小説『東方薬師見聞録』
作者:五月雨亭草餅()

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ここは・・・・・・・・・・・どこだ?

さっきまで俺は自宅にいて、和室に日本刀を取りに行った。
その後、道場に行こうと扉を開けたらこれだ・・・・・・・・・・・・・・・。
俺は一人、森の中にいる。
べつに他に何かをしたわけじゃない。お地蔵様を蹴ったり、神社の鳥居を壊したりなんていう罰当たりな行為は一度もしたことがない。
それに、神様に会ったりしたわけでもなく、なぜか森の中にいる。
良く森の木々を見ると、図鑑などで見たことのあるような樹ばかりだ。
なんと言えば良いんだろうか?
えーと、恐竜図鑑とかで見るような感じなやつ、あれだ。
んで、何で俺はこんなところにいるんだ?
冒頭にも言ったが、大事な事だからもう一回言っといた。

とまあ、そんな不運に合っている    だ。
?あれ、俺。名前何だっけ?
やべぇ、思い出せねぇ・・・・・・・・。どうしたもんかなぁ。
まあいいや、思い出せねぇもんはしょうがねえ。新しく自分の名前ぐらい考えるか。
そうだな・・・・・、苗字は後だ。
とりあえず、名前だけ決めておこう。
俺の出身は日本の島根県だった。
だから、昔の地名は出雲か石見だったわけだが・・・・・・。
石見なんて名前は格好悪いな。じゃあ、出雲だ。俺はこれからは出雲と名乗ろう。人と会えれば、の話だけどな。
まあ、なんだ・・・・。腹が減ったし、なんか食うか。
出雲は、実のなった木へと歩み寄っていった。

そのころ、とある天界では・・・・・・・・・

「ああああーーーーーー、やっちゃった。間違えて一人違う世界に送っちゃった。どうしよう」
一人の神が、パソコンのような機械の前で頭を抱えながら叫んでいた。
当然、その姿はとても目立ち、周囲の神が何事かと集まってくるありさまだった。
「どうしたの?」
様子を見にきた神の一人が、訊くと、
「間違えて違う世界に一人送っちゃった」
頭を抱えたまま、一人の神が答える。
「ああ・・・・・・。多分×××のせかいでしょ?」
「何で分かるの?エスパー?某学園都市で教育受けてきた?」
「違うわよ・・・・・・」
一人の神の疑問はあっさりと切り捨てられる。
「まあいいわ。×××の世界はできたばっかりでしょう。さっきからその世界に間違えて送り込む事故が多発しているみたいよ。送り込む時代は違うみたいだけどね・・・・・」
「へぇーーー。じゃあ、アフターケアとかしなくても大丈夫かな?」
「ダメに決まっているでしょうがっっっっっ」
天界に、小気味のいい、炸裂音が鳴り響いた。



「まったくもう、あいつも本気で殴ることはないだろうに。それだから男勝りとか言われて婚期を逃すんだよ。はぁ・・・・・・・。×××のせかいだから能力でもつけてやれば大丈夫だよね?」
先ほどの、ミスをした神は、残像が発生するほどの速さで、キーボードに何か打ち込んでいた。
「えーと、いいや、とりあえずは『自然を操る程度の能力』にしておこう。この能力がどうなるかは、彼自信の努力によってだね。あとは、不老不死ぐらいでいっか?さあ、これでよーし」
陽気なままの声で、処理を終えた。
今後彼がどうなろうが、自分の責任だはないといわんばかりの明るさで・・・・・・・・・・・・・・・・・。
まあ、もしこの神がそんな風に彼を扱ってしまえば、先ほどの婚期を逃してしまった神から粛清を受けるであろうが・・・・・・・・・・・・・。

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