小説『黒子のバスケ 十二国記パロディ』
作者:kumap()

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「・・・はぁ?」
突拍子もないことをされて変な声が出てしまった。
「だから、許す、と言ってください。」
「何で――」
「―――早く!」
いつも落ち着いている黒子が何か焦っているように叫んだ。
「・・・・・・ゆ、許す。」
言った時黒子は額を火神の足にぐりっと押し付けた。
一瞬、立ちくらみの様な現象のが起きた。
教室の生徒と教師は何がどうしたという風に黒子と火神を凝視している。
「黒―――」
子と言おうとした瞬間、教室と教室に近い廊下の窓ガラスが一斉に破裂した。
ガラスの破片の形は息をすると口の中にたくさん入ってしまいそうな細かさだった。
騒音が止むと火神と黒子以外は皆動くことのない屍と化していた。
何事かと外にいた生徒や教師が集まってくる。
よく見ると黒子と火神の体は傷一つない。
「ここは危険です。此方へ。」
そういって黒子は火神の手を取って走り出した。
ここにいても意味はないと思った火神は曳かれるがまま黒子と一緒に走り出した。


階段に差し掛かったところ黒子が上へ向かおうとするのを見て静止した。
「おい、そっちは屋上・・・」
「止まらないでついてきてください!」
言葉が終わると同時に下の階からガラスの割れる音が響いた。
「早く!」
そしてまた走り出す。

屋上に着くと何とも言えない空が広がっていた。
すると目の前に大きな鳥が数羽こちらにとびかかってくる。
「ジョウショウ!」
黒子が何かの名前を呼ぶと黒子の影から大きい犬の様な動物が出てきた。
「コチョウの足止めを!」
≪御意≫
ジョウショウと呼ばれた動物は大きな鳥にとびかかる。
「ショウシュ。」
次は少し落ち着いた口調で影に呼びかける。
影から出てきた人の様な動物は何かを携えて出てきた。
なぜ人と判断できないかというと背中に大きな羽が生えていて下半身がヒョウの様だったからだ。
黒子はショウシュと呼ばれた動物から剣の様なものを受け取って火神に渡す。
「これを使ってあの鳥と戦ってください。」
「俺に使えると思ってんのか?」
「そうでした・・・ショウエイ」
また、影から白い物が出てきて火神の体に巻きつくと消えていった。
「眼を開けている状態ならショウエイが手伝ってくれます。」
火神が黒子から剣を受け取り、鞘から引き抜く。
≪コチョウが来ます。≫
脳裏に声が響くと体の自由が利かなくなる。
火神の体はコチョウと呼ばれた鳥に向かって剣を構えて走り出す。
人並み外れの跳躍でコチョウの頭から下まで切り下す。
降り立つと体の力が抜けて動けるようになる。
「火神君。」
黒子が少し離れたところから話しかける。
――そういえば黒子は血や血の匂いにしょっちゅう中てられることがあったな・・・。
「火神君、追っ手はこれだけではないです。これから僕は火神君を“あちら”へ連れて行きます。」
「“あちら”?」
聞き返すが黒子は答えず先ほどの犬の形の動物を呼ぶ。
「ちょっと待ってくれ、“あちら”ってどのぐらい時間がかかるんだ?」
「片道で一日、もう時間がありませんジョウショウにのってください。」
そういう黒子の眼は焦りに染まっていた。
言われた通りにジョウショウと呼ばれた獣にまたがる、するとジョウショウは屋上の柵に向かって走り出し柵を飛び越えた。

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