小説『転生はメリットしかない?現実はそう甘くない』
作者:Ratchet()

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「ふ〜。今日の演奏も疲れたな」

そう言いながら俺はベッドに横になる。あれから俺は急いで翠屋に行きバイトを済ませた。

その時になのはが帰り道で怪我をしたフェレットを見つけたと言っていたのでそれがユーノなのだろう。

七夜曰く、色んな所で淫獣と叩かれているらしいが全然そうじゃなくて言い奴だと言っていた。まあ人型になれると言わなかったのは頂けないらしいが。

そして時刻は22時を過ぎた頃だ。俺もそろそろ寝るかと思っていた時に声が聞こえた。

『誰か・・・聞こえますか・・・?僕の声が・・・聞こえますか?』

そして続いてまた声をかけてくる。

『お願いです・・・。もし聞こえた方がいたら・・・僕の所に来てください・・・。力を貸して欲しいんです・・・。どうか・・・お願いします・・・』

それが聞こえた後七夜から念話が届いた。

<聞こえたか?>

<ああ。”今の”が始まりか?>

<ああ。”これ”が始まりだ>

<そうか・・・。まあ静観で行くぞ>

<了解、隊長>

<茶化すな、副隊長>

<ははは。じゃあまた明日な>

<ああ。また明日>

そして念話が切れた。俺はベッドから立ち上がり窓の外を見た。そこにはなのはがパジャマのまま走ってどこかへ向かう姿が見えた。

そして俺はその後姿にこう言った。

「願わくば汝が身に幸多き事を願う・・・。せめて血濡れの道だけは進むなよ?なのは。・・・血に濡れるのは俺と七夜だけで十分だ」

そして俺はベッドに戻り就寝した。











 〜〜なのはSide in〜〜

今の時間は22時を過ぎた位です。何時もならもう寝ていますし今日もついさっきまでは寝てました。

でも声が聞こえたの。朝に聞いたのとフェレットさんを助けた時の声と同じ物が。

『誰か・・・聞こえますか・・・?僕の声が・・・聞こえますか?』

『お願いです・・・。もし聞こえた方がいたら・・・僕の所に来てください・・・。力を貸して欲しいんです・・・。どうか・・・お願いします・・・』

そんな声が聞こえて私は急いでフェレットさんを預けた病院へ向かいました。

病院の回りまで来ると何だか凄く不気味な感じがしました。人も一人もいなくてとても怖くなり帰ろうと思いました。でも私は声の正体を知る為に勇気を出して病院に向かいました。そして病院に入ろうとした時に私が助けたフェレットさんが居ました。

フェレットさんの下に駆け寄ろうとした時黒い大きな影がフェレットさんに襲い掛かりましたが間一髪上に跳ぶことで回避しました。そして私の所に飛び込んできたのでキャッチしました。

「え、え、何?どうすればいいの?」私が混乱していると私を呼んだ不思議な声が聞こえました。

「きて・・・くれたの・・・?」

目の前のフェレットさんから・・・て、フェレットさん!?

「しゃ、喋ってるの!?そ、それにこれってどうなっているの?」

「あなたには・・・素質がある・・・。僕に少しだけ・・・力を貸してください」

「資質・・・?」

「はい・・・。。僕はある物を探す為に・・・こことは違う世界から来ました・・・」

「違う世界?」

「でも、僕一人の力じゃ成し遂げる事は出来ないかもしれません・・・。だから、迷惑だとは思うんですが・・・資質のある人に協力していただきたくて・・・。お礼は必ずします。僕の持っている力を使って欲しいんです・・・。僕の力を・・・・・・魔法の、力を!」

「魔法の力?魔法なんてあるの!?」

「はい・・・。これを使ってください」そう言い首にある赤い宝石を渡してきたので受け取ります。

「それは・・・デバイスと言い、魔法を使う為に・・・必要な物です」

「デバイス?」

「それを使えば、あなたの中に・・・眠っている力を、目覚めさす事が出来ます」

「眠っている力?」私にそんな力があるの?

「はい・・・。その力を・・・貸していただけませんか?」

私はまー君に助けてもらった。だから私はまー君みたいに誰かを助けられる力があるなら助けたい!

「私は・・・助けたい!助けられる力があるのなら助けたいの!!」

キィィィィィィン!!

そう言うと私の手の中にある赤い宝石が暖かくなりそして音が鳴った。

「デバイスが・・・あなたを主と認めた・・・」

「えっ?」

「良いですか?これから、僕が言う事を続いて言ってください」

「えっ、う、うん」

「いきます・・・。我、使命を受けし者なり」

「我、使命を受けし者なり」

フェレットさんの呟く言葉に続く。それは呪文のような言葉。

「契約の下、その力を解き放て」

「契約の下、その力を解き放て」

ドクンッ!ドクンッ!

「風は空に、星は天に」

「風は空に、星は天に」

ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!

呪文を紡ぐたびに私の中にある心臓じゃない何かが激しく脈打つのが分かる。

「そして、不屈の心は・・・」

「そして、不屈の心は・・・」

ドクンドクンドクンドクン!

最後の呪文を紡ぐ。鼓動が最大にまで高まる。

「「この胸に!!!」」

ドクンドクンドクンドクンドクンッ!!

「「この手に魔法を!!!」」

私は腕を上げデバイスを高くかざす。そしてこれから一緒に戦っていく私の相棒の名前を呼んだ。

「レイジングハート・・・セットアップ!!」

『スタンバイレディ・・・セットアップ!!』

 レイジングハートの声が聞こえて桜色の光が私の体を包み込んだ。その日私は未知の力に出会った。そしてその日から私の運命が、始まった。


 〜〜なのはSide out〜〜

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