小説『絆の決闘者と夜天の主』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 対峙する遊星・ザフィーラ組と、生まれ変わった自身のデバイスを携えたなのは・フェイト組。
 これから行われるのはデバイスの性能テストの為の所謂『模擬戦』なのだが…

 「頑張ろうフェイトちゃん!」
 「うん、なのは。全力で行こう!」

 なのはとフェイトの気迫は大凡『模擬戦』と言う感じではない。

 「2人ともやる気充分だな。だが、始める前にデバイスの簡単な説明をしておこうか。」
 「うむ…それが良いだろう。それにしても良い気迫だ。」

 そんな2人を前にしても遊星は相変わらずクールであり、ザフィーラは落ち着いていた。









  遊戯王×リリカルなのは  絆の決闘者と夜天の主 クロス15
 『模擬戦だと思います』









 それを訓練施設の外で観戦しているのは、勿論はやて達。

 「凄い気合やな〜。」
 「なのははやるからには全力だし、フェイトは実は戦うことが好きなんだ。模擬戦とは言え当然かもしれない。」

 なのはとフェイトの気合の入りっぷりに驚くはやてにクロノが説明する。

 施設内部には遊星がなのはとフェイトにデバイスの新しい機能を説明中。
 後は戦闘用の魔法空間を発生させればOKだ。


 「模擬戦ですか。どうやら丁度良いタイミングで来れたようですね。」

 そして開始直前に、ゴドウィンと、

 「よう、元気かクロ助?」
 「久しぶり。」

 「一佐。それに、リーゼ!?」

 リーゼ姉妹が海鳴から転移してきた。
 ゴドウィンは兎も角として、思ってもみなかった人物……人物?ネコ?にクロノは少々驚いていた。

 「え〜と…クロノ君のお知り合い?」
 「あぁ、リーゼアリアとリーゼロッテ、僕の戦いの師匠だ。」

 「そう言うこと。にしても…ふ〜ん、アンタがこの度の闇の書の主に選ばれた子か。」
 ――遠目に観察するのと、実際見るのでは随分印象が違うもんだね。


 簡単に紹介され、ロッテのほうがはやてに近づき目線の高さを合わせて顔を覗き込む。

 「え〜っと…確かに私は闇の書の主らしいですけど…」
 「はやてに何か用かよ?」

 除きこまれたはやては若干緊張し、ヴィータ(実はシグナムとシャマルも)はちょっと面白く無さそうだ。

 「よしなよロッテ。緊張してるじゃないか。」
 ――こうして見ると、普通の女の子と変わりないな。はぁ…監視してるだけじゃ分からないことも多いか…

 ロッテの行動をアリアが嗜める。

 「一佐、どうしてリーゼ達が?」

 その一方で、クロノは何故リーゼ達が此処に居るのかをゴドウィンに聞いていた。

 「彼女達も協力者です。管理局上層部の動きを把握する為に動いてもらおうかと。
  此処に連れてきたのは、彼女達にとっては実力未知数の遊星の力を知ってもらう為ですよ。」

 「なんと言うか、実に良いタイミングで戻ってきたと言うか…」

 「まぁ、その辺は偶然と言うことで。さて、始まるみたいですね。」








 ――――――








 「……と言うわけだ。」

 「フルドライブ…」
 「ソニックフォームか…」

 此方、施設内部では、遊星がデバイスの簡単な説明を終えていた。
 説明を受けた2人は新たに搭載された機能を少し楽しみにしていた。


 『遊星く〜ん、説明終わった?そろそろ始めるよ?』

 「あぁ、準備OKだ。始めてくれ。」

 エイミィからの通信を受け、遊星は模擬戦の開始を告げる。
 
 その直後、施設内部に特殊な魔法空間が発生し、模擬戦が可能な状態へと移行する。


 「頑張ろう、レイジングハート!」
 「All right.」

 「行くよ、バルディッシュ。」
 「Yes sir.」


 「準備は出来ている…始めようか。」
 「スタンディングデュエルモードを起動します。」

 「盾の守護獣ザフィーラ…参る!!」


 互いに戦闘準備完了。


 『それじゃあ…模擬戦開始ぃ!!』


 「デュエル!」
 遊星:LP8000


 遂に模擬戦が始まった。

 先に仕掛けたのはフェイトとなのは。

 「プラズマランサー!」
 「アクセルシュート!」

 先ずは牽制とばかりに直射型の射撃魔法と、誘導型の射撃魔法で攻撃してくる。
 それに対し、

 「俺のターン。マックス・ウォリアーを召喚!」
 マックス・ウォリアー:ATK1800


 遊星は槍のような武器を持った戦士を召喚し、ザフィーラは迎撃の為に構える。

 「マックス・ウォリアーの効果発動!このカードが攻撃する時、攻撃力が400ポイントアップする。」
 マックス・ウォリアー:ATK1800→2200


 「「魔力が上がった!?」」

 「撃ち落せ、マックス・ウォリアー!『スイフト・ラッシュ』!」

 初めて戦う遊星のモンスターの力が上がったことに驚くなのはとフェイトを尻目に、マックス・ウォリアーはフェイトの魔法を全て叩き落し、

 「ぬぅぅおぉぉぉぉぉ!!」

 ザフィーラは拳を振るって衝撃波を発生させ、なのはの誘導弾を相殺した。

 「す、凄い…!」
 「うん、油断できないね。」

 牽制技とは言え、それを難なく潰した2人の実力に驚き、再度気を引き締める。

 「マックス・ウォリアーは相手モンスター、この場合はフェイトの魔法だが、それを破壊した場合攻撃力と守備力が半分になり、レベルは2になる。」
 マックス・ウォリアー:ATK1800/DEF800→ATK900/DEF400   LV4→2


 「カードを1枚伏せてターンエンド。」

 「今度は魔力が大幅に下がっちゃった…」
 「でも何か有るはずだよ。ザフィーラも居るし。」

 魔力が下がったからと言っても油断は禁物であるのだ。
 しかし、なのはとフェイトの2人に恐れなど無い。

 そして実力面では兎も角、戦闘の経験と言う面ではなのはよりも上のフェイトは即座に戦術を考える。


 ――今の攻防…遊星はその場を動かずにカードから召喚獣を召喚してる。なら…
 「なのは、『砲台』お願い。」

 「!…うん、任せて!」

 作戦を決定し、なのはは後ろに下がって距離を取り、逆にフェイトは距離を縮めてきた。


 「む、この布陣…典型的な前衛と後衛のコンビネーションで来るか。」
 「みたいだな。スタンディングでは高速戦闘は出来ない。フェイトを任せて良いか?」
 「無論だ!」

 遊星達もそれに気付き、しかし敢えてなのは達の思惑に乗る。
 まぁ、この辺はあくまで『模擬戦&デバイスの性能テスト』が影響しているとも言える。

 ぶっちゃけて言うと遊星とザフィーラがこの戦いで無理に勝つ必要は全く無い。
 2人がやるべき事は、なのは達にデバイスの性能を完全に引き出させその力を使いこなさせることなのだ。

 「ハーケンセイバー!」

 フェイトが再び射撃魔法で攻撃してくる。
 だが、今度のは先程の攻撃とは違い、魔力の刃がブーメランのように飛んでくる。

 更にフェイトの攻撃はそれだけではない。

 「プラズマランサー!」

 魔力の矢を放った直後に、今度は遊星に向かって先程の攻撃。

 「トラップ発動『くず鉄のかかし』。相手の攻撃を1度だけ無効にする。そして発動後、このカードは再びセットされる。」
 「うおぉぉぉぉ!」

 遊星はお得意のトラップで攻撃を防ぎ、ザフィーラは再び衝撃波で攻撃をかき消す。
 しかし、それはフェイトの思惑通り。
 本命は…

 「バスター!」

 後衛のなのはの十八番である砲撃魔法。
 遊星のくず鉄のかかしは次のターンまで使えない。
 その砲撃は寸分狂わず、マックス・ウォリアーに進むが…

 「むぉぉぉ…烈鋼牙ぁ!!」

 その前にザフィーラが立ち塞がり、有ろう事かその砲撃を叩き返した。

 「「えぇぇぇ!?」」

 此れには驚く。
 牽制技を潰された時以上に驚く。

 それは施設の外で見学している者の何人かも同様だ。




 「な、なのはさんの砲撃を…」
 「た、叩き返しやがった…」
 「いや、それも凄いがあの2人の攻撃をこうも見事に防ぐなんて…」

 なのはとフェイトの実力を知るアースラメンバー+リニス、アルフは遊星達の実力に驚き。

 「まぁ、ザフィーラは我等の中で最も防御に秀でているからな。」
 「完全に守りに入られたら、アタシでも攻撃通せるかわかんねー。」
 「おまけに遊星君が一緒ですもの…」
 「なんや『核』でも破壊できへんような防御力やね。」

 八神家は納得していた。
 そして、ゴドウィンは遊星がまだ力を隠しているとは思いはしたがそれを口には出さず、
 リーゼ姉妹は、遊星の力を見極めようと模擬戦に見入っていた。




 「今度はこっちから行くぞ、俺のターン。この瞬間マックス・ウォリアーのレベルと攻守は元に戻る。」
 マックス・ウォリアー:ATK900/DEF400→ATK1800/DEF800   LV2→4


 「手札からマジックカード『ハーフスター』を発動。この効果で、マックス・ウォリアーのレベルをこのターンのエンドフェイズまで半分にする。」
 マックス・ウォリアー:LV4→2


 「更にマジックカード『調律』を発動。デッキから『シンクロン』と名の付くチューナー1体を選択して手札に加え、
  其の後デッキをシャッフルし、デッキの一番上のカード1枚を墓地へ送る。俺が手札に加えるのは『ジャンク・シンクロン』!」
 ――よし、良い流れだ。


 墓地に送ったカードを見て、遊星は笑みを浮かべる。
 どうやら良い展開が出来るようだ。


 それはさておき、遊星はこの模擬戦に『スタンディング・デュエル』で臨んでいる。
 ライディングデュエルとは違い、スタンディングでは余り動く事は無く、相手の攻撃を回避する事は難しい。

 「ディバイン…バスター!」
 「プラズマスマッシャー!」

 現実に、モンスターを召喚する準備の段階でなのはとフェイトから猛攻が掛けられている。
 しかし、その攻撃が遊星に到達することは無い。

 「はぁぁ…烈鋼襲牙!!」

 遊星が攻撃態勢を整える為に生じる隙を見事にザフィーラがフォローしているのだ。

 「済まないな。」

 「気にするな。守る為のこの拳だ。」

 正に圧倒的防御力。
 はやてが『核』でも破壊できないと言ったのは過言ではないかもしれない。

 「俺はジャンク・シンクロンを召喚。」
 ジャンク・シンクロン:ATK1300


 「ジャンク・シンクロンの召喚に成功した時、墓地のレベル2以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚できる。
  俺は『調律』の効果で墓地に送った『ソニック・ウォリアー』を特殊召喚!」
 ソニック・ウォリアー:DEF0


 「召喚獣の大量展開…なのはこれって!」
 「うん、来るよ『シンクロ召喚』!」

 自分達が助けられた時に見たモンスターの大量展開と良く似た今の状況から次に来ることを予測する。
 勿論その予測は的中している。

 「レベル2のソニック・ウォリアーに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング。
  集いし星が、新たな力を呼び起こす。光射す道となれ!シンクロ召喚、出でよ『ジャンク・ウォリアー』!」
 「フゥゥゥゥ…ハァァァァ!」
 ジャンク・ウォリアー:ATK2300


 現われたのは遊星のデッキに於いて切り込み隊長を勤めるシンクロモンスター『ジャンク・ウォリアー』。
 その力は自身の効果で強化されたマックス・ウォリアーよりも上。

 「ソニック・ウォリアーの効果発動。ソニック・ウォリアーが墓地へ送られた時、
  俺のフィールド上のレベル2以下のモンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる。
  この効果でレベル2となっているマックス・ウォリアーの攻撃力は500ポイントアップする。」
 マックス・ウォリアー:ATK1800→2300


 「そしてジャンク・ウォリアーは、シンクロ召喚に成功した時、
  俺のフィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計値分攻撃力がアップする、『パワー・オブ・フェローズ』!」
 「ウォォォォォォ!」
 ジャンク・ウォリアー:ATK2300→4600


 「行け、ジャンク・ウォリアー!なのはに攻撃!『スクラップ・フィスト』!」

 背中のエンジンを噴かせ、ジャンク・ウォリアーはなのはに突撃する。

 「なのは!」
 「させん!牙獣走破!!」

 すぐさまフェイトは、なのはの援護にまわろうとするがそれはザフィーラによって阻止される。

 攻撃されたなのはは、


 ――シューターじゃ撃ち落せないし、ディバイン・バスターを撃つだけの時間は無い…なら!
 「レイジングハート!」
 「protection.」

 迎撃を見限り、防御に専念する。


 ――ガァァン!


 強化されたジャンク・ウォリアーの一撃が炸裂するが、何となのはにはまるでダメージが無かった。

 「す、凄い。バリアジャケットの防御力が前よりも上がってる!」

 思った以上の防御力だったらしい。
 又フェイトも、


 ――前よりも身体が軽い…前よりも早く動ける!
 「プラズマランサー!」

 自らの素早さが以前よりも生かせていることを実感していた。


 ――よし、どうやら強化は成功みたいだ。だが、そのままでは俺とザフィーラの防御を突破することは出来ないぞ?
 「このターンの終了時、マックス・ウォリアーのレベルは元に戻る。ターンエンド。」
 マックス・ウォリアー:LV2→4


 奇しくも、遊星が考えていたことは、なのはとフェイトも考えていた。
 確かにデバイスの強化で、自分達の能力は最大限に生かすことが出来る。

 しかしこのままでは、以前とそれほど変わらない。
 だが、其処で気付いた。

 ――そうだ、確か遊星さんは…

 ――確か遊星は…


 遊星が付けてくれた新たな機能に。

 「レイジングハート!」
 「All right.」

 「バルディッシュ!」
 「Yes sir.」


 「フルドライブ!」
 「ソニックフォーム!!」

 夫々、新たな力を発動する。

 その影響で、なのはには淡い桜色の4枚の翼が現われ、フェイトはマントと腰のスカートが無くなりその身に雷を纏っている。


 「遊星、あれがお前の施したデバイスの新たな機能か?」
 「あぁ。彼女達の長所のみを徹底的に強化した状態だ。」
 「む…此れまでとは比べ物にならんか…」

 そしてその力はすぐさま発揮された。

 「全力全壊!ハイペリオン・スマッシャー!!」

 なのはが、ディバインバスターを遥かに上回る攻撃を放ち、

 「アクセル!…スプリットハーケン!!」

 フェイトが目にも止まらない速さで飛び回り、誘導魔力刃を2発放ちながら攻撃してくる。

 「くず鉄のかかし!」
 「烈鋼牙!」

 それを再び防ごうとする遊星とザフィーラだが…

 「なに!?…く…うあぁぁ!」
 遊星:LP8000→1100

 なのはの砲撃はくず鉄のかかしごと遊星のモンスターを全滅させ、ライフを大きく削り取る。

 「ぬ!?消えただと!」
 「遅い、こっち!」
 「何時の間に…がぁぁ!」

 フェイトも打ち返された魔力刃を簡単にかわし、逆にザフィーラを切りつける。

 「く…俺のターン!カードを3枚伏せてターンエンド。」
 ――思った以上に凄まじいな。いや、それ以上に驚くのはあの子達が初めて使う機能を初見で使いこなしている事か。


 自分が思った以上の性能強化がされていることに満足し、更にそれをすぐさま使いこなすなのはとフェイトに遊星は舌を巻いていた。
 ザフィーラも、対峙する2人の少女の戦いのセンスには素直に脱帽していた。


 一方のなのはとフェイトは、漸く与えられた有効打を皮切りに一気に攻める様相を呈していた。

 「このまま一気に押し切る。なのは!」
 「うん、大きいの行こう!」

 此処が攻め時と判断し、2人で考えた合体攻撃を発動する。

 「む…来るか?遊星!」
 「あぁ、攻撃の瞬間に行くぞザフィーラ!」

 遊星とザフィーラもその攻撃に備える。


 「全力全壊!」

 先ずはなのはがバレルフィールドを展開、

 「疾風迅雷!」

 続いてフェイトが、なのはの魔力をバルディッシュの新形態『ザンバーフォーム』の刃に乗せそれを撃ち出す。
 このままでも充分に協力だが、

 「「ブラストシュート!!」」


 止めとばかりに、なのはが『ディバインバスター』、フェイトが『プラズマスマッシャー』を放ち、その力がバレルフィールド内に充満する。


 ダークシンクロモンスターとの戦いに敗れた後、2人で考えに考えて編み出した合体攻撃『ブラストカラミティ』。
 ぶっつけ本番故に荒いが、それでも並の魔導師ならば消し飛んでしまうほどの攻撃が炸裂した。


 ――バガァァァァァン!!!!!


 その余りの衝撃に、アースラ全体がまるで地震に襲われたかのように大きく揺れる。
 幸い、施設内部はエイミィが強度設定を最大にしていたおかげで壊れることは無さそうだが、それでも衝撃が…


 「あ、アースラを沈める気かあの2人は!」

 「てか、遊星とザフィーラは無事なん!?」

 『手加減』と言う言葉を宇宙の彼方に蹴っ飛ばした2人の攻撃にクロノは苦言を呈し、はやては遊星達を心配する。
 幾ら防御が硬いと言っても、今の攻撃を見て無傷とは……まぁ思えないだろう。


 だが…


 「凄い攻撃だな…」

 攻撃によって生じた粉塵が晴れると、


 「クェァァァァァ!」
 スターダスト・ドラゴン:ATK2500


 其処にはスターダスト・ドラゴンと、


 「うむ、今の一撃、申し分ない。」
 鎧の守護獣・ザフィーラ:DEF3100


 その姿を変えたザフィーラが!
 特にザフィーラの姿は先程までとは違う。
 濃い藍色だった服は、鮮やかな真紅となり、屈強な褐色の肌はさながら鋼鉄の鎧のような燻し銀に。


 「な、なんでなんで!?どうしてスターダスト・ドラゴンが?」
 「ザフィーラもパワーアップしてる…一体?」


 「2人の攻撃が放たれる瞬間、俺は3枚のカードを発動してたんだ。
  先ず1枚目、速効魔法『サモンドチューナー』の効果でデッキから『アビス・シンクロン』を特殊召喚し、
  2枚目、トラップカード『緊急同調』で、ザフィーラにアビス・シンクロンをチューニングしてザフィーラを進化させた。
  そして3枚目、トラップカード『スターライト・ロード』。この効果で2人の広域攻撃を防ぎスターダストを召喚したんだ。
  尤も、それでも完全に攻撃を相殺することは出来なかったけどな。」

 「この姿を持ってしても、完全には防ぎきれなかった。今ので未完成とは…恐ろしいな。」

 何が起きたのかを遊星が説明し、ザフィーラは今の攻撃に高い評価を下す。

 「今のでも削りきれなかったなんて…」
 「遊星さんもザフィーラさんも防御力が凄すぎるの…」

 逆になのは達は、遊星とザフィーラの『絶対防御』とも言える、その防御力に心底驚いていた。


 『はいは〜い!其処まで〜〜〜!!!模擬戦終了!これ以上は施設が持ちませ〜〜ん!』


 此処で、エイミィから模擬戦終了のアナウンス。
 如何に壊れなかったとは言え、施設内部の危険水域は先程の合体攻撃でレッドゾーンに達していたのだ。
 このまま続ければ、下手をしたらアースラ諸共破壊しかねないのでレフェリーストップとなったのだ。


 「此処までか。」
 「うむ、良い戦いだった。」

 遊星がデュエルディスクをデバイス状態から通常状態に戻し、同時にザフィーラの姿も元に戻る。

 「引き分けかな?」
 「そうだね。でも、レイジングハート達の能力は分かったの。」

 模擬戦は引き分けだが、デバイスの性能テスト自体は上手く行ったようだ。

 「レイジングハート/バスター、」
 「バルディッシュ・セイヴァー、」

 「「これからもヨロシクね!」」

 「All right.」
 「Yes sir.」

 そしてデバイスとの絆も深まったらしい。







 さて、今の凄まじい模擬戦を観戦していた者達はと言うと…


 「あれを防ぐとは一体どんな防御力だ?いや、それ以上にあそこまでデバイスを強化するなんて、遊星は一体…?」

 「遊星とザフィーラでも防ぎきれへんなんて…凄いなぁなのはちゃんとフェイトちゃん…」

 初めて見る、夫々の力に誇張抜きで度肝を抜かれていた。

 そして、勿論、


 「ど、ドンだけの防御力だあの蟹頭。」
 「アレは私達でも削りきる事は出来ないかもね…」

 リーゼ姉妹の驚きも一入。
 監視していた時に、手先が器用なのは知っていたが、まさか此処までの頭脳と戦う力を有しているとは思っても居なかった。

 「しかし、遊星は全力では無いでしょう。彼の真髄は『ライディングデュエル』でこそ発揮されます。
  D・ホイールに搭乗した場合の遊星の力は、マダマダこんなものではありませんよ。」

 「「「「「「嘘!?」」」」」」


 で、ゴドウィンがさらっと告げたトンでもない事実に遊星の底知れぬ力が知らされた事になるのだった。


















  To Be Continued… 



 *補足



 サモンドチューナー
 速効魔法
 自分のデッキからチューナー1体を選択してフィールド上に特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚したチューナーの効果は無効になり、戦闘では破壊されない。



 ハーフスター
 通常魔法
 自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。
 選択したモンスターのレベルはエンドフェイズまで半分になる(単数切捨て)



 アビス・シンクロン
 レベル3   水属性
 機械族・チューナー
 このカードは手札の水属性モンスターとシンクロ召喚を行える。
 このカードが水属性シンクロモンスターの素材となった時、以下のどちらかを選択して発動できる。
 ●カードを1枚ドローする。
 ●相手の手札を確認し、1枚を選択して墓地へ送る。
 ATK500    DEF800



 鎧の守護獣・ザフィーラ
 レベル6   地属性
 獣戦士族・シンクロ/効果
 「アビス・シンクロン」+「ザフィーラ」
 このカードの属性は「水」としても扱う。
 このカードは戦闘では破壊されず、このカードが存在する場合相手はこのカード以外のモンスターに攻撃出来ない。
 このカードは守備表示のまま攻撃する事が出来る。
 ATK2000    DEF3100



-15-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




魔法少女リリカルなのはStrikerS フェイト・T・ハラオウン 水着Ver. (1/4スケールPVC塗装済み完成品)
新品 \10300
中古 \6700
(参考価格:\12000)