小説『銀魂 ``最後の指令``』
作者:羅海()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

真っ暗で雨は止むことを知らないかのように、大地を打ち付ける。

その中、女一人立っていた。

女は水色の髪水色の瞳で、頭に白い鉢巻をしている。

もう夜中だというのに、こんなところで何をしているのか。

普通に見れば、立ってるだけのようだ。

立ってるだけで、もう頭から足までビショ濡れだ。


「陽那日。帰るぞ。」

声をかけたのは、陽那日と呼ばれた女と同じぐらいの年の男だ。

その男は銀髪の天パで、白い服、白い鉢巻をしている。紅色のきれいな瞳をしている。

「…ああ。」

短く答える。

「明日は、大変になるってよ。速く戻って、早く休もーぜ。」

男は軽く言った。

「ああ。そうだな。……銀時…飯は食ったか?」

男、坂田 銀時は不思議そうな顔をした。

「?まだだ。今日は戻るのも遅かったからな。まだ、飯の準備の途中だろ。」

「そうか。」

-2-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える