小説『東方羅刹記』
作者:unworld()

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『厄災の神様は戦闘狂(バトルジャンキー)らしい』

はい、どうも月夜だ。

今、俺は禍角の策略によってほぼ異空間となった町を全力で駆け抜けている。
あの後、凄まじい速度で空間が広がり俺らがいた町まで浸食され、父さんがつく頃には東京24区が浸食されていた。
うん、困るんだよなぁ…

そして、なぜ俺が全力で駆け抜けているかといえば理由は一つ。

「おら!無角のぉ!勝負しようぜぇ!」
「だまれ!この戦闘狂!」

俺の後ろから人間じゃありえない速度で向かってくる、厄災神のせいである。
この厄災神…

いわゆる…戦闘狂…バトルジャンキーというやつだ。


昨日

俺達は何隊かにわけて人の捜索を始めたというより避難だ。
しかし、その中にメリーさん達の姿が見えなかった。
色々なところをみたがやはり見当たらなかったんだが…

一度家に帰ると兄さんがメールを見せてきた。

サンタ「おい、月夜!」
月夜「なんだよ。とりあえずこっち見ろよ。」
サンタ「お前が幽霊で見えねぇんだよ!
いいかげんにしろよ!」
月夜「好きでなってるわけねぇだろ!!」

んで、なんだ。この茶番毎回やる必要あるのかよ。

まぁ、ねぇだろうな。

サンタ「それよりよ。見ろよ!
メリーからメールだ。」
月夜「何て書いてあるんだ?」
サンタ「ちょっと待ってろ…えっとな。
おおっ!あいつ自分の居場所までわかるのかよ!…って多分蓮子と一緒だろうな。」
月夜「そういえば、メリーさんも蓮子さんも能力持ちだろ?
何の能力なんだ?」
サンタ「えっとな。確か…
メリーは『結界の境目が見える程度の能力』
蓮子『星を見ただけで今の時間が分かり、月を見ただけで今居る場所が分かる程度の能力』だったかな?」
「そうか…あ、そうだ。
兄さんすこし訂正がある。
俺の能力をどうやって知ったかわからないが…俺も能力は増えてるぞ?
俺の能力は兄さんが言った
『あらゆる障害を乗り越える程度の能力』と
『あらゆる存在の後ろにいく程度の能力』
『人間であり続ける程度の能力』だ。」
「さてと…あいつらを探すか…」
「話を聞けよ。クソ兄貴」

こんなことがあったりなかったり…
んで、その後一水さんと合流したんだが…

そこで、俺がすこし気になることがありみんなから離れたのがいけなかった。
…あれ?これってデジャヴ?

「やっぱし…こいつぁ…」
「どうした?兄ちゃんよ?
気になることでもあったのか?」
「あぁ…って!誰だ!お前!俺のこと見えんのかよ!」
「ほー幽霊か…しかし…お前強いか?」

こいつ…
俺が出会ったのは黒髪をワックスで固めたようなトゲトゲとした頭のヤツだった。
人間じゃねぇだろ…
俺は内心そう思う。
実際、霊力がかなり高めの兄さんでも見えなかったんだ。
俺が見えるということは…こいつ

「お前ナンだ?」
「おっ!こりゃあいい…
俺の正体には気づいてないが、真相には近づいて来てんな?
あぁ俺はお前の想像した通りだ。
俺は人間でもない。
ましてや、妖怪なんてもんじゃない。
そして、幽霊でもない。
だったら…ナンだと思う?」

おいおい、マジかよ。
いきなりラスボスに遭遇しちまったじゃねぇか…
こいつ…神だ。

「お前…神か…」
「おおっ!正確に当ててきやがったな?
そう!俺は神だ。
すべての厄災は俺が作り出したんだぜ?
つまり…俺は疫病神や厄災の原神ということだ。」

まじかよ…よりにもこの身体を取り戻してない状況下での、厄災神か…
どうしたものか…
俺は少しばかり動きをとめ考える。
すると…

「なぁ…兄ちゃんよぉ…
俺はよ、戦うことが好きなんだけどよ。
今回の一件だって強ぇヤツと戦えるって言ってきたから俺はわざわざ降臨したわけよ。
だけど、来るヤツ来るヤツ弱くてな…
んで、久々に強いやつと会ったてのに幽霊とは面白くねぇんだ。」
「何が言いたい?」
「お前、人間に戻りたくはねぇか?」
「!」

こいつぁ…いいやつと出会ったかもしれない。
俺が人間に戻れるかもしれないチャンスだ。
逃してなるものか!

「流石に俺にも体ごと戻すことは無理だ。だが、お前にかかっている封印だけなら解除出来る。
どうする?」
「見返りはなんだ?」
「…見返り?んなもんいらねぇよ。
ただ、俺と楽しい戦いをしてくれればそれで十分だ。」

そういうことね…
まぁ、でも俺は…

「そーいうの嫌いじゃあないね。じゃあ能力制限を解いてくれ。
それが出来たら俺は即、人間に戻れる。」
「そうか…解除っ!」

厄災神がそういうと、カチッと何が外れる音がして、力が戻ってくる。
俺の能力制限が解除されると、自動的に発動する能力が俺にはある。

「『人間であり続ける程度の能力』発動!」

名前の通り、こいつの能力は人間であり続ける必要がある能力だ。
だから、俺が幽霊ではなくなり人間に戻れるんだ。

足の感覚が戻ってきて腕にも力が入る。
まだ、変な感じだが…もう大丈夫だろう。

「よし、兄ちゃんよ。やろうぜ!」
「っ!あぶねぇ!」

こいつ!
何しやがる!
復活したばかりの俺に事もあろうに足を振り抜いて来やがった。

「どんどん行くぜぇ!!」
「ばか!やめろ!」

厄災神は黒い大剣を錬成し、俺に振るってくる。
あんなのに切られたら、死ぬ。

俺はもちろん策を講じなきゃいけないんだが…如何せんまだ、完全に力が戻ってきていないのだ。
逃げなきゃいけない!
俺はそう思いかけだして…


こうして冒頭に戻るわけだが…

「逃げんなよぉ!
はっはっはっ!弱く見えんぜ!」
「うるせぇ!こっちは実際弱いわ!」
「そりゃあ嘘だなぁ!
こうして、俺の斬撃をよけてるだけ強いぜ!」
「鬼は嘘をつかん!」

くっそ!早く別天津神の力が戻ってこいよ!
俺は羅刹天の力…足疾鬼の力を使い逃げているのだが、あの厄災神。意味がわからん!足早すぎんだろ!

「こっちくんな!」
「だったら、戦えっての!」
「だが、断る!」
「じゃあ、死ね」
「それはねぇよ!」

俺だって!俺だって!

すると、厄災神はどこからか取り出した弓と矢を引き絞った。
そして、放つ。

俺の頬をかすって後方へ飛んだ矢は光を喰らい、厄災のフィールドを広げた。
そして、爆ぜた。

「えっ?」
「あーあ、お前が変に逃げるから人間が死んじまったかもしれないなぁ〜。
特に、あの金髪のヤツと茶髪のヤツとかね。」
「は?」
「ん?あれ?知らないの?
マエリ何とかってやつと宇佐見ってヤツは俺らのところに捕まってたんだが…逃げ出したみたいなんで…
撃ってみたんだけどよ…こりゃあ…」

「死んだな。」

俺はその時、身体を震わせた。
こいつの理不尽の所為で
俺達の所為で
メリーさんと
蓮子さんが死んだ?

おいおい…ふざけるなよ…
許せない…
とにかく自分が許せない。

力があれば守れたんだ。
それなのに!
それなのに!

嗚呼、何という不条理だ。
嗚呼、何という無力か。
嗚呼、俺は何のために力を使っているのだろうか。
嗚呼、それは…

『大切な人を守るため』

そのためには、

別天津神の力を征服しなきゃいけない。

俺は俺は…




天に座す神になってやる…



こんな俺でも救えるものがあるなら…

救ってやらなきゃ

意味がねぇ。

もう一度、

もう一度

俺にあの宇宙の記憶を見せてくれ。

さぁ…

俺たちの『戦』を見せてやる…


…………………

どうも、最近いや、なんかもう…皆さんを楽しませられていない(泣)unworldです。
はい、もう冒頭から謝罪です。
終わりません。あと、2.3話じゃ終わらないです。
なぜだろう…それは自分に才能がないからです。
『なんでこうなった!』と床を叩いたところ姉に平手打ちをされました。

すいません。
完全に頭のタガが緩みどころか外れている自分ではありますが、これからもよろしくお願いします。

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