「はぁーい、皆盛り上がってるとこ、ごめんねー!」
ヘラっとした印象を持つ声で呼び掛ける青年。
ざわざわとしていた空気が段々と落ち着き始め、
彼の方へ視線が集まってくる。
「うん、皆話して仲良くなったりしてるかなぁ?あ、一応、俺が仕切らせてもらいまーす!
夕原文留(ゆうはら あやる)ね。女みたいな名前だけど、男なんで!宜しくぅ☆」
軽い乗りでペラペラと自己紹介を済ます彼は、
先程までの表情など無かった様に笑っている。
「じゃ、初めてだし、自己紹介ってことで。」
話を振って、自己紹介をさせていく。
「風切、夕斗です。宜しく。」
僕まで回って、自己紹介が終る。
「はい!よくわかったと思いますっ!」
ニコニコと笑いながら手を叩いて言えば、緊張が解けたのか
野次が飛ぶ。
「そして~今回の依頼に入ろうと思います!」
「ヒュー!」
「イェーイ!!」
先程にも増して、段々と増え始める。
片手にマラカスなんかを持ってる人までいる。
そんな彼らを見ながら。
先程の出来事をぼんやりと思い出していた。