので慌てて弁解しつつ、さっきから疑問に思って
いることを聞いてみた。


『あ、そのことですけど、あなたが助けたあの猫、実は私だったんです』

「………は!? なんで!?ていうか神様って猫だったの!?猫属性!?その容姿で猫!?
殺傷能力高すぎd『落ち着いてください!』…すまん、つい取り乱しちまった…。」


いや、でもこの幼女が猫で、猫が猫耳、幼女が猫耳…ぶぼはぁ!
いかんいかん、いけないな妄想をしてしまった。意識が持っていかれるとこだった。


『猫って言っても、私は下界の情報収集をしていただけです。結構猫の姿は情報収集
には便利なんですよ♪…ていうかその目は何ですか!怖いですよ!』


あぁ、つい捕食者の目に…いやなんでもない。
ちなみに俺は生粋の猫好きだ。                …言っとくが動物の猫、だぞ?


「いや、なんでもない、気にするな。で、なんで君は猫の姿で道路に飛び出していったの?」

『え?えっと、ですね、その… き、綺麗な、ビー玉が、転がっていまして… どうしても
欲しくて、つい… ごめんなさい!』


つまり俺はビー玉が原因で死んだと?


「はぁ…まぁ、いいや、気にしないでいいよ」


あくまでも俺は常識人。目の前で泣きそうな女の子がいるのに、更に畳み掛けることなんて
できるわけないだろ?


『え!?許してくれるんですか!?』

「うん、起きちゃったことはもうどうしようもないし、まぁ、後悔することもないし、大丈夫だよ。
ところで、俺はこれからどうしたらいいんだ?」

『あ、そのことなんですけど、あなたが死んでしまったのはほとんど私の責任なので、
もう一度あなたを生き返らせることができます!もしくは転生、という選択もありますが…?』

「おお、もう一回生き返れるのか!」


んー、どうしようか…転生か、前の人生に特に未練もなかったし、楽しそうだな…


「転生か。そうだな、俺を転生してほしい。」

『はい、了解です!ところで転生先なんですが、あなたの記憶の中で じゃんぷ という
雑誌の記憶が濃いので、その記憶を使って転生先を決めるのが簡単なのですが、それでいいですか?』


ジャンプか。うん、結構いいじゃないか。


「わかった、それで頼む。で、もちろん作品は選べるよな?」

『はい!……と言いたかったのですが、私の力ではあなたの残りの寿命をリセットして
転生させるので手いっぱいなので、どれかの世界に決めることはできないんです。 
なので じゃんぷ の中のどれかランダムになってしまいます。ごめんなさい!!』

「いや、そんな謝らなくてもいいよ。まぁ、この調子じゃ、チートなんてのは無理だよな。」

『ごめんなさい。ちーと が何かはよく分かりませんが、がんばって3つの世界には
絞ることができます。』

「3つか…。じゃあNARUTO、BLEACH、REBORNの3つでいいかな?」


俺的にはどれも好きだからいいが、できればBLEACHが本命かな。


『えっと…な、なると、ぶ、ぶりー…?と、とりあえず、その3つですね?分かりました!』

さっきから思ってたけど、カタカナとか英語とかダメなのかな?なんか不安だ…

「まあいいか。じゃ、それでよろしく!」

『はい!じゃあこれからあなたを転生先に送りますね。……あの、私のこと助けてくれて…
ありがとうございました!では、むこうの世界でもお元気で…』


何だか寂しそうな顔してるなぁ…別れの時にこういう雰囲気ってなー…


「ああ、ありがとう。俺も君に会えて楽しかったよ。んー、さよならは苦手だから…&amp;quot;またね&amp;quot;」

『……!! ええ、また、会えるといいですね!』


彼女がとびきりの笑顔を見せてくれたので安心した。
目の前に扉が出現した。俺はその扉をくぐる。
色ないの世界に別れを告げ、俺は新しい世界へと旅立った。





『あ…名前くらい聞いておけばよかったかな… あぁ、抱きしめてくれたときはすごくかっこよかった
なぁ///はぁ…私にもっと力があれば彼に良い条件つけてあげれたのに…うぅ…。』

そんなことを神が言っていたことを圭太は知らなかった。



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