小説『遊戯王の世界にやってきました』
作者:ガウェイン()

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どうも、お久しぶりです。今回はデュエルなしですがご容赦下さい。




遊希は今、船の上にいる。デュエルアカデミア行きの船だ。何をしているかと言うと…

「ぉえ…気持ち悪い…」

船酔いでダウンしていた。そんな遊希に駆け寄る一人の生徒

「おい!試験の時にあの伝説のレアカード『カオスソルジャー』を使ってたのってお前だよな!!俺とデュエルしようぜ!」

その生徒にしんどい思いをしながらも答えようとする遊希

「悪いが…今俺は気分が悪い。…島について、回復したらにしてくれ…うっ…」

「そっか・・・じゃ、また後でな!」

遊希side

クソ…以前(前世)じゃ船酔いなんてしなかったのに…こんなに辛いとは思わなかった…ああ、名前も知らない嘗てのクラスメイトAよ、今はお前の気持ちがよく分かるよ…

『間もなくデュエルアカデミアに到着します。皆さん、準備をお願いします。』

お?漸く到着か。そう思ったら少しだけ楽になってきた。

「デッキ良し、私物良し、うん。問題なしっと。」

どうやらあの神代とか言う奴が特別だっただけでこの世界にシンクロモンスターは本来存在しないらしいので、昨日のうちにデッキを改造してとりあえず問題ないデッキにしてきたし、大丈夫だろう。

さて、楽しいアカデミア生活の始まりだ!


「…よって、本日から諸君たちは栄えあるデュエルアカデミアの…」

長い。何処でも校長先生の話が長いのは同じなんだな。?うわ、立ったまま寝てる奴もいるし…

「では、これにて挨拶を終了します。」

その言葉を合図に生徒たちは来ている服ごとに分かれる。因みに俺はオシリスレッドの赤い服だ。

さて、やってきましたレッド寮。他の寮と比べると派手ではないがアニメで見たほど酷くはない。

「俺は…この部屋だな。」

何やら本来は二人若しくは三人で一部屋らしいのだが俺は人数の関係で一人の様だ。ま、一応シンクロモンスターは持ち込んでいるので都合がいい。

「よう!俺は遊城十代だ。隣りなんだし、仲良くやろうぜ!」

「アニキ、もっと普通に挨拶するべきっすよ。」

いきなり横から声が聞こえる。振り向くとアニメの主人公の十代とその弟分の丸藤 翔がいた。

「ああ、俺は天道遊希だ。宜しくな。」

「僕は丸藤 翔っす。宜しく。」

自己紹介したところで十代が喋る

「おう!そういえば遊希、船酔いはもう大丈夫なのか?」

え?…おお!なんて偶然だ。

「あの時の奴か!今は大丈夫だ、問題ない。」

イーノ〇クではない。(作者)

「そっか、これから一緒に校内探検に行かないか?」

まだ荷物を運んだだけで掃除もできていないが…まあ良いか。

「良いぞ。俺としても後で行く予定だったしな。」

「良し!じゃあ、遊希!翔!レッツゴー!!」

「おい!いきなり走るな!」

楽しくなりそうだな。

遊希side out

十代達が走り去った後の遊希の部屋に一人の人影があった。

???side

「ここが部屋か…」

これからどうなるか…今までとは違った日々…

「フフ…少々楽しみ…かな。」

しかし…

「あの少年はハネクリボーを連れていたな。興味深い。」

ぐぅ〜

「…お腹すいたな…」

しかし勝手に食料に手を付ける訳にはいかないし…

「いつごろ戻ってくるか…」

???side out

「あそこを見ろ!アレこそがこのリングが我らオベリスクブルーの専用であるという証だ!」

「良いじゃんかよ!デュエルするくらい。」

「まて、十代。こういうのは関わらないほうが良い。面倒だ。」

場所はアカデミア内部のデュエルリング。遊希達三人は校内探索していたところ、十代が「デュエルの匂いだ!」などと言い出してたどり着いたのがオベリスクブルーの専用デュエルリングだったのだ。

「なら、アンタが俺とデュエルしてくれよ!それなら問題ないだろ?」

「ふん!『エリートのブルー』と『落ちこぼれのレッド』が?馬鹿なことを…」

「おい?こいつら入試でクロノス教諭を倒した二人じゃないか?!」

「なに!?」

「十代、俺まで目を付けられたぞ?」

そんな風に騒がしくしているとブルーの制服を着た一人の生徒が歩いてきた。

「オシリスレッドが三人もこんな所で何をしている!?」

「「万丈目さん!」」

「なあ、遊希。」ヒソヒソ

「なんだ、十代」ヒソヒソ

「あいつ誰だ?」ヒソヒソ

十代と遊希は聞かれないためだろうか、小さい声で話す。が、…

「お前たち!万丈目さんをしらないのか!?」

「中等部からの生え抜き、未来のデュエルキングと名高い人だぞ!!」

デュエルキング、その言葉に十代が反応する。

「それはおかしいな。デュエルキングってことはこの学園で一番ってことだろ?なら一番は俺だから間違ってるさ。」

「なんだと!?」

起こった様子のブルー生徒が何か言おうとする前に遊希が声を出す。

「十代、その言い分はどうかと思うぞ?」

「ほう?そっちの方は解って…」

「いいか十代。まず、この学園にはカイザーと呼ばれる程圧倒的な実力をもつ丸藤 亮がいる。そして…」

そこで一息ついて徐に遊希が喋りだす。

「その上に俺がいる。一番を名乗りたければ俺に勝て。そうすれば一番と認めてやろう。」

「へ!言うじゃねえか!遊希!良いぜ、此処で勝負を…」

そのまま勝負となりかけたところで万丈目が声を出す。

「ビークワイエット!!貴様…思い上がりも甚だしいぞ!カイザーの上にいるだと?」

「なんだ?試してみるか?」

一触即発。まさにその言葉がぴったり合う。しかしその時、別の声が飛ぶ。

「あなた達、何をしているの!?」

その場に居た全員が声の方向に振り向く。そこにはオベリスクブルーの制服を着た金髪の美女がいた。

「やあ、天上院君。そこの礼儀知らずのレッドたちにちょっと礼儀を教えようかと思ってね。」

「もうすぐ歓迎会が始まるのよ。早く戻った方がいいわ。」

「…行くぞ」

「あ、待ってくださいよ万丈目さん。」

万丈目は取り巻きを連れて去って行った。

「私は天上院 明日香。ブルーにはああいうのも多いから気を付けたほうが良いわ。」

「俺は遊城十代。デュエルを挑まれちゃ受けない手はないぜ!!」

「僕は丸藤 翔っす。宜しくっす。」

「俺は…「天道遊希、よね?」…何で知ってるんだ?」

遊希は名乗ってもいないのに名前を知られていることに驚く。

「あの伝説のレアカード、『カオスソルジャー』を使っていたんだもの。あの会場にいてあなたを覚えていない人は恐らくいないわ。」

「(厳密には開闢の使者なんだけど…)…あんまり目立つのは好きじゃないんだけど…」

「万丈目君にあんなこと言っておいてよく言うわね。」

「嘘は言ってない。少なくとも俺はあの万丈目ってやつよりは強いよ。」

「フフ…ま、どうにしろ歓迎会に出ないと今日の夕食が食べられないわよ?」

夕食抜き、その言葉が十代と遊希の頭に過る。

「急ぐぞ!十代!」

「おう!翔、早く戻るぞ!」

「あ、まってよ〜。」

その後三人は何とか歓迎会に間に合い夕食を食べれた。

遊希side
おかしい。今俺は一人でこの部屋を使っている。にもかかわらず、ドアを開けたら人影があった。いや、それだけなら最悪泥棒で済んだ。しかし…

「こうして会話するのは初めてですね。」

今俺の前にいるのは若干身長は低いものの…

「私はカオスソルジャー…開闢の使者と呼ばれるもの…」

そう。所々に金の装飾が付いた青い鎧を着た俺の切り札である『カオスソルジャー-開闢の使者-』だった。

「私は貴方を主とし、ともに戦うことを誓う。ここに契約は完了した…」

そういうとカオスソルジャーは立ち上がり、こちらに歩み寄ろうとし…

ガッ!!ばたん!からから・・・

「痛っ!?」

まだ片づけていなかった荷物に躓いて転んだ。盛大に。その衝撃で被っていた頭部の鎧もとれ、美しい銀髪が露わになる。

「…あ〜、大丈夫か?」

「……ぅ…グズ…ふぇ…ぁぁ…」

泣き出した!?伝説の剣闘士じゃなかったの!?

「折角初めてのご主人様との会話なんだから格好良くしたかったのに…やっぱり私はダメな精霊なんだ…クスン…」

え〜?俺のイメージが…崩れていく…銀髪美女で泣き虫?誰得だよ?あ、俺得か。

「やり直し!!やり直しです!!ご主人様!もう一度入ってきてください!!」

「あ、ああ。」

結局また外に出る俺。って言うかやることが分かってるのにまたって、茶番以外の何物でもないぞ。

「良いですよ〜」

ガチャ。ドアを開けるとそこには鎧をまとった剣士…ではなく…

「いつもニコニコ、あなたの為に戦う混沌!」

何処から取り出したのやら普通の服を着て、どこぞのライダーのようなポーズをとった…

「カオスソルジャーです!!」

まるで星が輝いているようなウィンクをパチ!っと決めた先ほどの少女がいた。

「………」
「………」
「………」
「…ダメ…でしたか?」

「い、いや、俺としては親しみやすくていいぞ?って言うか精霊?」

「本当ですか!?ありがとうございますご主人様!!」

おおう!笑顔が眩しいぜ!

「精霊の事はご存じですよね。」

「ああ、一応な。俺が気になっているのはどうやって実体化しているのかってことで…」

「ご主人様、私は曲がりなりにもデュエルモンスターズ史上最強と言われるモンスターの精霊ですよ?実体化するくらいは簡単です!」

ああ、そういえばブラックマジシャンガールも実体化してる時があったな…いやそれより…

「じゃあさ…」

「はい!」

「部屋、片付けるか…」

さっき転んだ時に散らかったものを片付け始めた。


と、いう訳で???の正体は開闢ちゃんでした。次回万丈目とのデュエルです。


-2-
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