小説『平凡な筈の僕らの非日常』
作者:白羽 心葉()

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別に、下を向いて歩きたい訳じゃない。
別に、空を見たくない訳じゃない。
別に、白い目を向けられたい訳じゃない。
別に、後ろ指指されたい訳じゃない。

ただ普通に過ごせれば、それでよかった。

なのに。

そんな日常は、音を立てて壊れていく。

あの、一通のメールで。


「.........。」
一言呟かれた言葉が、僕の思考を崩壊させた。
いや、彼の放つソレがとてつも無くて。
ただただ頷くしか選択肢がなかったのだ。
何も、自分が特別だなんて考えた事もなかった。
寧ろ、平凡な何処にでも居るであろう存在だと、自覚していたのだ。


そうして僕は濁流に呑まれる。

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