お久しぶりです。社会人の時間の無さをなめてました。まさかここまで感覚が空くとは…今回は例のあの方の登場です。今日と明日は緒事情によりお休みです。
「雪乃、やっぱり帰った方がいいんじゃないか?」
「な、何を言っているのかしら?まさか私が怖がってるとでもいうの?」
いま俺は以前使われていたという廃寮に来ている。メンバーは俺、十代、翔、隼人、雪乃だ。何でこんな所にいるのか説明するには少し時間を遡る必要がある。
三十分ほど前
場所は俺の部屋。そして俺と雪乃と(精霊化しているため雪乃には見えないが)レンが居る。話を聞いたところデッキ改良に行き詰った為俺の意見を聞きたいらしい。
「やっぱ儀式モンスターの強みは単体が強力ってのもあるけど儀式魔人によるサポートが強いと思うんだよ。前に戦った時もリリーサーの効果で相当きつかったしな。墓地から使えれば手札の消費が少なくなるところも見逃せない。」
「私もそれは解るけど…効率よく墓地に送れるカードって遊希が使ってるライトロード位でしょ?それだと肝心な儀式モンスターまで墓地に行ってしまうのよ。」
実はこの世界にもライトロードは元から存在してる。しかも比較的安価で。しかしこの世界にはまだ墓地肥やしの概念が非常に薄い為墓地送りの効果がネタ扱いされていて弱いと言われてる。(だから天使の施し何かも弱くはないけど捨てるのは…って意見が多いらしい。…解せん。)と言っても裁きの龍は相当なレアカードらしいのでライトロードは知ってても裁きの龍は知らない人も少なくない…って言うか多い。おっと、話がそれた。
「いや、そうでもないぞ?えっと…あった。こんなカードもある。」
俺がボックスから取り出したのは二枚のカード。
「『終末の騎士』に『ダーク・グレファー』?初めて見るカードね。」
そう言って雪乃がテキストに目を通すと表情が変わった。
「なによこのカードは?普通は使えないような効果だけど私が今まさに求めてる効果じゃないの!」
「普通は使えないって言ってもデッキによってはエースにも、エースを補助するカードにもなり得る。実際俺のエースの『カオス・ソルジャー ‐開闢の使者‐』だっていくら強力でも光と闇が入ってないデッキには入らないしな。」
『たとえデッキに入っていなくても私はご主人様の近くにいますよ〜』
コイツ…カードから離れても活動出来るんだろうか…?
そうして雪乃にいくらかアドバイスをしながらデッキの改造が粗方終わったところでアイツが来たんだ。
「お〜い遊希!一緒に肝試しに行かないか?」
バタン!
「十代、ドアを開けるときはノック位するべきだと俺は思うんだ。」
「私も同感ね。」
「ん?お前は確か…藤原だったっけ?お前も一緒に来るか?」
おい十代、俺が行くことは確定なのか?ほら雪乃だって若干震えて…え?
「あ〜…雪乃?別に来なくてもいいんだぞ?」
「な、何を言ってるのかしら?まるで私が怖がってるみたいな言い方じゃないの。」
めっちゃ怖がってるじゃん。肩が震えてるぞ?
「よっしゃあ!そうと決まれば早速行こうぜ!」
十代は話を聞いてないのか!?今のやり取りで何で行くことになるんだよ!?
胸中そんなことを叫びつつ結局行く羽目になった。
そして現在
「千年アイテムは全部で七つあったらしいな。」
「アニキ〜もう帰りたいッスよ〜。」
「ど、同感なんだな…」
十代が壁に描かれていた研究らしき物を読んで一人納得しながら進んでいき、翔と隼人は怖がりながらもついていく。って言うか実は十代って頭いいんだろうか?俺でもこんな資料だけじゃよく分からないのに…と考えていた時
「きゃぁぁぁ!!」
悲鳴が聞こえてきた。
「なんだ!?」
「あっちの方から聞こえてきたぞ!」
「遊希!?待ちなさい!」
俺と十代、そして雪乃が声が聞こえてきた方に走りだし、翔と隼人がおってきた。そして十代があるものを見つける。
「明日香の『サイバー・ブレイダー』だ。」
「ってことはさっきの悲鳴は明日香の?」
って言うか十代、何故それの持ち主が明日香だと断定できる?と俺が思った瞬間何とも聞き覚えのある、しかし初めて実際に聞く声が響いた。
「貴ぃ様が遊戯 十代かぁ?」
「だれだ!?」
「我ぁが名はタイタン、闇のデュエリストなぁり。先ほどの悲鳴の少女は預かっているぅ。かぁえして欲しければぁ私とのデュエルに勝利せよぉ!」
わ…
「『(若本だと!?(ですって!?)』」
俺とレンが驚いている間に十代がディスクを起動してデュエルを開始した。
「私のターン、ドォロゥ!私はフィールド魔法『万魔殿−悪魔の巣窟−』を発動…そして手札から『ジェネラルデーモン』をぉ召喚するぅ。」
若も…タイタンがカードを置くと周りの様子が変わり、一体の悪魔が現れる。
フィールド魔法
「デーモン」という名のついたモンスターはスタンバイフェイズにライフを払わなくてよい。
戦闘以外で「デーモン」という名のついたモンスターカードが破壊されて墓地へ送られた時、
そのカードのレベル未満の「デーモン」という名のついたモンスターカードを
デッキから1枚選択して手札に加える事ができる。
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻2100/守 万魔殿−悪魔の巣窟−800
このカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。
デッキから「万魔殿−悪魔の巣窟−」1枚を手札に加える。
また、フィールド上に「万魔殿−悪魔の巣窟−」が存在しない場合、
このカードを破壊する。
「先行は攻撃でぇきない。よってぇ、カードを一枚伏せぇターンエンドだぁ。」
タイタン(若本)LP4000 手札3枚
場 ジェネラルデーモン
伏せ 1枚
十代にターンが移る
「俺のターン!俺は手札から『融合』を発動して手札の『E・HERO スパークマン』と『E・HERO クレイマン』を融合し、『E・HERO サンダー・ジャイアント』を召喚して効果を発動するぜ!融合召喚時、このモンスター以下の攻撃力のモンスターを破壊する!『ヴェイパー・スパーク!』」
って原作効果かよ!俺が心の中で突っ込みを入れている間にジェネラルデーモンが破壊される。が…
「こぉの瞬間、『万魔殿−悪魔の巣窟−』の効果によりぃ、デッキから『シャドウナイトデーモン』を手ぇ札に加えるぅ。」
†
効果モンスター
星4/風属性/悪魔族/攻2000/守1600
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に
900ライフポイントを払う。
このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、
その処理を行う時にサイコロを1回振る。
3が出た場合、その効果を無効にし破壊する。
このカードが相手プレイヤーに与えるダメージは半分になる。
「だがこれでお前のフィールドはがら空きだぜ!いっけぇ!『ボルティック・サンダー』!」
「ク…ぬぅ…」
タイタン(若本) LP4000→1600
「俺はこれでターンエンドだ!」
十代 LP4000 手札3枚
場 サンダー・ジャイアント
「私のターン…ドォロゥ!」
若本(タイタン)手札 4枚→5枚
「手ぇ札より『シャドウナイトデーモン』を召喚しぃ『デーモンの斧』をぉ装備するぅ!」
シャドウナイトデーモン atk2000→3000
「攻撃力が俺のHIROを上回った!?」
「ふぅははは!ゆけぇい!サンダー・ジャイアントを破壊せよ!」
ナイトデーモンの攻撃によってサンダー・ジャイアントが破壊され十代のライフが減る。
十代LP4000→3700
「さあぁ闇のゲームの始まりだぁ!」
そう言ってタイタンが取り出したのは…
「千年パズルだと!?」
十代が叫んだとおり、金色の逆三角錐…デュエルキング、武藤遊戯が付けていた千年パズルだ。そしてパズルが光を放つと十代とタイタン
の身体の一部が消えだした。
「あ…アニキの身体が…」
「消えてるんだな…」
『ご主人様!アレはどうなってるんですか!?』
「遊希、アレはどうなっているの!?」
雪乃とレンが同時に同じことを聞いてきた。こいつら何気に気が合うんじゃないか?
「分からん。だが闇のデュエルとやらが本当ならやばいかもしれんな。(って言うか何か思い出しそうなんだが…何だったかな?)」
なんでこんな時の事を覚えてないんだ俺は…GXはもうかなり昔だから仕方ないかもしれんが…
「ふぁはは!消えゆく身体に恐ぉ怖するがぁいい!私はカードを一枚伏せぇ、タァンエンドだぁ!」
タイタン(若本) LP 1600 手札2枚
場 シャドウナイトデーモン
魔法・罠 伏せ×2 デーモンの斧
「俺のターン…ドロー!」 十代 手札4枚
「手札から魔法カード『融合回収』を発動して墓地から融合とスパークマンを手札に加える。」
此処で『融合回収』か。やっぱアイツ引きがオカシイな。
「魔法カード『融合』を発動!手札のスパークマンとエッジマンを融合して、現れろ!『E・HERO プラズマヴァイスマン』!」
よし!プラズマヴァイスマンの効果なら攻撃力が高くても無意味。チェスデーモンには耐性があるとはいえナイトデーモンは6分の1の確率。それほど脅威じゃない。
「プラズマヴァイスマンの効果発動!手札1枚をコストに、相手の攻撃表示モンスターを一体破壊する!」
「だぁがこの瞬間『シャドウナイトデーモン』の効果がぁ発動するぅ。出でよ運命のルーレットよぉ!」
タイタンの場に6マスのルーレットが現れる。あれがサイコロの代わりなのか?しかし6分の1がそう都合よく…
「ふぁはは!出た目はぁ3…よって無効だぁ!」
「ついてないぜ…」
都合よく出やがったよ。どうする十代?
「しかぁしチェスデーモンに対して対象をとる効果を使うとは…ぬぁんたる愚かしさぁ!!」
「(シャ…シャ○ル皇帝陛下!?)」
『お、おーるはいるぶ○たにあ!!』
驚いた…まさかいきなりくるとは…レンもついうっかり反応してるし…
「へ!じゃあこれはどうだ?魔法カード『H−ヒートハート』を発動!対象はプラズマヴァイスマンだ!」
プラズマヴァイスマン atk2600→3100
「いっけぇ!『プラズマ・パルサーション』!」
プラズマヴァイスマンの攻撃を受け、シャドウナイトデーモンが破壊される。
若本(タイタン) LP LP1600→1500
「俺はこれでターンエンドだ!」
十代 LP3700 手札0枚
場 プラズマヴァイスマン
伏せ なし
ナイトデーモンは倒したけど…十代の手札はゼロ。これは厳しいか?
「私のターン、ドォロゥ」 タイタン 手札3枚
「ふぁはは!どうやらこぉの勝負は私の勝ちのようだなぁ!手ぇ札より魔法カード『ライトニング・ボルテックス』を発動!手ぇ札を一枚捨てるぅ。」
「俺のHEROが…」
この状況で除去カードを引いたか。だが…勝利宣言?切り札を出す準備が出来たのか?
「さぁらにぃ、伏せカード発動!『リビングデットの呼び声』!この効果によりぃ、今墓地へ送った我が切り札ぁ『迅雷の魔王‐スカル・デーモン』を召喚だぁ!」
タイタンの宣言と共にフィールドに雷が鳴り響き、その中央には屈強な悪魔が経っていた。
「このままバトルだぁ!ゆけぃ『怒髪天衝撃』!」
「うわぁぁ!!」
十代 LP3700→1200
十代にデーモンから放たれた雷が直撃し、ライフが大幅に削られる。そしてライフが削られると同時に十代の身体も消えていく。
「あぁ!今度は右肩が!?」
「いや!アレは左肩なんだな!」
「何言ってるのよ、お腹じゃない!」
…ん?
「因みに俺には右膝が消えたように見えるんだが…」
『私は左の太ももです。』
「どういうことだ?全員見えてる部分が違う?」
「…なるほど、そういう事か!」
「十代?分かったのか!?」
俺の問に十代が自信ありげに答える。
「多分アイツはマジシャンか何かで、俺たちは全員あの千年パズルから出て光で催眠か何かにかかってたのさ。でも距離も個人差もあるから全員違う場所が消えたように見えたんだ!闇のゲームなんて最初から嘘だったんだ!」
十代って本当に座学最低クラスの馬鹿なのか?スッゲェ頭よさそうに見えるんだけど。
「ち、違う!私は本当に闇のデュエリストだぁ!」
焦りながら言いつくろうタイタンに対して俺はつい疑問を口にしてしまった。
「いい年して闇のデュエリストとか…アンタ一体何歳だよ?」
「……十万とぉ24歳だ。」
「『(デ○モン閣下!?)』」
デーモンデッキだからか!?
「本当に闇のデュエリストならこの問題が解る筈だ!千年アイテムは全部で幾つある?」
「…くぅ…」
「分からないのか?」
十代の問にタイタンが間をおいて答える。
「な…七つだぁ。」
十代がそれを聞いて顔を顰めるよりも先に俺が声を出す。
「おかしいな?俺の記憶が確かなら八つの筈だが…」
「…おっとぉ、そうだったぁ。私としたことが歳のせいか間違ってしまったわぁ。正解は八つぅ!どうだぁこれで私が本物のぉ…」
「因みに、正解は七つだ。こんな簡単な誘導に引っかかるなんてやっぱり闇のデュエリストってのは嘘っぽいな。」
「ええいこれを見ろぉ!」
タイタンが千年パズル擬きを掲げそこから光が発せられる。が…
「させるかっての。」
俺が走り、千年パズル擬きをタイタンから奪い、床に叩きつける。案の定、表面が割れて、中から機械が出てきた。
「遊希、ナイスだぜ!」
「ああ、で?コイツどうする?」
入口付近には翔たちが居て、背後には俺、正面には十代。逃げ場はない。
「…ん?」
千年パズル擬きをたたきつけた床から黒い煙のようなものが噴き出ていた。
「おい、タイタンとやら。これはなんだ?」
「な、なんだこれはぁ!?私はこんな煙の仕掛けなどぉしてはいないぞぉ!」
ヤバそうだな…
「タイタン!明日香は何処だ!?」
「そ、そこの棺桶の中で眠っているぅ。」
明日香を急いで背負い十代達に言う。
「みんなすぐにここから離れるぞ!」
「どういう事だよ遊希!?」
「分からんがとにかく嫌な予感がする!翔、隼人、雪乃も!急げ!」
煙はまるで意志を持っているように逃げる俺たちを追ってきた。そして俺たちより煙の方が早い。
「このままじゃ追いつかれるぞ!?」
「これでも全速だ!」
俺は明日香を背負っているからそこまで速く走れない。そして、俺が煙が俺の背後に迫ってきたとき…
「クリクリ〜!!」
「「ハネクリボー!?」」
ハネクリボーが威嚇でもしたのか煙が少し退く。って今やけにリアルに鳴き声が聞こえたような…
「アニキ!遊希君早くってハネクリボー!?」
「ほ、本物なんだな!?」
「なんでモンスターが…?」
上から翔、隼人、雪乃の順番。って…
「お前たちにも見えるのか?」
「何言ってるのよ…あんなにはっきり見えてるじゃないの。」
精霊が実体化して、あの煙に威嚇出来てる…?ってことは…
「レン!」
「はいはいお呼びですかご主人様〜ってあれ?何で意識してないのに実体化出来てるんですか?」
予想通りレンも実体化している…なら
「遊希?その子は…?」
「あのハネクリボーみたいな感じだ。レン、悪いがあの煙の足止めを頼むぞ!」
「ご主人様の頼みです。喜んでお受けしますよ!プットオン!」
レンがそう叫ぶと身体が光り、一瞬で鎧を着た姿となった。
「お、女の子がカオス・ソルジャーになったッス…」
「ど、どうなってるんだな?」
「後で説明してやる!今は逃げるぞ!」
そのまま俺たちは廃寮を走り抜けた。
あまりにも長い為ここでくぎります。因みにプットオンは「仮面ライダーカブト」がライダーフォームからマスクドフォームになる際の言葉です。やはり若本語は書きづらいです(因みに作者が一番好きな若本キャラクターはハイマックス(ロックマンX6)です。すっげぇマイナーですけど。)どうすれば文字で表現できるんだろうと考えた結果こうなりました。今回のデュエルの決着は次回つきます。楽しみにしててください。
今回遊戯王の方はあまりに久しぶりすぎて最初の方はうっかり遊希のことを司と書いてしまう始末…重症かもしれないな…やりたいこととかは色々考えているんですけどそこに持っていくまでの展開がなかなか思いつかないorz いやね?カイザーの卒業デュエルとか、カミューラ戦のデュエル内容とかは色々考えてるんですよ。遊希がいつシンクロモンスターを使うかももう決定してるんですよ。ただそこまでの道のりが思いつかない+時間がない…
あ、前回の間違いさがし分かった方いますでしょうか?正解は万丈目が思い出のブランコを発動したとき墓地からではなく基地からって言っていたんです。ユニオンだからなんか違和感がないなって思って。
感想、ご指摘宜しくお願いします。まともな感想が来ると作者は本気と書いてマジと読むほど嬉しくなります。