小説『IS 戦う少年と守護の楯』
作者:天地無用生もの注意()

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初めに

・おいらは原作を昔読んだだけで細かい事は覚えていません。
 (ほとんど二次小説を読んでいるので、ネタと原作の違いを覚えていません。
    もしも他の方とネタが被ったら教えてください)

・主要キャラクターは黒い性格も出ますが、悪ではありません。
・悪役は悪役らしく逝きます。
・ハッピーエンド主義者です。
・ご都合主義です。
・『恋楯』をやっていない方へ。6話位読むとで『恋楯』の雰囲気が把握できると思います。

1話 クライアント

「如月修史、真田設子。帰還しました」

―――長かった。長すぎる潜入任務が終わったのだ。
潜入している間にも次から次へと仕事を回されるし……。
何時何処で知り合いと会う可能性がある為に元の姿に戻る事もできない。

本当に久しぶりに帰ってきたんだ。自由ってすばらしい。


最新鋭の機材とスタッフの趣味丸出しの机。

オイ! 銃をバラしながらタバコを吸うな!!



ここはアイギス。
一般家庭から一流企業まで幅広く警備を行っている。警備会社。
アイギスはもう1つの顔を持っている。
特殊な要人の護衛を請け負い、場合によっては銃器の装備も行う非合法の『護り屋』

修史と設子は特殊要人護衛課に所属する。


「おお。妙子、おかえりー」

「あ、お久しぶりです宗像先輩」

挨拶をして『シマッタ』と思ったがもう遅い。
両手は前に添えるように合わせ、顔は笑顔を無意識に作ってしまった。

「さすがお嬢様学校。きちんと教育ができているなー」

クッ……。いくら俺が女子高に潜入していたとはいえこんな事ばかりしっかりと身に付けてしまった。

横に居る設子は笑いを噛み殺しているし、先輩は腹を抱えて笑っているし……。

大丈夫だ。しばらくここで生活すればきっと元に戻る。

「お、そうだ。課長に頼まれていたんだ。
 修史は紅茶を入れてミーティング室に行ってくれ。クライアントが待ってるそうだ。
 設子はこのリストに書いてある物を準備してから修史と合流しろってさ」

宗像先輩は設子にリストを渡し、急ぐように指示を出す。

「着替えてからでいいですか?」

「ダメだ。クライアントが来てから結構経っている。それに野郎がお茶を運ぶより、女の子が運んだほうがいいだろ?」

俺は男だって。っと言ってもこの格好じゃ様にならないな。

「了解しました。何人分お茶を淹れればいいんですか?」

「とりあえず四人分だ。そうそう、また設子と潜入任務らしいぞ。頑張れよ『アイギスの双楯』」


この特殊要人護衛課には、ナンバーズと呼ばれる人間が居る。

ちなみにさっきの宗像先輩はコールサイン・シールド3。
元・アマレス世界王者で、この課随一の怪力の持ち主だ。

そんでもって俺はシールド9。少し前にナンパーズになったばかり。
俺の相棒の設子は残念ながらナンバーズでは無い。
能力的には十分通用するのだが、護るというよりも攻撃するほうに特化している。

元が暗殺者だったから仕方が無いんだけれどな―――。



俺は紅茶を淹れてミーティング室に入ると嫌な物を見てしまった。

課長とウサギ耳のカチューシャをした女性。

その2人が次々と画面を操作して説明している。

「だからー。うちの修ちゃんの方が可愛いって。ほら、この子供のときの姿。
 初めて料理を作って、俺に美味しいって言われたときのこの表情!! 最高だろー」

「イヤイヤ、そー君。確かにそれは可愛いけど。うちの箒ちゃんのこれを見て!!
 修行で疲れてうたた寝したときに、いっくんに背負われて起きたときのこの表情! 
 恥ずかしいのに嬉しいっていう2つの表情が良く出てるでしょ? やっぱり箒ちゃんが最高だね」

「クッ。ならば修ちゃんが将来の夢を手紙に書いて読んだ映像があるはず」

「やめんか。バ課長ーー!!
 束も何してんだよ! 仕事の依頼なんだろうが、何人の恥ずかしい映像で、盛り上がっているんだよ」

束こと篠ノ之 束。
『天災』科学者。ISこと宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツの開発者。
もっとも、今じゃ宇宙進出よりも飛行パワード・スーツとして軍事転用された為に各国の抑止力となっている。

『ISに対抗できるのはISだけ』と言う事になっているが、うちの課長・神崎恭一郎はISの火器を使えばそれなりの戦闘ができる。
一応、アイギスという特殊な顧客を抱える企業だから、国からはコアを2つ分け与えられているが、今の所出番が無い。
それに、護衛者がISを持っている時点でうちの課の存在を公にする事になる為に研究はされているが出番は……ナイ。

篠ノ之 束とは少し前に国から束が表舞台に出るというので俺が護衛に付いた。
束の要望は「女はイヤ。どうせISを狙ってくるから男がいい」と連絡があり、
バ課長が悪乗りして山田妙子として俺を送り込む事になったんだ。
束の要望を聞いていない俺は説明するのが、大変だったんだよ……。
いくら言っても信じてくれないし。
一応納得はしてくれたけど、その後は課長と束は、妙子と箒どちらが可愛いか一晩中口論する事になり今の関係を築いている。

何か用事があるたびに俺を指名してくるんだから勘弁して欲しい。

「で、束。今度は何処に行くんだ? 温泉? 買い物? それとも、またコミケか?」

「えー。タエちゃん酷いよ。今度は本当に護衛の依頼だよ」

「そうだぞ、妙子。今回もお前達にしかできない特殊な任務だ。
 やってくれるか?」

オイ、バ課長。いい加減に本名で呼んでくれよ。そして急に仕事モードに変わるなよ。
束なんか、無駄に投影型のスクリーンを展開して雰囲気を盛り上げてる。

コンコンと扉からノックの音がした後に設子が入室してくる。

「真田設子です。ISCOの装備をお持ちしました」

イヤナ予感。
このやり取り過去にあったぞ!!

「早やったな。では、さっそく頼む」

設子から距離をとるためにステップした方向が間違っていた。
ドンと肩に何かが当たると、そのまま腕を挟まれ床に倒された。

束! いつの間にそんな機械を展開していた!!

「大丈夫だよ、タエちゃん。すぐに済むからね。
 天井の染みでも数えていたらすぐに終わるよ」

「そうです。妙子さまならきっとお似合いになるはずですよ」

あ、猫被りの設子さんモードだ。

……そう思ったんだが、目つきだけが違っていた。
拘束された俺の服をゆっくりと剥ぎ取っていく。

「やめっ、ちょっ! 設子、なにするんだ!!」

体を動かして抵抗を試みるが、その行為が設子のスイッチが入ってしまった。
シャツを脱がしていた手がスカートのホックへと目標が変わっている。

「妙子さまの……バカ……。
 そんな瞳で見られたら我慢できないじゃないですか」

オイ待て。いろんな物が台無しだよ!!

「いやああああっ!! 課長も見ていないで助けてくださいよ」

「妙子。いいぞ、臨場感たっぷりだ。修ちゃんの成長記録Vol.346に保存するのにピッタリだ」

「何撮ってるんですか!! 束、この機械を外せ」

「うわー。なんていうか、声だけでヒスっちゃいそう」

………

……



「妙子さま。装着完了しました。お似合いですよ」

「汚された、よごされちゃったよ」

服を脱がされ、水着のようなものを着させらた。
それに傷を隠す為かニーソックスとか履かされているし。

「うむ、妙子よく似合ってるぞ。そこの鏡を見てみろ」

しぶしぶ鏡を覗き込むと、水着というよりレオタード姿だった。

「I (この束さんが作った)インフィニットストラトスを」

「S 操縦する女の子」

「C ちょっぴり凛々しい姿の」

「O お姉様ですよ」

くそーー
最近こんなのばっかりだよ!!



後書きのようなもの

ISと恋楯のクロスです。
ISの二次を読んでいておいらも妄想を発揮しました。
設子さんが残念な人になっているのは恋楯のイラストが残念な人ですから。
束さんが言っていた「ヒスっちゃいそう」とはもちろん中の人のネタですね。
その作品の二次で声だけでヒスらせようと思ったのですが、銃には詳しくないので諦めました。
次回は独自解釈満載です。

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