小説『IS 戦う少年と守護の楯』
作者:天地無用生もの注意()

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設子さんの話を聞いて、始めてヤバイと自覚した。

よくよく考えると俺ってかなりイレギュラーな存在なんだ。
今までは自分の運命のレールに乗せられて、ただ前に進んだだけの状態だった。

高校進学にしてもそうだ。結局千冬姉の言う通りにお金の心配なく進んだんだ。
結局はIS学園に進まざるを得なかったけど……。

強くなると決めたんだ。

妙子さんの傷を見て、女子をあんな風に傷つける世界は『オカシイ』と思わなければいけないんだ。

女子が強い? 違う。
『人間』は弱いんだ。
設子さんが言ったように今の俺とシャルルの立場は微妙な位置に居る。
もし、もしも本当に国から俺達の子供がIS適正が高いと思われた場合、人はそれを拒否できるのだろうか?

お金。それだけじゃない。下手をすればその人の国での立ち位置まで否定されてしまう可能性がある。

それに、束さんには束さんの考えが在ったのだろう。
元々はIS自体は宇宙開発の為のもののハズだったのに……。

宇宙ロケットだって、宇宙に行くための『夢の結晶』だったのが、
いつの間にか国が国を攻撃する『ミサイル』の技術に変わってしまった。

『夢の結晶』が人を傷つけるだけの兵器に変わってしまう。
ISだって今は国の威信をかけたスポーツの一種として認知されているが、ほんの少しだけでも道がずれたら、兵器として流用されてしまうかもしれない。

『白騎士事件』のときに束さんが、現存の兵器を上回る成果を上げて、人同士が傷つけ合う事の意味の無さを示したのに未だに強力な武器をISにつけるのだろうか?

―――このままじゃいけない。

ISに乗って空を翔る楽しさを俺は覚えてしまった。
ISを通じて本来なら出会うことの出来ない世界各国の人と出合った。

ならば、やることは決まっている。

千冬姉が出来たんだ。
ならば、その弟である俺が、ISのシールドを無効化できる『零落白夜』を使い最強になって、『今』の流れを変えていかないとこの先とんでもない事になる。

鈴やセシリア、それにシャルルといった国家代表候補と友達になったんだ。
少しずつでも俺の考え方を理解してもらえるかもしれない。

それにここはISに関わる人が学ぶ学校なんだ。
今は無理にしても、俺の考えを浸透できるかも知れない。

―――だが、間違ってはいけない。
現在のあり方を急に変える事は出来ない。

『人間は弱い』。たからこそ『力』が必要なんだ。

こんな夢物語を悟られてはいけない。

間違えるなよ、織斑一夏。

目的と手段を混同させるな。
そうでないと、せっかくのISの意味がなくなってしまう……。

妙子さんが護る事を得意とするように、俺は俺でどんな兵器でも斬り裂く。その為の雪片なんだから。

どんなに侮られても、今はかまわない。
少しでも……半歩でも先に進むんだ……。





23話 操縦者としての在り方 



「どう? 一夏に妙子さん? 銃を撃った感想は」

「いや……。まさかここまで早いものだとは思わなかった。
前にセシリアに射撃訓練を受けたけど、ISを使うと弾までハッキリ見えるから、余計にな」

「え!? 一夏さん弾道まで見えるんですか!
あたしのエライヤでも見えないのに、白式って本当に無茶な仕様ですね」

そうは言うが、妙子さんだって避けたり楯で防いだりと、かなり無茶をしているんだと思うのは俺だか?

「そうか? 千冬姉の鉄拳…だけじゃなかったけど、とりあえずそういうのをくらっていたから、なんとなく目が慣れてきているんだろう」

「……一夏。剣の腕は鈍っていたがある意味過酷な鍛錬を経験していたんだな」

止めてくれ箒! あれは鍛錬と認めたくない。
だってそうだろ? 「食事は栄養が有ればいい」なんて言う千冬姉の好き嫌いを無くす為にたくさんのレシピを調べたんだから。
後で美味しかったと言われたときにフードプロセッサーで混ぜ込んだ椎茸の事を喋ったときには木刀で追いかけられたんだから。

「それにしても、デュノアさんって銃の扱いには慣れていますね?
男の人がISを動かせるのもびっくりですが、すごくISの事良く知っていますし」

むう。妙子さんそれは俺に対する嫌味なのか? それともシャルルを褒めているのか? ちょっとばかり判断に困るぞ。
大体、妙子さんは弾道を見なくても平気で防ぐじゃないですか!

「それに引換え、一夏さんは『世界で初めての男性操縦者』なのに……ハァ……」

ちょっと! 妙子さんだって、座学の方は俺よりちょっと知っているだけじゃないですか!!
武器の使用許可の事だってシャルルが言って初めて知ったんじゃないですか?!

「えーと、妙子さん。さすがに言いすぎだと僕は思うな。
僕の場合、実家がIS関係の仕事だから、自然と頭に入ってしまった。ってのがあるんだから。
それにしても、銃弾が見えるっていうのは本当に規格外な仕様だよね。一夏の白式って」

うう。そうだよな。千冬姉が『ブリュンヒルデ』なのにどうして家ではISの事を話してくれなかったんだろう?
たとえ操縦者になれなくても、少しぐらいの愚痴だったら……ごめんなさい。たぶん今の俺でも役にたたないと思う。

「うーん。さすがに他人が撃った弾だと見えないよ。
自分で撃ったから、タイミングと方向が分かるから見えるだけで。
シャルル。もう少し撃っていいか? 目が慣れたら他の人の弾も見えるかもしれない」

「うん、いいよ。あ、マガジン変えるからそれ全部使っていいからね」

さすがシャルル。二人だけの男の同士よ! やっぱり銃って男にとっては憧れのようなものなんだ。
フォーティフォーマグナムをぶっ放して「今何発撃ったのか数え忘れちまったんだ」ってヤツもやってみたい。うーんし、びれるね。
まあISに関しては、元々女子しか使えないって言うんだから俺が無知なのは仕方が無いんだ。

「まったく、このわたくしの理論整然とした説明をしたというのに、いったい何が不満だというのかしら」

セシリアさんよ。貴女は教科書、いや。説明書みたいな説明すぎていまいち分かりにくいんだ。

「一夏さん。
すごく残念なお知らせなのですが、あたしがIS適正を計ったのは一夏さんの後なんです。
課長は、たとえ護衛対象がISを使える人だとしても、ISを使わせない状況になった場合は意味が無いですし、
コアは全世界で四六七個しかないのに襲撃に使う人は居ない……。
そう思っていたのですが、一夏さんという特殊な存在が居たため、この先も男性がISを使える可能性が出るかも、
そう思って、あたしに検査を受けさせられたのです。
つまり、あたしは一夏さんよりスタートラインが遅れているんですよ?
(そのおかげで、また女装しなければいけない状況になったんですから)」

なんだと!! あれか? チートってヤツか? 
きっと今流行の『女尊男卑』のアニメだったら主人公属性ってヤツか?!

「一夏さま? ISにとっては銃はシールドエネルギーを消費すれば耐えられますが、もしアリーナのシールドが故障してしまったら危険です。
気を付けて下さいね?」

ううっ。
今日も『ISを纏っていない』設子さんから注意が入る。

シャルルが転入してから五日。
妙子さんもそうだが、設子さんも機嫌が悪いように思える。
正直心当たりは無いんだが、妙子さんはさっきみたいに言葉に毒があるけど常に付きまとっているし……。
せっかくシャルルと男同士の友情を育んで、俺の考えに伝えようとしても、寮に戻ったら設子さんが料理を教わりに来るし。
なんだか上手く事が進まない。

「ところで設子さん。質問なんだがよろしいでしょうか?
最近、あの『紫陽花』だっけ? 何で使っていないのでしょうか??」

ついつい敬語になってしまうのは、ここ数日は戦闘データの解析にまわっているからだろうか?
体術は普段のおっとりとした行動とは違い、子供のときから鍛えている箒に迫るほどだが、戦闘での分析は体の隅々までチェックしている。
なんか、ダンスとか日舞(?)の先生みたい。……やったことは無いけど。

それに、解析に使っている端末ってアリーナの管理室の情報をそのまま流用しているような?
―――前に少しだけ見せてもらったけど、あれって教職員用の情報と同じだったよな? いったいどうやってその情報を引き出しているのかとても気になる。

もっとも、そのおかげで白式の調整とか少しずつ勉強になるんだけど。

「あら、わたくしは整備室でキチンと動作確認していますわ。
体に馴染めないような事が無いように、少しずつですがスラスターの位置を変えています。
元々バランスが良いISなので、体に合わせれば大丈夫なのですよ。
後は普段の鍛錬です」

それはやっぱり、俺が未熟って言いたいのでしょうか?

「一夏さま。人は急には強くなれません。ただ、ご自身が未熟と感じているならその分強くなれるんですよ」

!! 読まれた!

「一夏さんって顔に出やすいですよね」
「うん。僕もそう思う」
「あらあら、妙子さまも顔に出やすいですわよ」
「え。ホントですか?」
「ああ、一夏は……。いや、織斑家は意外と素直なんだ」
「箒さん、そこのところを詳しく……」

何か女子達が結託しているようだが、あまりばらさないでくれ。
俺だけならまだしも、千冬姉の事が学園に流れたら、きっと噂の元を特定するんだ。
そして、元凶が分かったら、千冬姉は……ガクガク

とても怖い想像をしている俺は、近づいてきたISの存在にやっと気がついた。

小さな幼い体に不釣合いな眼帯。漆黒のISに所々の赤いライン。そして肩に付いている巨大な銃らしきもの。
他を威圧するには十分すぎる存在。
それが威嚇する為だけにゆっくりと近づいてくる。
プレッシャーは感じるが、千冬姉ほどではない。
あの人なら、威嚇するのではなく、存在自体で体が動かなくなる。だからまだ俺にも余裕がある。

「…なんだよ」

「貴様も専用機持ちだそうだな。ならば話は早い。私と戦え」

―――ドイツもこいつも、ISは戦う道具だと思っている。やっと自分の役目が見えてきたって言うのに、何で争うことばかりにISを使うんだ……。



   ◇  ◇  ◇


「イヤだね。理由もねえし、ISは戦う道具なんかじゃない」

おや。まさか最初にその答えを導き出せるとは、思いませんでしたよ一夏さん。
現に束は未だ宇宙への道を諦めていない。ゴーレム?だってその為に開発したらしいし。
正直実の姉妹の箒さんあたり……は、無理そうですね。
目的に向かって一直線。悪い事ではないのですが、それだと根本から間違っていた場合修正が出来なくなる。

周囲を見ると、一夏に親しい人達(一夏ラバーズ)はそれぞれ思案しているようだが、目の前の軍人は怒りに火をつけただけだった。

「貴様がいなければ教官が大会二連覇の偉業を……。いやそれどころか、今でも現役で活躍している事は容易に想像できる。
だから、だから私は貴様の……。教官の足を引っ張った貴様の存在を許さない」

軍人って、こんなに沸点が低かったのでしょうか?
何人かアイギスにいたけれど、ここまで直情的な人は始めて見た。
―――まあ、アイギスに来る人は変態じみた人ば…。アッ、わたしは変態じゃないですよ。

「確かに俺のせいで千冬姉は二連覇を逃した。だけど、それを判断したのは千冬姉だ。
あんたこそ、千冬姉の個人の考え方を無視する人間か? 本来は宇宙開発用のISを戦う武器として考えているし……。
そんな世の中だから、千冬姉はISから降りたんだよ」

ちょっと。確かに正論だけど、ここで煽ってどうするんですか一夏さん!

「ふざけるな! 貴様!!」

危ない! と思ったときには先にデュノアさんが先に動いていた。

「ドイツの人って、質実剛健ってイメージだけど、こんな密集空間で戦闘行為を始めるなんて、そういうのを野蛮って言うんだよ」

「ふん。フランス人みたく何もしないって言われるくらい未だ第二世代を使っているフランス人が私の前に立ちふさがるか」

「へー。ドイツの第三世代って、確か『慣性停止結界』ってヤツだよね。元々は『PIC』を発展させたものじゃなかったかな?
ドイツって新しい発想とかそういうのは無いの?」

あ、うん。
きっと、あたしの行動が遅かったんじゃなくて、お国柄の対決ですか?

互いに引く気の無い冷たい視線が交差するなか、その均衡を破ったのは我らが頼りになる設子さんでした。

ボーデビッヒさんの横から低い体勢のまま、黒いISに疾走し、ボーデビッヒさんはハイパー・センサーで設子さんの影をとらえて反応したときには、
右足を前に突き出し、方向転換をしようとしている。

あー。これは普段アイギスの鍛錬で何度も負けそうになった『あれ』ですね。
フェイントのフェイント。まともな格闘家やスポーツ選手相手なら初見で対応する事ができない攻撃。

ボーデビッヒさんが設子さんの方向転換先に回り込もうと体を動かすと、設子さんは勢いをそのままに右足の力を抜いて、倒れるように体を崩し、相手の太腿に部分展開したISを触れさせる。
当然ながら触れている場所は、動脈部分。
ボーデビッヒさんも人体の急所を狙われている為に、動くことが出来ない。

知っていたら対応は出来るけど、知らなかったらまず引っかかる。普通だったら足を突っぱねるように前に出したら方向転換するものだと思うからこそのフェイント。
逆にこの技をよく知っていると、普通に方向転換されて酷い目を見る。
―――実に厄介な暗殺者の技能です。

って、冷静に分析している場合じゃないです。設子さん。貴女はいったい何をしているんですか!

「あら? 思ったよりも綺麗に決まりましたわ。
妙子さま相手だと、狙ったように行かないのでちょっと自信をなくしていたのですよ」

止めてください。あたしを引き合いに出さないで!
大体、ただでさえ機嫌の悪い人を煽ってどうするんですか!!
嫌な予感しかしませんから。

ボーデビッヒさんの視線が設子さんとあたしの両方を捉えていると、

『そこの生徒! 何をやっている』

スピーカーから声が響く。
ナイスタイミングです。担当の先生。

「……今日は引こう」

去っていくボーデビッヒさんの目が、一瞬一夏さんだけでなくあたしや設子さんにも向けられたのは、一夏さんだけに敵意を向けるのを防ぐ為でしたか。まあ、仕方が無い。
護衛対象から少しでも危険を減らすのがあたし達の役目ですから。
でも、本当に痴情のもつれとか、逆恨みで女の子に後ろから刺されるんじゃないですか? 一夏さんは。
うーん、これは仕事以外で本格的に身の守り方とか教えといた方がいいのでしょうか?




いつもの訓練が終わって寮に戻ろうとしていたら、一夏さんは山田先生に白式の書類があるとの事なので、設子さんに箒さんのガードを頼み、
自販機に寄りかかって冷たいココアを飲みながら、転校生二人の目的を整理する。
まさか転校生が二人も来て疲れた頭には、無性に甘いものが欲しくなるんですよ。

ラウラ・ボーデビッヒの目的は分かりやすい。
どう考えても、逆恨みなんだろう。
本人も織斑先生の言葉なら言う事聞くし、さっきの事だって一夏さんさえ居なければ…って感じだし。

いまちよく分からないのはシャルロット・デュノア。
あたしだったら仕事上で性別を偽る必要がある場合のみこんな格好をするんですけど、
わざわざ苦労して、変装なんかしなければいいのに。

一夏さんには勉強を教えているし、さっきの事だって本心からボーデビッヒさんを止めていたし。
目的がつかめない。

織斑先生から貰った資料でも、素顔なら十分可愛い顔つきなのに……。

うーん。普通だったら色仕掛け、って事もあるけどそうすると、わざわざ男装しなくてもいいはずだし、
白式だって、対外的には倉持技研が完成させた事になっているし、
中身をいじった束曰く「痕跡残していないからダイジョウブイ。それにISは自己進化するからばれないはずだよ」との事。

……ハッ!?
まさか、資料に載っていないだけで、一夏さんは男色の気が!!
あの変態教師見た目は普通なのに、ガチホモだったし……。

「妙子さん? なに難しい顔しているんだ?」

「ウヒャ!!」

とても怖い考えに行き着いたあたしは一夏さんに声をかけられるまで気が付かなかった。

うぅ。それなりに任務をこなしているのに、こんなところを見られたらまた課長に笑われる。

「あー。脅かせちゃったか? うわ! しかも制服にシミまで付いちゃったし、なんかゴメンな。
って、それココアじゃないか! シミ抜きするからとりあえず、俺の部屋に行くよ」

「イエイエイエイエ。大丈夫ですって。洗濯機に入れれば十分落ちますから」

「あまい! その考えは非常ーに甘いぞ。
ココアっていうのは、油脂が多いんだ。早くしないと手遅れになる」

一夏さん質問です。何でそんなに使命感に燃えている瞳なんでしょうか?
そして、手を離して欲しい。こんなカッコしていますが男なんです。
あたしはノーマルなんですって、男色のケはないんですから〜!!

「まったく。ここの制服って白がメインだろ?
ただでさえ汚れが目立つのに、どちらかって言うとこの学園は体育会系だろ? もう少し何とかなんないのか?
それに妙子さんは綺麗なんだから、もう少し女の子っぽくした方がもてると思うんだ」

いやいや、ナチュラルに綺麗って言われても正直嬉しくないですから。
そんなんだから、女の子に刺されるんじゃないか。ってガードするこっちの身にもなって下さい。

寮に着いても手を離さないで、部屋まで突き進む一夏さん。
あの? 周りの視線とか気にならないのですか?
ちょっと、女の子にこんなことしたら下手したら犯罪ですよ。

「漂白剤はあったはず…。本当は粉末製のがいいんだが……。最悪整備室からベンジンでも分けてもらうか?」

粉末の漂白剤って、存在するんですか? たとえあったとしても、それに普段から家に置いてある物じゃないですから!
料理が出来る事といい、染み抜きにそこまでこだわらなくても主夫としてやっていけるんじゃないですか。

一〇二五室の扉を開けると、シャワールームから水音が聞こえてくる。

「ただいまー。まあ、男臭い部屋だけど適当に座っていてくれ。
あ、あとその上着は脱いでくれ。ちょっとばかり時間がかかるから適当に過してくれ」

一夏さん達の部屋を見て思ったことは、アイギスに清掃のバイトでも紹介したいくらい綺麗な部屋でした。
ウチって変わった人が多いから混沌としているんですよ。

そうあたしに勧めると、そのままシャワールームへ直行する。
「ストップ」と言う前に一夏さんは足を止め、クローゼットへと方向転換した。
とりあえず、ほっと一息していたら、

「わるいわるい。そういえばボディーソープが切れていたんだ。
シャルルに渡すから少し待っててくれ」

「わー!! 一夏さん! 待って。とりあえず落ち着こうよ。
大丈夫ですって、一日くらいボディーソープが無くても人間生きていけますって」

「?? 落ち着くのは妙子さんの方じゃないか?
ああ見えて、って言うのも変だけど。シャルルは綺麗好きだぞ。
『本当に男か?』って思うくらい汗臭い事も無いし、洗面所に置くだけだから男の裸を見る訳じゃないだろ?」

いや、あたしの事を心配するんじゃなくて……。

―――ガチャ。

「ああ、ちょうどよかった。これ、……ボディー…ソープ」

「い、い、いちか……」

なんてタイミングの悪い。
普段は首の後ろで纏めていた髪をほどき、背中の中ほどまである髪がかろうじて女性の象徴を隠してはいるが、
他の部分は真正面から全て見えてしまっている。

お腹の辺りなんて意外と鍛えているようだけど、設子に比べたら女性特有の柔らかなラインを保っているし。
もっとも、設子の場合は雌豹のようなしなやかな筋肉で、ほんの少し体を動かすだけで全身が動いていると分かるほどの猫科特有のしなやかさをもっている。

そろそろ現実逃避は止めるとして、裸の女の子。『シャルロット・デュノア』さんの全てが目の前にある。



―――ああ、もしこの事が設子にばれたら怒られるのかな〜。きっと怒られるんだろうな〜。








後書きみたいなもの

入院前に書いている途中だった物です。
主人公二人はラッキースケベ属性の持ち主なのでこういう展開になりました。

まだまだ本調子で無いので、投稿が遅くなると思いますが、付き合ってもらえると嬉しいです。
過剰なストレスで体を壊さない程度に、自分らしく進めていこうと思っています。

しかし、恋楯の雰囲気を壊さないように、ISのストーリーを進めるって、結構難しいです。
(出来ているかどうかは別ですが)

さて、シャルロッ党のおいらですが、シャルを妙子(修史)側のヒロインにするべきか……。
むしろこの話の中ではお色気担当にするべきか?

頭の中ではIS側で妙子(修史)のヒロインは、○○さんなんですけど、ハーレムを書くよりも他の人が空気になっている自分の力量が……。
―――まあ、いつも通りその場のノリで行きます。

誤字脱字のコメントは消すと書いたのを撤回します。
シャルロッ党なのにあまりにも酷いミス。
それ以上に自分のミスなのですがコメントが貰える事に快感を覚えてしまった……。(Mじゃないはず)
なので、失敗してもドンと来いです(開き直りとも言う)。

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