かくして、平凡が彼らと
交わりない青年が
出会う。
ーpm 10: 00
「ああ、嫌だ!絶対東羅は俺に嫌がらせしてるよな。」
行って待っていたのは、黒いライダースーツを中に着て、
上にレザージャケットを着た男だった。
暫く唖然として、男の言動を見入る二人。
すると、彼は視線に気付いたのか、此方へ進んでくる。
「やぁ、君達が!取り敢えず、ようこそ、と言っておくね。」
と、陽気に声を掛けられる。
「まぁ、これから沢山来るはずだから、気長に待とっか。」
そう言って笑う彼を見ていると、若干背筋が粟立つ。
裏がある、そんな事を本能は感じ取っていたらしかった。
「でもさー、酷いよね~。此処に来る時間をさぁ、俺には2時間前、
つまり8:00って教えた奴がいんだよね~。」
ケラケラと笑いながら言う彼は、悲壮感など微塵も無いのだろう、
軽く言ってのける。
だが、其れさえも
―怖い。
中々来ないし、先にカラオケ入ろっか。
そんな彼の言葉に逆らう理由もなく、Boxに入る。
友達は気付いてないらしく、喋ったりして、二人で笑い合っている。
それから何分か経つと、ちらほらと人が集まり始めた。
男女合わせて20数名はいる。
そうして、場がだんだんと自己紹介なりなんなりして和らぐと、
彼は僕の耳元に囁いた。
「これから此処で俺が言うこと、信じなくていいから。あと、俺の名前はね....」
耳を疑う程の内容を言い渡され、驚きの前に固まってしまう。
言葉を全部言い終わると、此方に目を向ける。
―!?
その目は鋭く、文句の一つも許さないような目だった。
見た瞬間、背筋が粟立つ。
―怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い恐い恐い怖い怖い恐い
何も考えられず、ただただ怖いだけ。
否、それだけではなかった。
其所には畏れにも似た何かがあった。
蛙が蛇に睨まれるように。
弱者が強者に支配されたような。