小説『鏡の中の僕に、花束を・・・』
作者:mz(mz箱)

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「どうする?」
それほど、難しい訳ではない。ただ、あれはまだ残っているだろうか。いつにも使った憶えはないが、自分の部屋に探しに向かった。
見つからない。見つかるのは、ガラクタばかりだ。自慢じゃないが、僕は部屋の掃除をした記憶がない。足の踏み場などない部屋で、探し物をするのは至難の技だった。
「ない、ない。」
手に取る物、手に取る物、くだらない物ばかりだ。イラつく。イラつくから、投げつけた。
「どこに置いたんだよ!」
怒号を飛ばす相手は自分だ。
本当に見つからない。イラつく。
「ん?」
机の引き出しから懐かしい物を見つけた。壊れかけのプラモデルだ。
「これがあると言う事は・・・。」
思った通りだ。このプラモデルを作った時のスプレー、それが引き出しの奥に転がっていた。
「よし。」
思わずガッツポーズを取った自分が嫌になった。

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