どうも、ガウェインです。唐突に遊戯王の小説が書きたくなったので書かせていただきます。更新は不定期です。(今後どうなるかわかりません。)
ところで…仮面ライダーは好きですか?
PiPiPi PiPiPi
「むぅ・・・まだ眠い…」
目覚まし時計の音に反応してベットから少年が這い出てくる。それとほぼ同時にドアが開き小柄な少女が少年に突撃する。
「起っきろぉ!!!」 ドス!!
「ゴフゥ!!??」
少女の頭突きが少年の鳩尾に突き刺さり、起きかけていた少年は崩れ落ちる。
「遊お兄ちゃん!!何時まで寝てるの??」
「明(アカリ)!お前のせいだよ!」
少年の名前は「天道 遊希」、15歳で本日受験を控える中学生で、少女は遊希の妹の「天道 明」、一つ下の妹である。
「今日はとうとうデュエルアカデミアの実技試験でしょ?キチンとご飯食べて、力つけなきゃ。お母さんも待ってるよ?」
「綺麗にスルーしやがって…分かったからもう少し優しく起こせ。」
「えへへ…じゃ、早く来てね?」
そういって妹が出て行って遊希が着替えだす。
遊希side
俺の名前は「天道 遊希」。ごく普通のデュエリストだ…ごめん、嘘ついた。俺は前世の記憶がある。所謂、転生者って奴だ。いや〜、某人気海賊漫画(ワン〇ース)で「人が想像するのは現実に起こり得ることだ」なんて言ってたけどまさか自分が転生なんて経験するとは思わなかったな。しかも、前世と同じ名前…いや、前世は「天道 有希」有の字が遊に変わってたのはショックだよ…だって遊戯王の世界だよ?名前に遊の字があるって絶対に厄介ごとに巻き込まれるフラグだよ…ま、それはどうでもいい。(え!?)
天の道を行き、希望を有する者。それが両親が付けてくれた意味。気に入っていたのに…
さて、誰にしていたかわからない説明を一通り終えたところで着替え終わり家族が待つリビングに行く。
「おはよう、母さん。」
「あらおはよう、遊希。」
「遊お兄ちゃんおはよう!」
「お前にはさっきした気がする。ま、一応おはよう。そして頂きます。」
「おいおい、父さんにあいさつは無いのか?」
「…父さん…何時から居たの?」
「酷い!?」
「冗談だって。おはよう。」
異常に若く見える母、元気いっぱいの妹、いじられキャラの父、何時もの光景。しかし今日は少々特別だ。
今日の実技試験を受かればデュエルアカデミアに合格、即ち、寮生活だ。合格発表は試験後、1時間で行われ、翌日にアカデミア行きの船に乗る。今日合格すれば現地で一泊してそのまま向かう予定だから暫く会えなくなるわけだ。
「じゃ、行ってくる。」
「気を付けてね?」
「うん、大丈夫だって。合格してくるから。」
家族に挨拶してから家を出る。目指すは海馬コーポレーションが所有する海馬ランド。駅で電車に乗り、ユラリユラリと揺られながら暫くすると目的地に着く。のんびりしていたせいか遅刻間近なので急いで「青眼の白龍」の頭部を模したドーム…「ブルーアイズドーム」に向かい試験の手続きを済ませ、順番を待つ。俺の受験番号は7番、筆記試験は原作効果とかで間違えた以外はほぼ正解したと思う。
『受験番号110番 遊城 十代君 二番フィールドへどうぞ』
アナウンスが流れる。ん?何で7番の俺がまだなのに遅刻したはずの十代が先にやるかって?簡単に説明するとこの世界はどうやらアニメとは違う点があるようで、到着時間が早いものから試験を行うらしい。そして十代の後に一人やってきて、そのあとに俺が来た、という訳だ。
『受験番号40番 神代 闘士君 三番フィールドへどうぞ』
む?原作では聞いたことがない名前だ。まあ、俺も全部把握している訳じゃないし、知らなくてもたいした問題じゃないか。
「行っっけぇ!!スカイスクレイパーシュート!!」
「ペペロンチーノォ!?」
お、やっぱり主人公が勝ったか。順番通りなら次は俺の番だし準備しておくか。
『受験番号7番 天道 遊希君 二番フィールドへどうぞ』
じゃ、行きますか。
「アナタノ相手はワタクシ、『クロノス・デ・メディチ』デスーノ!!」
「天道 遊希です。」
お互い名乗りディスクにデッキをセットしようとした時に横から信じられない言葉が聞こえてきた。
「行くぞ!!俺は手札の『バイス・ドラゴン』特殊召喚!」
それだけならばよかった。この時代にもバイス・ドラゴンってあるのか、だけで済んだ。しかし…
「さらに、手札からチューナーモンスター、『フレア・リゾネーター』を召喚!!」
ここまで聞いて俺は思った。この世界はもうシンクロ召喚があるのか、と。そう思って俺はセットしようとしたデッキをしまい俺の本来のデッキ…シンクロデッキをセットする。
「クロノス先生、はじめましょう!」
「フン、受験番号7番ナラーバ、汚名返上ニハ充分ナノーネ。」
汚名返上って…思うのはいいけど口に出すのはどうかと…
「先行は…俺か。ドロー!」
この世界は先攻後攻はディスクのルーレットによって決まる。原作ほど理不尽な早い者勝ちではない仕様だ。
初手…
ジャンク・サーバント
戦士の生還
光の援軍
リビングデットの呼び声
スキルサクセサー
調律
の六枚。さて、とりあえず調律でサーチして…と、そんなことを考えていたら隣のフィールドで変化が起きようとしていた。
「レベル5の『バイス・ドラゴン』にレベル3の『フレア・リゾネーター』をチューニング!王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!!シンクロ召喚、我が魂…『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!!」
「シンクロ召喚!?なんだそれは!?」
え?何?シンクロ召喚を知らない?…えっと?つまりあの男は(恐らく)俺と同じ転生者で、シンクロモンスターをもっている。しかし此処はGXの世界だからシンクロは無い、と。……ダメじゃん!?俺どうやって勝の!?
「シニョール遊希?ドウナサイマシタか?」
「いえ…隣のモンスターは初めて見たので…つい。」
「確か〜に、シンクロ召喚ナンテものは初めてミマ〜シタガ、今は試験中デスーノ。」
おいおい・・・どうしよう。とりあえず…
「魔法カード、『光の援軍』を発動!コストでデッキトップを三枚墓地に送る。その後、『ライトロード』と名のついたレベル4以下のモンスターを手札に加える。」
墓地に落ちたのは…『ボルト・ヘッジホッグ』、『ドッペル・ウォリアー』、『クリッター』
シンクロしていいなら良い落ちだけど…シンクロしたら絶対に面倒になる。つまり…
「ハズレか…デッキから『ライトロード・マジシャン ライラ』を手札に加え、そのまま召喚!」
ライロってGX時代からあったからセーフだよな?スキルサクセサーはアレだけど…地味だし大丈夫…だよね?
「さらにカードを二枚セットして…ターンエンドだ。そしてエンドフェイズに『ライトロード・マジシャン ライラ』の効果を発動する。デッキトップを3枚墓地に送る。」
落ちたのは…『死者蘇生』、『ゾンビ・キャリア』、『レベル・スティーラー』。おい!何でこんな時に限って最高の落ちなんだよ!?心の中で叫びながらリビングデットとスキルサクセサーをセットしてエンドする。
場 LP4000
ライラ
魔法・罠
伏せカード×2
「ワタクシのターンです、ドロー」
クロノス先生がやたらと使いずらそうなディスクからドローする。さて、何が来る?さすがにいきなり『古代の機械巨人』なんて…
「ワタクシはカードを1枚セットし、マジックカード『大嵐』を発動するノーネ!」
ちょ!え!?
「くっ!?チェーンして罠カード発動!『リビングデットの呼び声』!更にチェーンして罠カード発動!『スキルサクセサー』!効果によって『ライトロード・マジシャン ライラ』の攻撃力を400ポイントアップする!」
ライラ atk1700→2100
「さらにリビングデットの効果で墓地から『クリッター』を復活させる!」
「『大嵐』の効果にヨッテ、リビングデットと、ワタクシの伏せカード、『黄金の蛇神像』が破壊され、効果が発動シマース!」
「だがリビングデットが破壊されることによって『クリッター』も破壊され効果が発動する!俺は攻撃力1500以下のモンスター…『ライトロード・ハンター ライコウ』を手札に加える!」
「ワタクシのフィールドに蛇神像の効果にヨッテ、『蛇神トークン』が特殊召喚サレマース!」
良し、一体なら出てくるのは『古代の機械獣』か『古代の機械合成獣」、「古代の機械工兵」のどれか。そこまで脅威じゃない。「さらに、「デビルズ・サンクチュアリ」を発動するノーネ!」
はい!?
「効果によって、ワタクシのフィールドに『メタルデビル・トークン』が特殊召喚サレマース!そして、2体のトークンを生け贄に…」
ちょっとぉ・・・
「『古代の機械巨人』を召喚シマース!!」 atk3000
先生の場に巨大な機械でできた巨人が出現する。これって…ピンチ…だよね?
「『古代の機械巨人』で『ライトロード・マジシャン ライラ』を攻撃シマース、≪アルティメット・パウンド≫!!」
スキルサクセサーによってパワーアップしたライラも機械巨人の前には敵わず破壊され俺にダメージが入る。
「痛ぅぅ!?」 LP4000→3100
映像のはずなのに衝撃が来たように錯覚するほどの迫力、確かにこれはハマるな!
「ワタクシはこれでターン終了デース。」
場 LP4000
機械巨人
魔法・罠
無し
「俺のターン、ドロー!」
頼む、俺のデッキ。何か起死回生のカードを…その時、何かの声が聞こえた。
…私の力を…使って下さい…
「え?」
なんだ?今の…
「ドウナサイマシタか?」
「い、いえ。何でもありません。」
俺の気のせいか?
まあいいか。ドローカードは・・・
『おろかな埋葬』
「なんでだよ…」
シンクロができない状況のシンクロデッキでは意味がないこのカード、どうすれば…もういっその事諦めてシンクロしようかな…ペガサスならわかってくれそうだし…ん?
「待てよ…」
自分のデッキを思い出す。今まで何を何枚使った?どの場所に何が何枚ある?…そして俺はこの状況を巻き返して、勝利でき、この時代にもある切り札がデッキに眠っていることを思い出した。
「…とある人が言っていた言葉だ…」
「急にドウシタノーネ?」
「俺が望みさえすれば…運命は絶えず俺に味方する!!」
おろかな埋葬…この状況で引くとは、本当に奇跡的だよ。
「俺は魔法カード『おろかな埋葬』を発動し、デッキからモンスターを1体墓地に送る!」
「そんな事してドウスルノーネ?」
先生も意味が理解できないようだ。周りの観客からも、‘終わったな’なんて聞こえる。
「さらに手札から魔法カード『戦士の生還』を発動!墓地の戦士族を1体手札に加える!そして…」
さて、俺の勝利の切り札の登場だ…
「墓地から光属性の『ライトロード・マジシャン ライラ』と、闇属性の『クリッター』を除外し…来い!『カオスソルジャー−開闢の使者−』!!」
「な、ナンデスゥートォ!!????」
‘馬鹿な!?’‘あれは伝説の超レアカード!!’‘何であんな奴が!?’
周りがざわめいている。開闢の使者…確かにこのカードは元の世界でも強力な超高額のレアカードだし、この世界ではなおさら驚いて当然だろう。…うん?
今、一瞬…こいつと目があった?いや、馬鹿な…実際今は普通に前を向いて戦闘態勢をとっているし…見間違いだよな。
「し、シカーシ、いかに「カオスソルジャー」とは言え攻撃力は『古代の機械巨人』と同じ。突破はデキマセーン!」
開闢のモンスター効果は知らないのか?まあ、伝説のレアカードで、武藤遊戯が使ったから名前は有名でも実際に見たことがある人は少ないだろうし…仕方ないのか?
「俺は墓地の罠カード『スキルサクセサー』の効果を発動!このカードを除外し、モンスター一体の攻撃力を800ポイントアップする!」
開闢 3000→3800
「攻撃力がワタクシの『古代の機械巨人』を上回った!?」
「行け!!≪カオス・ブレード≫!!」
開闢が切りかかり巨人が受け止める。そして、一瞬の拮抗の後切り裂かれる巨人。
クロノス LP4000→3200
「ま、まだデスーノ!まだ、ワタクシのライフは残ってマース!!」
「いや、終わりですよ、先生。」
そう、開闢の使者の効果…
「な、何故もう攻撃した「カオス・ソルジャー」が…?」
「『カオスソルジャー‐開闢の使者‐』は相手モンスターを破壊したとき、1ターンに一度、追加攻撃を行うことができる!!」
先生の目が軽く死んだ。そして…
「行くぞ!!追加攻撃、≪開闢双破斬≫!!」
クロノス LP 3200→−600
ディスクからブザーが鳴り俺の勝利を示す。
「先生、俺の勝ちです。」
「み、見事ナノーネ…後の合格発表を楽しみにしておくノーネ…」
先生なんかすごいしんどそうだったけど大丈夫か?
因みに試験結果は合格だった。
どうも、ガウェインです。クロノスの口調が書きずらいです。感想宜しくお願いします。