小説『東方羅刹記』
作者:unworld()

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『再会は突然に』

前回までのあらすじ
聖さん…もとい白蓮達を逃がした俺は魔界で死亡。
なぜか三途の川に捨てられたみたいで、死を待つのみだったんだが…奇跡的に気力を取り戻し生還したはずが…

空から落ちてるんだよなぁ…

…………

「うぁぁぁぁぁ!!!!!
落ちるんですがぁぁぁ!?」

うぁぁぁぁ!!!!

やばいやばいやばいぃぃぃ!!!!

「ちっ!形作れ…天沼矛!」

とりあえずこれで防ぐ。
何を?何かをだろ?

俺がこのまま落ちたら死ねる。
いや、まぁ、死んでましたけど?
そういうことじゃあないんだけどな?

「ってことで…」

雲が綺麗じゃあないかぁ…
はっ!そういうことじゃない!

あぁぁぁぁぁ…

俺は何処かの民家にそのまま落ちる
そのせいで背中と頭を強く打ちつけ、悶える。

「うぉぉぉぉ!!!!
頭を打ったぁぁ!!痛てぇ!!!」

どこだぁ…ここ…あれ?
俺の家じゃねぇか!
よかったぁ…俺は胸をなでおろす。
あーうん。
とりあえず家族にあいさつに…
その時、俺はあることに気づき頭をかく。

「あ〜、そういえば俺死んでんじゃね?」

そうなのだ。
俺が死んだのは不幸な事故ということになっている。
今あっても意味がない。

てか、まず戸籍抹消だろう。
生きていないことになってるんだ、会っても俺を俺と証明することが出来ない。
ふむ、困った。
実に困った。
財布もねぇし、意味ないし…


そういやぁ…あるぇ?
空から落ちたのに屋根無傷なんですが?
あるぇ?
おかしいな…俺人間ですよねぇ?
おい、作者よ。(?なんの話だい?月夜君?)
くっ…味方がいないぜ…
せっかく戻ってきたのに誰もいないのかよ…
若干さみしいぜ。
さてと、一階に行くか…
俺は足を踏み出そうとして違和感を感じた。
あるぇ?足の感覚が無いぜ。
おかしいなぁ…
俺はおそるおそる足元をみる。

「っぎゃぁぁぁぁ!!!!!
死んでんじゃねぇか!!」

足が無いんですが!!
おいおいこりゃあ…


幽霊になっちまったぁぁぁぁ!!!!


まぁ、ふむ、こいつぁ困ったぜ。
ふむ、やばいな。
死んだら未練たらたらで幽霊になるというと聞くが…

あーそっか…三途の川に流されたのが問題だったのかぁ…
魂だけが、現界しちまった感じになっちゃったんだな〜
くそ…幽霊とは情けないぜ。

さてと…ちょいと妹の様子でも見てくるか…

こんな状況でも妹の心配をするのはもう、シスコンの域じゃないだろうか…
よし、気にしたら負けだ。

俺はドアから出ようとして悟った…

「幽霊なんだから壁抜けられるんだった…」

泣くよ。マジで…ううっ…

まぁ、す〜と抜け出すと、妹の部屋の方から声がする。

ふぇ?

だれかいるのかなー

俺がす〜と覗くとそこには…


俺が愛してるやまないみんなの笑顔があった。(もちろん生首にあらず)
そこには京都にいるはずのメリーさんと蓮子さんと兄さんが
俺の妹の七花や幼馴染の早苗までみんなでしゃべって笑っている。
しかし、その部屋には…俺の遺影が飾られていた。

「あっ…」

俺はその光景をみてひどく嬉しく。ひどく悲しくて…声を漏らした。
メリーさんや蓮子さんが元気に過ごしてくれている。
なにより、俺が死んでも笑顔で過ごしてくれている。それだけで俺は救われた。
だけど…俺はその場にいない…
これほど悲しいことはないさ。

「は…ははっ…良かった…あれ?
あれ?おかしいなぁ…」

嬉しいはずなのに…
なぜか…

なぜか涙が…流れて…

なんでだよ。
なんでだよ…
俺は…なんのために…帰ってきたんだよ!!

幽霊になってまで帰ってきた理由は何だったんだよ…

俺は…

その時、

「月夜くんどうしてるかなぁ…」

とひとりの声が聞こえた。
その声はメリーさんから発せられたものでみんなはその発言に苦笑する。

蓮子「まぁ、死亡じゃなかったみたいだからね?遺影かざってあるけど…」

(じゃあ、飾るなよ!)

サンタ「まぁ、月夜のことだ。
死んでても、幽霊とかになって化けてくんじゃね?」

(もう、なってるよ!兄さん)

早苗「あーありそうだなぁ…
月夜さん。この世に未練ありまくりですって顔してますからね〜」

(俺は普段どんな顔してんだ!?そして、早苗よ。俺にどんな印象持ってんだよ!?)

メリー「でも…

また会いたいね。
会って、お話したいかな…」

(俺もですよ。メリーさん…)

七花「でもさ〜メリーさんってお兄ちゃんのこと 好き だったの?」
メリー「どう…なのかな?
私が月夜くんに抱いていた感情が恋心っていうものだったのかはわからないけど…
うん、好きだよ。今でも月夜君のことが。
でも、みんなもそうでしょ?」
サンタ「へっへっ…そりゃあもちろん大好きさ!」
蓮子「そりゃあ…まぁ、好きだよね。」
早苗「はいはーい!私も好きでした!本気で!」
七花「なにっ!早苗まさか…
お兄ちゃんは渡さんぞ〜!!」

(みんな…ほんと何言ってんだよ。

俺だって…俺だって!

大好きに決まってんだろ!!)

サンタ「ん、そういやぁ…メリー達買い物に行くんじゃなかったか?
もう、11時だぞ?」
メリー「あ、忘れてたね。
行こう。蓮子、七花ちゃん早苗ちゃん。」
サンタ「あるぇ?俺は?」
蓮子「えっ?ついてくる気だったの?」
サンタ「うん、ごめん冗談(泣)」

兄さんよ。哀れな。

メリー「じゃあ行ってくるね?留守番よろしく」
サンタ「おーう、気ぃつけてな。」

家のドアが開いてみんな出て行く。
家は静まりかえり、時計の音がなっているのだけが聞こえた。
その時、兄さんがつぶやいた。

「さてと……もう、一年か…」

俺の遺影に向かって兄さんが話しかける。

(もう一年か…兄さんにも悲しい思いをさせてしまったか…)

「なぁ…月夜…聞いてくれよ。
前にも言ったが…俺さ、能力を覚醒させちまったんだよ。
お前が持ってた『あらゆる障害を乗り越える程度の能力』みたいなやつじゃなくてな…
俺は『あらゆる事を暴く程度の能力』だったかな…
親父が言うにはまだまだ俺には能力があるらしい…
『あらゆる事を暴く程度の能力』
『日々、進化し続ける程度の能力』
『天才である程度の能力』
『あらゆるモノを扱うことが出来る程度の能力』
『あらゆる存在を上回る程度の能力』

っていう五つの能力があるらしい。」

(チートすぎるな…実弟でも引くぞ…)

「昔、お前になぜ、そんなになってまで力を求めるのかがわからないと言ったな…
でも、今ならわかるよ。その気持ちが…
俺は、自分が怖い。
こんなバケモノになっちまった自分が怖い…
なんだよ…自分でも自分のチート具合が怖い。
俺がこの能力を使えるようになったら…って思ったら
ははっ…死ねる。」

「なに言ってんだよ…兄さん」

俺はついつい言葉を発した。
すると、兄さんが何かを聞き取ったのか、後ろを振り向く。

「月夜…月夜なのか!」
「うん、まぁ、そうだよ…」

聞こえているのかいないのか
見えているのかいないのか…俺にはよくわからなかったけど…

「俺はさ…兄さんにそんな顔をして欲しくない。
自分に悲観するようか顔はさ…
みたくないさ。だから、笑顔でいてくれ。」
「まさか…月夜…お前…霊になっちまったのか?見えないんだが…」
「あぁ、どうもそうらしい…
でも、すぐに成仏するさ。」
「メリー達は知ってるのか?」
「さぁ…七花は気づいてるかもしれないけど他は気づいてはなかったと思うよ。」
「そうか…本当に死んでしまったんだな…」
「あの事故で死んだわけでは無いんだけどね…」

そう、俺はあの事故で死んだわけでは無いんだ。
禍角に殺されたのほうが正しい。

「知ってるよ…禍角神無だろ?」
「さすが…チートだねぇ…
ご明察。」
「へへっ…照れるぜ…」
「いや、褒めてないから…」

それから、俺と兄さんは色々な話をした。
なんか早苗が地方に引っ越すらしく、
今日買い物に行ったのは、その準備らしい。

その時、兄さんの携帯が鳴り響いた。

瞬間
なんだろう…なんでだろう。
幽霊なのに、身体がぞわぞわっと鳥肌がたった気がした。
兄さんがそれに出ると…すこしして。

「おい!どういうことだ!!メリー達をどうしたって?えぇ!?」

すると、携帯ごとぶっ壊して電話をきる。
怒気がやべぇ…

「どうしたんだ。兄さん」
「いいか…月夜、よく聞け?」

兄さんが明後日の方向をみて言う。
俺は少しカチンとしてこう言った。

「こっちを見ていえよ!」
「まず、お前が見えねぇよ!」
「で?何?」
「落ち着けよ?

メリー達が行ってた隣町ごと占拠された。」
「嘘だろ…と言いたいがここは信じよう。…ほぅ…誰だよ。その不届きものは…」
「禍角家」
「ほう…」

俺が霊体がいるのを良い事に何をしてらっしゃるのかなぁ…

「父さんもこっちに来てるらしい…
まぁ…間に合うかだろうが…
期限は一週間。
それまでに禍角の奴らを倒さなきゃいけないらしい…
正直、向こうで七花も何かしらやってるらしいが効果があるかどうかは微妙らしいな。
お前は霊体だろ?どうする?」
「もちろん行くぜ。
神無のやろうをぶん殴らないと気がすまねぇからな。」
「だが、月夜…
お前能力使えんのか?俺には封印されているように見えるんだが…」
「あぁ…そうだよ。
能力ごと封印されてるんだよねぇ…
まぁ、幽体離脱した俺には解除する術がないんだけどね〜」
「じゃ…どうすんだよ…」
「とりあえず連絡して欲しいやつがいる。阿部一水さんに連絡だ。」
「おおっ…人類最強にか…でもよ。

俺、あの人の連絡先知らないんだよ!」
「俺の携帯を使いなさい。」
「上から目線だこの野郎!」

そんなわけで
メリーさん達の救出劇が始まった。

………

はい、どうもunworldです。
いや、まぁ、はい…もうネタが尽きてありがちな展開でしかない件について謝罪します。
もう、ほんとすいません。いや、もう駄文でしかねぇ…神様ヘルプミー

ええ、まぁ、そんなわけでキャラ紹介したいと思いまーす!
(ドンドンパフパフ(汗)

ではでは、今回は月夜君のお兄さん。
無角三多君の説明です。
はい、サンタくんですが…
いや、まぁ、チートですよ。バグチートですよ。本当…

名前 無角三多
身長 180cm
能力
『あらゆる事を暴く程度の能力』
『日々、進化し続ける程度の能力』
『天才である程度の能力』
『あらゆるモノを扱うことが出来る程度の能力』
『あらゆる存在を上回る程度の能力』

特徴
才色兼備
文武両道と非の打ち所がない月夜の兄。
バグチート、しかもイケメン。
結構めんどくさがりなのに真面目な奴で、意外なところでドジ。
昔、メリーと恋人関係を噂した輩がいたが…その噂は消えていた。

酒癖悪し。

こんなところですかね。
個人的には、チートなのに熱く戦うキャラって意外と好きかもとか思って作ったキャラですね。
能力に関しては…思いつく限りを濃縮したチート能力です。
では、現実編終章突入です!
お楽しみに!

-12-
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