小説『ONE PIECE【changed the course of history】』
作者:虹犬()

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【第0話 さらばリアル】





「………どうしてこうなった?」

無人島?らしき場所で呆然と立ち尽くし、呟く。
当然その言葉に答える者は誰もいない。

―ほんとにどうしてこうなったんだろう?

少しは冷静になった頭で少し考えてみるが答えはやはり見つからない。
大学へ行き、講義を受け、帰りに古本屋で漫画、小説、ゲームを買って………
という、いつも通りの生活を送っていたはずなのに…

『ワンピースの世界にようこそ。チュートリアルを聞きますか?』

「ッ!」

いきなり目の前に現れた少女に驚き後ずさる。
先程、自分が立っていた場所の30cmぐらい手前にはなぜかメイド服を着た少女がいた。
それも現代では珍しい青色ショート!!
控え目に言ってもかわいい!
普通にいえば直球ど真ん中ストレート!というかやっぱ、漫画やアニメだと青髪って違和感ないよなあ。

―って、ん?漫画?

『チュートリアルを聞きますか?』

「え…、あ、はい。」

先程は突然の少女の登場にびっくりして聞き逃したがどうやら何か自分に話したいことがあるようだ。
可愛いは正義!例え、ゲームのありきたりな操作説明等のチュートリアルであろうが
美少女が話せばそれは美しい旋律となるんだ!
聞いて損はないだろう、いやない!あるはずがない!

―って、ん?ゲーム?

『では、ワンピース【changed the course of history】の操作及びシステムの説明をさせていただきます。まずは操作方法ですが………』

―ワンピース【changed the course of history】。

それは自分が数時間前?に大学から帰る途中の古本屋で買ったゲームの名前だった。
そう、数時間前………
ワンピースのゲーム自体そんなにやったことがなかったのだが暇だったし、
980円コーナーに置いてあったので面白そうだからと買ってみたのだが初期設定がとてつもなく多く、
全ての設定が終わった時には疲れてしまってそれからの記憶がない………

だってさ…、名前や年齢、開始年、難易度とかならともかく、今までやってきた戦法とか他キャラとの親密度、
悪魔の実の使用・不使用、悪魔の実の種類、所属分類等選択だけじゃなくて記述の所もあるんだぜ?
今にして思えば…というより普通に考えればおかしいよな?
中二病的な考えでいけばこのゲームの中のキャラクターとして俺がここに存在してるってことになるんかな?
てかそれしか考えられないよね?

ちなみに設定した自分の設定は

名前:カミクラ マサヤ
物語開始年齢:10歳
開始年:ゴール・D・ロジャーが処刑された2年後(原作開始20年前)
戦法:武術、双剣、気、剄、徒手空拳
親密度:レイリー、エース、麦わら一味、白ひげ、シャンクス、ミホーク、ハンコック等
悪魔の実:使用
悪魔の実の種類:ランダム
所属分類:フリー
難易度:EASY

である。

見てわかるとおり結構な中二病というかチートというかEASYっぷりだと思う。
とりあえず、ゲームはまずEASYでクリアしてから二週目以降nomal,hardと難易度を上げていくタイプなんでこれは仕方ない。
親密度もHELPによれば開始年齢までに会える人であればある程度親密度が上がっていて、
物理的に開始時までに会えない人は開始後に会った時に親密度が上がりやすくなるというシステムらしい。
悪魔の実はやっぱり使ってみたいけどゲームオリジナルの物もあり全ての種類を見るのはめんどくさかったのでランダムにした。

というわけであるがそろそろ少女というかオペレーターさんの説明が終わりそうなので…

『………というわけです。なにかご質問などありますか?』

いや、ゲームではよく連打とかしててやってしまうし、なんとも思わないんだけど…
まあ、実際にやってみるととても申し訳ない気分になるんですけど………

「すいませんがもう一度、チュートリアルを聞かせてもらえませんか?」

『はい。かしこまりました。では、もう一度ワンピース【changed the course of history】の操作及びシステムの説明をさせていただきます。まずは操作方法ですが………』

いいなあ。嫌な顔一つせず笑顔で答えてくれるオペレーターさんはさすがだと感心します。
ということで今度はちゃんとこの世界の説明を聞きました。
要約してみると操作方法は自分たちが現実世界で動いているように自分で考え自分で好きに行動すればいいとのこと。
ゲームに付きものの回復アイテム等もなく治癒能力は現実世界より少し上がっているくらい。
後、気になったのは次の3つのシステムというか設定。

1.ランダムで選ばれた悪魔の実はガルガルの実。超人系で重力を操ることができる。

2.自分の経歴だがこの世界で実在する人物として存在する。
親密度で選んだキャラと一番接点が多く持てそうなバックグラウンドを作成したらしく今のところシルバーズ・レイリーとシャンクスと接点があるらしい。

というのも自分はロジャー海賊団のクルーの子供で小さい頃(といってもいまも小さいが)たまに面倒見てもらったり鍛えてもらったりしていたらしい。
さすがEASYモード。
オペレーターの話によるともう少しすれば記憶やこの世界の知識が定着されるらしい。


3.現在の状態だがシャボンディ諸島の近くの島でシルバーズ・レイリーからの修行を行っている最中、
覇気はまだ使えないが剄や気などの原作には出てこない力というか技術を持っておりそれを徒手空拳や双剣と組み合わせて用いる戦法をとっている。
悪魔の実はまだ食べてそんなに時間が経っていないので制御はあまりできない。
身長は年相応で140くらいで体格もごつい感じはなく至って普通のスポーツ少年ぐらいだった。

『他にご質問はありませんか?』

「ありません。ご丁寧にありがと。」

『では、ワンピース【changed the course of history】の世界をお楽しみくださいませ。マサヤ様』(ニコッ)

オペレーターさんに感謝を述べると激励と素敵な笑顔が返ってきた。
そして、俺が悶えている間にオペレーターさんは消えていた。
もう、あの笑顔で俺はこれから頑張ってワンピースの世界で頑張っていけるね!!
と周りを見て、冷静になってふと気がついた。

「そういや、元の世界にはどうやったら帰れるんだ………(汗)」

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