小説『黒子のバスケ〜創造者〜』
作者:蒼炎(小説家になろう)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

*楓の思い*



3人はある公園に来ていた。楓の様子が気になるからだった。3人はベンチに座り、静かな時間を過ごす。


「ねぇ、楓〜。カントクと何話してたの?」
耐えきれなくなったのか、夏希は楓の思いつめたような表情を見てワザと明るく聞いた。


「ん、あぁ…。誠凛に来た理由みたいなのを聞かれただけだよ。それ以外にはな…「嘘は言わないで。」……。」
ごまかそうとしていたことを見抜かれ、楓はだまる。


「分かるよ。だって楓の今のカオ、すごく哀しそう。」
「今度も私達はそばにいるよ?だから1人で抱え込まないで。」
2人はベンチから立ち上がり、真剣ながらも、心配そうな表情で楓を見た。そんな2人を見て楓は手を組み、せき止めていた思いを吐き出していく。


「…俺の力をカントクに話した時、カントクもあの人たちと同じ目を…恐ろしいものでも見るような目をしてたんだ…。俺は、俺は…!!やっぱり、も……っ!?」
何かを思い出したように手を強く握りしめ、震えだした楓を2人はやさしく包み込んだ。


「そんなことないよ。今とあの時は違うよ。それに、あの後みんな分かってくれたじゃない。今度だって分かりあえるよ。」
と、夏希。


「私達はずっと楓と一緒だよ。つらい事は一緒に、ね?それでもダメなら、泣いてもいいんだよ?」
と、朋美。


「うっ、っうくっ、うわああああああぁぁぁ……!!」
楓はこらえられず、2人の中で泣きだした。楓は自分の中で何かが氷解して行くのを感じながら。












「…ぐす。2人ともありがとう。落ち着いたよ。だからその、離れてもらっていいか?」
数分ののち、楓は2人にそう言った。


「そう?大丈夫ならいいけど…。(まだ抱いていたかった…)」
と、夏希はそう言う。心中では不謹慎な事を思っていたが。


「泣きたくなったらいつでも私の胸貸すよ♪(なんか楓可愛かったし。)」
と、朋美も言う。こっちも不謹慎だが。


「もう大丈夫だよ。……それとトモ。胸を貸すって、その、トモは…で、でかいからなんと言うか…///」
そう返事を返し、楓は顔を赤くする。


「あーっ!楓のエッチぃ!!私達の中でそんなこと考えてたんだぁ。(私のはコメントなし…?いいもんっ。私はまだ成長途中だもんっ。)」
そう言ってからかう夏希。心中では若干へこんでたが。


「えっ、いやそうじゃなくて!落ち着いて冷静になったら、その、頭に……。///」
「フフッ、いいよ。私は気にしないから。(胸気にするってことは、私の事気にしてるってことだよね…♪)」
言い訳じみた事を言う楓に朋美は言う。


「むーーっ。(なんかいい雰囲気…。負けないっ!!)楓っ、私なんでも!するから!!」
そんな2人を見て対抗心からか楓の腕に抱きつきそんな事を言う夏希。


「な、なんでも!?(夏ちゃん、大胆…!!)わ、私もいつでもいいよ!!」
朋美も張り合うようにもう片方の腕に抱きつき、言う。


「「むーーっ。」」2人はにらみ合う。楓の腕をつかんだまま。


「ちょっ、なんでいきなり2人ともにらんでんのさ・・・!?」
楓は意味を理解できず、慌てたように仲介に入り思っていた。


―――もう迷わない。皆に新しい、楽しいバスケを見せよう、と。

-13-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




同人作家コレクション 134 (POE BACKS)
新品 \924
中古 \349
(参考価格:\924)