小説『鏡の中の僕に、花束を・・・』
作者:mz(mz箱)

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デートの行き先は遊園地にした。ここ数日、色んな雑誌を読んだ。その結果だ。バーとか、そう言うのは僕にはまるでわからないし、映画だとせっかく二人で逢うのに何も話せない。考えに考え抜いた結果が遊園地な訳だ。
と言っても、行った事はない。電車に乗る時から混乱した。改札を抜けたがいいが、どの電車に乗ればいいのかわからないのだ。
「どっちだ?」
看板に書いてある駅名を確認する。しかし、乗り換えがある事もあり、肝心の駅名は書いていない。僕は狼狽した。
焦れば焦るほど、どうしていいのかわからなくなる。右、左と見回すがわからない。時間は刻々と過ぎていく。最悪だ。
「ど、どうする?」
とりあえず駅員を探す事にした。駅員に聞けば何かわかるはずだ。僕ば本来向かうべきホームとは逆方向に向かおうとした。
デパートなどでも見かけるタイルのような床。この駅の床もそんな感じだ。うっすらとだが、僕の姿が映っていた。そのせいだろうか?まるで、足を引っ張られたかのように、僕は逆方向を向かされた。
「?!」
やつの仕業なのだろうか。怖くなり足元を見た。が、何もない。普通の床だ。
「気のせい?」
ただ、何か向いた方が正しい気がした。そのまま走った。
「間もなく電車発車します。ドリームランドにお越しのお客様は、◯◯駅でお乗り換えください。」
ホームに駆け上がった途端、アナウンスが聞こえてきた。あってる。そう思い電車に駆け込んだ。
駆け込んだ事もあり、車内の様子を確認しなかった。電車には混む車両と混まない車両がある。それは乗り換えが便利だったり、階段の前に入口があったり、そんな様々な要因が絡んでそうなる。不幸にも、僕は混む車両に乗ってしまった。みんな、ドリームランドに向かうのだろう。すごい混みようだ。

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